あまりにも脆弱すぎる静寂

やることが多い。静寂がない。息が詰まる。やりたいことができない。やりたくないことをやっている。私はなんでこんなことを。頭が沸騰するかのように熱くなり、身体がぶるぶる震える。溢れ出る感情を叫ぶこともできずに噛み締めた歯の奥にごくんと飲み込んだ。

騒音がうるさい。静寂を最後に聴いたのはいつだっただろう。静寂で思い出すのはいつも雪の白さだ。

一面が雪で白く、空からもはらはらと柔らかで水分が少ない大きな粒の雪が落ちてくる。音もなく同じリズムでゆっくりと降り注いでいく。私のブーツがさくりと雪を踏む音だけが聞こえていた。そこにはたしかに静寂があった。

炎色反応を起こすのを見るのも好きで、かまくらの中で焚き火をするのが好きだった。焚き火台の上で金属を燃やして、色づく炎をみていた。

沼にに迷い込んでしまった。そこには十字架のように十字に組み合わされた巨大な木の板がたくさん突き刺さっている。元々人だったものが磔られている。木の板は10メートルぐらいあって、その周りを角が二本生え、赤黒い肌を持った10メートル超の巨人が歩いてる。手には巨大な棍棒を持ち、時折り振り下ろしている。そのたび地面が浮かび上がり、私は弾き飛ばされた。

鬼の背後から延髄を目掛けてナイフを振り下ろす。ザクっと刺さる。このくらいの痛みでは鬼は全く気がつかないので、皮膚をきれいに四角形に切り取りその中に毒のポーションを流し込む。紫色の毒々しいポーションを全部使うと、切り取った皮膚で蓋をする。30分ほど経つと鬼の身体に毒がまわってぶっ倒れた。



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