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残り16文字

好きなライター、というか小説家、というか、まぁそんな感じの人がいる。
何故好きかというと、好きな小説に登場してきそうな人だから。アニメ化した時にキャラデザしやすい特徴があるから。あとは、実際に知り合ったとしても、絶対に私に興味を持たないむしろ相容れないような気がするからと言うのが手っ取り早い理由だ。実際に知り合う可能性など、世界中の猫が猫背でなくなるくらいあり得ないと思うので、自意識過剰だと自分を責める。逆に言えば、もし、万が一、億が一、この先その人とLINEを交換するようなことがあれば世界中の猫の背中はスッと真っ直ぐ伸びることになる。大変なこった。とにかく、もしこの世を創造したのが神様だとしたら、神様という存在はとんでもないセンスを持ち合わせていることになる。さすが、元祖クリエイター。

その人は、有料の記事を更新しているのだが、私は購入したことがないので初めの数行しか読めない。数行ですでに面白いのでちょっとくやしいから、自分の我慢の限界がくるまで購入を焦らしている。そんなある日、無料で読めるゾーンがえらく長い日があった。え、こんなに読ませてくれていいの?あ、まだ読める。もう何回スクロールしたかな。わ、まだある。
有料ゾーンに達したときに表示された

「残り16文字」

16文字の価値。
俳句でも読んだのだろうか。
16文字購入の先に何が待ち受けているのか。
とはいえ、16文字の内容自体はあまり気にならなかった。
そういうことをするその人がますます、ますます気になったし、いつか世界中の猫の背中が真っ直ぐになれば良いのになと思った。

サポートの分だけ強くなりたい。 アスファルトに根を張る大根のように。