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アドレスベースレジストリがもたらすデータ利活用の可能性(G空間情報センター・シンポジウム)

11月9日に開催された「G空間情報センター・シンポジウム〜G空間情報の整備と活用に向けて〜」の配信動画を視聴し、G空間情報のトレンドやベースレジストリについて、学びました。


G空間情報センターとは

「G 空間情報センターの1年の歩み」について、(一社) 社会基盤情報流通推進協議会 代表理事/東京大学空間情報科学研究センター 教授の関本先生から説明がありました。

地理空間情報活用推進基本法が2007年に施行され、その後、5年ごとの地理空間情報活用推進基本計画を推進していくなか、2016年にG空間情報センターの運用が開始されました。
現在では、約12,000データセットが登録されており、最近では点群データ、3Dデータ、人流のオープンデータが人気があるそうです。
1TBまで無料で登録が可能で、自治体のオープンデータの公開サイトとしての役割もあるそうです。
データセット以外にも、デジタルシティサービスやリアルタイム災害情報サービスなどのコンテンツも拡充しており、「イノベーションハブ」としての機能・役割を今後も進めていくそうです。

住所って、実はバラバラなんですね

続いて、デジタル庁の方から、アドレスベースレジストリについて、ご説明がありました。

ひとくちに「住所」と言っても
・住居表示が済んでいる場合
 住所は「町字○丁目○番○号」となり、この住居表示は市町村で付番
・住居表示がまだの場合
 住所は「町字○番地」となり、この地番は、法務省で付番

表記の仕方も
一丁目1番1号、1丁目1番1号、1-1-1、1の1の1 などバラバラです。
アパートやマンションの部屋番号を含む場合と、含まない場合もあります。

この「住所の揺らぎ」が、データを地図上に重ね合わせする場合は、さまざまな台帳データを名寄せする場合に、住所や位置が突合できない!という事態が発生します。
3.11東日本大震災や熊本地震等の災害時に、市役所や警察・消防等の行政機関、電気やガス・水道の公共インフラ、コンビニやガソリンスタンド等の民間データなどを重ねてマップ化しようにも、住所の揺らぎのため、突合ができない、突合に時間がかかった。というケースが、多くあったそうです。

住所の共通化!アドレスベースレジストリ

この問題を解決するため、デジタル庁では、住所データの共通化の取組みとして「アドレスベースレジストリ(ABR)」を推進しているそうです。

住居表示を付番する市町村、地番を付番する法務省と連携して、住所の共通ID化を整備し、そのIDを行政や公共インフラ、民間や地域など、社会全体で活用するそうです。
これにより、行政間のさまざまな台帳の名寄せや突合、災害時の行政や公共インフラ等のデータの突合、さまざまな分野のデータを1枚のマップに容易に重ね合わせすることが可能となるそうです。
データ突合やマップ上での重ね合わせが容易になれば、農業や環境、福祉や教育など、データ利活用の範囲が拡大することも期待されます。

今後のトレンド、ベースレジストリ

今回は、住所にクローズアップし、アドレスベースレジストリについての説明でしたが、ベースレジストリには、法人番号や所在、名称等の整理した「法人レジストリ」、不動産登記情報をデータ化した「不動産ベースレジストリ」など、これまでそれぞれの機関で管理していたデータを、共通化する動きがあるそうです。
これらの取組みにより、データの利活用が社会全体で進み、DXにより、さらに便利で豊かな生活の実現を目指すそうです。

今後も、このようなセミナーや勉強会に参加をして、地理空間情報(GIS)やデータ利活用の知識の習得に励みたいと思います。

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