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注目若手バンドインタビュー【POOL ICE MOON/Vo.藤川架月さん】

2020年1月の活動開始直後から、関西の有名ラジオ局FM802で紹介されるなど、今注目を集めるインディーズバンド、【POOL ICE MOON】のボーカル、藤川架月さんにインタビューを行いました。
POOL ICE MOONの名前の由来や影響を受けた音楽、将来の目標など、「ここでしか知ることのできない内容」が盛りだくさんなので、ぜひご覧ください。
(音源はこちら←から)

POOL ICE MOONの名前の由来

一最初に、POOL ICE MOONの名前の由来を教えて欲しいです。まだ他のメディアでも言ったことはない?
「たしかに、言ったことはないですね。語感で決めたのももちろんあるけど、自分の中ではMOONというのをどうしても入れたくて。」

一お名前にも月って入ってますし。
「まあそれもあるんですけど。候補を調べていたときに、「水、氷、月」と入れて検索したら、月に水の氷が発見された、という記事が出てきたんですよ。読んでみたらそれが、世紀の大発見だということを知って。そんなふうに自分たちが、世紀の大発見だと思ってもらえるようなバンドになりたい。そうした想いを込めて、POOL ICE MOONという名前をつけました。」

一かっこいいですね!始動ライブは2020年の1月でしたが、結成に向けて動き出したのはいつくらいのタイミングでしたか?
「動き出したのはちょうど一年前の2019年1月くらいですね。その時は弾き語りで1人でやってたんですけど、やっぱりバンドがしたいってなったから、そこからメンバー探しを始めて。1人ずつ声をかけて、ちょっとご飯行こうやって一対一でご飯を食べて、それで一年くらいかかりました。昔の自分じゃ考えられないような、積極的な行動をいっぱい起こした気がします。」


歌い始めたきっかけ

一話をもう少し過去に持っていこうと思うのですが、音楽を始めたのは高校からですか?
「一応そうですね。」

一最初はギターから?
「そうですね。というかまず、自分が歌を歌うと思っていませんでした。ギターを弾けるようになりたいなと思って軽音楽部に入ったので、最初はギターを弾けてたら十分だと思ってました。でもその時たまたま、オリジナルの曲を作ってみたいという集団ができそうになって、そのときに、たまたまボーカルをやることになったのが僕で。
それがなかったら多分、自分は歌っていない気がします。その時まで、歌うのは嫌いじゃなかったけど、人前で歌うのがもう無理、恥ずかしいという感じだったので。このきっかけがなかったら、音楽で頑張っていこうと思わなかったかもしれないですね。」

一なるほど。そういう風に、音楽で頑張っていこうと思うようになった理由は何だったのですか?
「バンドとしてどんどん活動を進めていくうえでわかったことなんですけど、僕多分、音楽しか向いてないのかもしれないと思って。」

一逆に。
「そう逆に。普通に就職して働くというのがどうしてもイメージできなくて。そもそも働くのが嫌で、そこでどうしようとなったときに音楽が大好きだし、自分から何かを発信したいと思ったから。何かを形にして、それをみんなに聞いてもらうことで、達成感を感じられるようになってからは、音楽でやって行きたいなと思うようにはなりましたね。」


影響を受けた音楽

一今までの人生で影響を受けた音楽はありますか?
「僕は、ひとつのアーティストをガッと聞くよりは、多種多様なアーティストの、この曲いいと思ったものを全部集めてきて、それをプレイリストにしたら、影響を受けた音楽という感じになるので。このアーティストというよりは、この曲が好き、みたいな感じですね。アーティストとして、この曲が好きってなる回数が一番多いのはMrs.GREEN APPLEです。」

一そのプレイリストはどういう感じの曲が多い?
「自分は結構壮大な曲が好きで、ストリングスとか、オーケストラとか、いずれはそういう曲もやりたいと思ってるし、壮大な曲を聴くと、ぶわぁってなってしまいます。どうしてもそういう曲ばっか聴いちゃう気がしますね。」

一ちなみにMrs.GREEN APPLEはどういうところが好きですか?
「根底にJ-popが好きというのがあって、それに完全に共通しているのと。メロディの良さと歌詞の良さと、あとは、アレンジがすごいんですよ。ここにはこの音が鳴ってる、あっちにはあの音が鳴ってる、というギミックが面白くて。最近インストのアルバムが出たので、それを聴いたらわかるんですけど、ボーカルがなくても聴けるというか。」

一歌がなくても完成されてるんですね。
「そう、サントラとして聞けちゃう凄さがあるから、そういうものを目指したいなとは思ってます。」

一藤川くんといえば声がいい、というのをみんな思ってると思うのですが、藤川くん的には歌だけを極めていくのではなくて、歌抜きでも完成された音楽みたいなものを目指したいのかな?
「それはあります。まだまだ勉強中なんですけどね。」


ライブで大切にしていること

一ライブ中の話も聞こうかなと思うんですけど、POOL ICE MOONではライブのテンションが結構クールな感じですよね。
「はい。」

一前のバンド(ソレチュウ)のときは熱いMCも入れつつという感じだったけど、少し立ち振る舞いが変わったよね。そこのライブ中の振る舞いとかに関して、意識していることはありますか?
「これに関しては、まだライブ回数をこなしてないこともあるせいか、自分たちの見せ方をあんまりわかってないんです。曲に対して、どう伝えたいとか、どうたち振る舞ったら良いみたいなのがまだ定まってないから、それはよくメンバーと話してます。その結果、今はクールな感じになっちゃてて笑」

一なるほど笑
「これから変わっていくとは思うんですけど、かといってめちゃくちゃ熱い感じにするのも違うかなと思うので、そのあたりはちょっと考えてますね。」

一曲調もありますしね。その曲調で、MCがキュウソみたいやっても困るもんね。
「ウワーー!とか言い出したら、え、え?ってなっちゃうので笑」

一ついていけなくなる笑。その立ち振る舞いは、場数踏んでどんどん作っていくっていう感じですね。では、ライブ中に大切にしているところはどういうところ?
「これは最近メンバーとも話してたんですけど、メンバーの目をみるというか、ちゃんと演奏を楽しむというか、お客さんだけでなく、自分たちも楽しんでいれば、自然とお客さんも楽しんでくれるんじゃないかなと思うから、それを大事にしています。
また、お客さんの目をちゃんと見るっていうのも意識するようになりました。今はコロナもあるし、お客さんもマスクしてるから、表情がわかりにくいけど、そこは大事にしていこうと思っています。」


同世代で意識しているバンド

一同世代のバンドで、意識しているバンドはありますか?
「やっぱり、the paddlesはあるかな。今は全然追いつけてないけど、負けたくないって気持ちはあるし、ずっと戦っていきたいなと思えるバンドではあるかもしれません。」

一最近はあんまり対バンが無いですよね。始動ライブ以来無い?
「そうですね。向こうが僕のこと嫌いなのかもしれない笑」

一絶対そんなことはないです笑。ボーカルの皇司くんとはすごく仲がいいみたいだけど、どんな感じで意気投合したのですか?
「2018年に、BIGCATで十代白書という大会があって、そこが初めての対バンでした。その時は、the paddlesが優勝して、僕がその時やっていたソレチュウというバンドが準優勝で。でもその前に出会ってるな。大会の前に一回ご飯行こってなりました。」

一予選が終わってから?
「そうですね。僕と仲いいカメラマンがいるんですけど、僕のことがめっちゃ皇司に似てると言ってて。僕としてはだれ?って感じだったんですけど笑。たまたまそのカメラマンが、僕の写真撮って皇子に送ったら、ホンマに似てるやんってなって。」

一ビジュアル的に笑
「予選のあとの決起集会みたいなところで初めて会って、あ、似てるかもって。その後ご飯行って、仲良くなってそこからですね。だからきっかけは、顔が似てる、ですね笑」

一きっかけは顔が似てる笑。良い友達みたいですね笑


将来の目標

一ここから将来の話に入ろうと思うのですが、将来どんなアーティストになりたいか、というのを、個人レベルでもいいし、バンドとしてでもいいので、教えてもらえたらなと思います。
「まず個人としては、曲としての作品を沢山残したいし、それを沢山の人に聞いてもらいたい。それに加えて、その曲がその人達の生活の中で当たり前のように鳴っていてほしい。いかに日常に溶け込ませられるかというか、ご飯を食べたり、寝たり、お風呂に入ったりする位の感覚で聞いてもらえるようにはなりたいと思っています。
だから、横歩いてる人が自分の曲聞いてるみたいな、自分も相手も気づいてないけど、どこかでつながってるみたいな、そういうのがあってほしいなと思うし。その人がその曲を聞いて、共感したりとか、何かちょっとわだかまりが取れるだったり、心が軽くなるみたいな、そんなことが起きればいいなと思っています。

バンドとしては、いろんなロックフェスに出たいし、名だたるアーティストが出てるような大きいところにも出てみたいと思っています。また、アニメの主題歌とか、ドラマや映画とのタイアップも取れるようになりたいです。それはメンバーとも話していたし、目標としてはそんな感じかもしれません。」

一究極のポップスというか、ポピュラーミュージックになりたい、皆に受け入れられたいという感じがあるのかな。
「そうですね。例えば、デスボイスとかハードメタルとかが好きな人でも、ポピュラーミュージックはなんだかんだ好きなわけじゃないですか。結局1番好きなバンドは全然ジャンルが違うけど、POOL ICE MOONのこの曲は歌えるぞ、みたいな。そうなれたら嬉しいなと思います。」

一なんでそういう目標設定になったのですか?
「寂しがり屋なんですよ。すごく自分が。だからもし自分が死んでしまうとなったときに、できるだけ多くの人に知られていたいというか、死んでもなお残るものが音楽だから。形に残るものを残していくことで、ちゃんと生きてたんだなということを証明したいというか、こんなこと歌ってたんだよというのを残したいって思えたのが音楽だったから。それが始めたきっかけでもありますね。」

一あとは、音楽以外でこれもやりたい、ということがあれば聞きたいです。
「絵がめちゃくちゃ上手かったら書いてみたかったけど、そんな才能があるはずもなく笑。僕は音楽以外にも、服がすごく好きだから、そういうところで音楽と掛け合わあせた何かができたら良いなと思っています。」


今後の動きについて

一バンドとして次にやりたいこと、次のステップは?
「やっぱりまだ大阪でしかライブができてないから、まずはいろんな地方へライブしに行って、経験を積みたいかな。バンドとしての経験値を積んで、演奏面や精神面のレベルを上げていきたいです。」

一何か具体的な動きは決まってますか?
「今のところ来年のライブの予定はちょこちょこ決まっているかなという感じです。あとは、六曲入りのミニアルバムを作って、来年の4月か5月あたりに出せたらいいねという話はしてますね。」

一そのミニアルバムはどういうコンセプトで作りましたか?
「初めて出すミニアルバムだから、どんなものにしようかメンバーと話し合ったんですけど。流れとしては、自分が入れたい曲を四曲くらい出して、それにプラスして、今までに作ったデモとかをメンバーと相談しながら入れて出来上がりました。だから特にコンセプトとかはなくて、全部リード曲みたいな感じですね。全曲通して流れがあるんじゃなくて、一曲一曲で完結してるというか、一枚目にしてはなかなかパンチのあるアルバムができたんじゃ無いかなと思っています。」

一では、コロナが落ち着いてアルバムも出たら、その時の動きに乞うご期待という感じですね。
「はい。」


「アーティスト」とは

一最後の一問になるのですが、藤川くんにとって、アーティストとはなんですか?
「えー、難しいな笑。それは音楽に関してってことですか?」

一そこは任せます。音楽でもいいし、もっと広い範囲でもいいし。
「うーん。もちろん自分の思っていること考えていることを表現するかたちでもあるし、音楽にしても、僕自身の生活になくてはならないものやし。だから、それに対して憧れているというか、憧れ続けているもの。自分はまだ自分が思うアーティストにはなれてないと思っているので。ずっと、叶ったあとも追い続けられる夢というか。音楽だけじゃなくて、いろんなものを形として残し続けられる人がアーティストなんじゃないかな、、、と思います!」

一以上になります。ありがとうございました!


取材・文: 山本恵大

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