見出し画像

KLAUS NOMI / KLAUS NOMI 雑感

音楽作品なのに視覚に訴えすぎ。

ドイツの誇る火星人、クラウス・ノミ氏のファーストアルバム。変な紹介ですが彼の姿を見れば納得せざるを得ないと思います。

以前ドリームマッチというテレビ番組でお笑いコンビのハライチの岩井氏がこのクラウス・ノミの格好でコントをしていたので見覚えのある方もいらっしゃると思います。この格好をしている時の岩井氏のコントでの役柄は塩の魔人なるものでしたがノミ本人は火星人。
しかしノミはコントでコレをやっているワケでは無いのが寂しい

正直最初知った時はイロモノかと思い軽く見ていました。いえ、その姿を凝視してはいましたが。まだ20歳前後だったので偏見もあったのかもしれません。
音もぶっちゃけディスコっぽいやすい打ち込みだなぁという印象。ひとつひっかかったのはオペラのような歌い方。
ドイツ訛りの巻き舌で声高に歌われるオペラ調の歌声とやすい打ち込み。そしてこの見た目とくればフザケ半分でやってるコミックミュージシャンかとタカを括っていましたが調べれば調べるほど寂しい気持ちになり、また好きにならずにはいられなくなりました。

まず何故こんなカッコウでしかも火星人などと称しているのかというと彼がゲイだったということが関係していると思われます。彼が生きてきた1940年代から80年代というのは今ほど同性愛に理解がある時代では無く非常に異物的な扱いを受けていたようです。その事から彼は彼自身から離れたいという気持ちとマイノリティであっても堂々としていていいんだというような気持ちがない混ぜになってこのエキセントリックかクラウスノミは産まれたんだと思います。

インタビュー等を読んで自分が勝手に解釈したものを書いているので本当のところはもうノミも火星に帰ってしまったので分かりませんが大きく外れてはいないと思います。

オペラのような歌い方をするのは彼は音楽学校でオペラを習っていたからだそうです。これは厳格な家庭に育ちクラシック音楽しか親から聴くことを許されなかったということが影響されているのだと思います。
それならそのままオペラ歌手になればいいのにとお思いかもしれませんが幼少期の彼は親に隠れてヒッソリと聴いていたロックのレコードに心を奪われていたのです。
感動。

こんな話を知って妙にチープっぽいこの作品を改めて聴くとなんだかノミを抱きしめてしまいたくなります。

しかし皆さんも音楽をやっていきたい!と思った時にこの姿、オペラのような歌い方を思いつきますか?なんだか覚悟のようなものを感じられてそれがまた切ないというか、でも勇気でるようななんだか難しい感情が湧くんですよね。

ディスコっぽい音とオペラ調の声で歌われる歌詞が妙に退廃的だったり虚無的なのも私の中のノミ物語をより加速させていきます。

ちなみに彼を調べるとベルリン時代のデヴィッド・ボウイにも接近するので興味のある方はどうぞ。
(というかボウイが始まりであるとも言える)

普段は作品について書いていて演奏してるミュージシャンへの言及というのは少なくしようとしていたのですが彼の場合はまず彼自身の説明を処理しなきゃ耳に入らないと思ったので今回は氏に焦点を当てました。
まだご存知で無い方が全く情報無しでサウンドから入るのが良いとも思いますが中々そういう機会も無さそうなので。

そして本来は既知の作品や未知の作品を聴く前、もしくは知らないというテイのもとまずは妄想でその作品について書くという嘘記事を先に書いているのですがこの作品はまずジャケットの時点でウソが負けると思ったのでこれまた本記事を先に書きました。

そしてこれまた本来ならもっと有名な(ノミ氏に失礼)バンドなり作品をまずは書いていこうと思っていたのですが棚から手にとってしまったのがこの作品でなんだか書きたくなったので書きました。

まぁ自分で勝手に決めたことで首絞められるのもイヤなので都合よくルール変えていきます。

なんやかんや言ってますがまずは一聴どうぞ。

それではー。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?