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UFO CLUV / THE COLLECTORS 雑感

モッズバンドのロックでポップな名盤。

ザ・コレクターズ6枚目のアルバム「UFO CLUV」。個人的にコレクターズというバンド名がどストライクにかっこいいと思うのですが、アルバムタイトルのUFO CLUVというのもめちゃくちゃカッコいい。センスの塊。

UFO CLUVと聞いて頭に浮かぶのはロックバーの「高円寺U.F.O.CLUB」。           そんでそのまた大元でもあろうロンドンにあったライブハウス「UFO Club」。         ロックンロールマナーに裏打ちされたアルバムタイトルということが分かりますね。綴りをBからVに変えてるのはクラブとLOVEとを掛けてるからとのこと。あらまぁ。

コレクターズはモッズバンドなのでUKロックの空気をめちゃくちゃ音に出しててカッコいいのですが前作まではちょっと硬派で好きな人向け感が強かった様な。それが今作では前作までよりもわりとポップさがあるといいますか、UKロック好きな人なら今まで通り間違いなく楽しめるし、そんなにという人でも全く問題なく楽しめる大衆性も持ち合わせている秀逸な作品だと思います。なんならここからUKロックに興味もって入るのも正しい気がします。

そんなこんなで聴いてみます。

曲目です。

1.月は無慈悲な夜の女王

冒頭にUFOを思わせる音が鳴ったあとゆったりとした柔らかサイケが。エフェクトかかったVo.加藤ひさし氏の声と合わさってめちゃくちゃリラックスして聴ける曲。しかしこれを一曲目にもってくるのがすごい。B面の一発目で仕切り直す的な感じならまだ分かるのですが。

2.愛ある世界

前曲からシームレスに始まるこの曲、ど頭が「LOVE!」のシャウトで始まるのですからもうそれでOK。歌詞も文句なしに素晴らしい。加藤氏がロマンチストなのは長年モッズスタイルを貫いてる所からも窺い知れるのですがそれがいかんなく発揮された歌詞だと思います。ギターもずっと気持ちいい。

3.リラ

ブリティッシュフォークを感じさせる曲。寂しげな曲調と歌詞で、そこに加藤氏の優しい歌声が加わることによって世界観をより強く構築しています。

4.Dog Race

ボーカルはGt.の古市コータロー氏。パワーポップ的な印象がある音でボ・ディドリー・ビートをかましてソロではワウをガンガン使っているギターが前に出ている曲なのに歌はあくまで添え物ですといわんばかりに淡々と歌われているのがバンドギタリスト然としていてカッコいい。

5.Monday

歌謡的なエッセンスがでている歌とめちゃくちゃカッコいいバンドサウンドでコレクターズならではのポップさを獲得したように思います。最初聴いたとき何故かストーンズの悪魔を憐む歌を感じたのですが多分マラカスやコンガ風の音が入ってるからという理由だけだと思います。でもストーンズは入ってるよなー。ワウも気持ちいいです。というかやっぱりUK色強いのに日本的なポップさがあるからいい曲だなぁ。

6.世界を止めて

コレクターズを代表する有名な曲。まぁそりゃ皆んな好きですよねという曲。いい曲にいい歌詞にいい歌。これも歌謡的な歌い方がされている気がするのですが加藤氏の異常に抜けのいい声はそれに合うのは当たり前で気持ちよーく聴けます。(全ての曲がそうですが)。ギターも小気味よく跳ねた音が気持ちー。

7.土曜日の子供たち

リバプールチックなサウンドに加藤氏の伸びやかな声が合わさって歌われる楽しげな曲。韻のふみかたが良くてリズムが気持ちよく刻めてるので勝手にノってしまう曲。

8.5.4.3.2ワンダフル

ディスコやダンスっぽい曲。ファンクっぽいギターと音馴染みの良い言葉のリズムでこれまた勝手にノッてしまう曲。語感を重視してるからかハチャメチャな歌詞が何故かハマっている。ベースと歌メロが重なるところがジャクソン感。途中宇宙に放り投げられたような部分があり、わりとやりたい放題で良い。

9.THE HANMMER AND SICKLE

ノリ重視の前曲から一転して骨太ロックサウンド。歌詞もメッセージ性強めでこれはズルイ。しっかりとしたリズム隊に力強いギターのバッキングとよく通るシャウトならそりゃカッコいい。

10.U・F・O

めちゃくちゃカッコ良い。冒頭、緊張感のあるギターリフからメロコア顔負けのドラムでもって一気にドライヴしていく。めちゃくちゃカッコ良い。なんかのアニメや特撮のOPにでも使われていてもいいような雰囲気もある。一気に高揚させてくれるからかな。歌詞はSFチックに人類愛の問いかけ。これまでのコレクターズらしくないような趣味全開だからコレクターズらしいような。

聴きました。

聴くとやっぱりカッコ良い曲しかないですね。コレクターズというバンド名そのままに様々なロックをコレクトして、それを自然にそれぞれの曲に落とし込んで違和感なく一つのアルバム作品にできるのは流石ですね。
やはりこの世代で今でもバンドやってるような人たちは音楽マニア丸出しな方が多いのでルーツをしっかり自分の中に取り込んでいるからでしょうか。

私があまり知識派では無いので細かいネタなんかはとりこぼしてると思いますが詳しくない私でもこれは名盤だと思えるので未聴の方は是非ー。

なんやかんや言ってますが

それではー。

よろしければ嘘記事もどうぞー。

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