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変革とは〇〇である。

歴史ある企業の中で、クライアントの課題をDXやCXで解決すると旗を掲げて邁進する企業がある。

多くは、業務にデジタルシステムを取り入れて、あらゆる業務を数値化して、それを基にアウトプットを改善して...というようなことに心血を注ぐ。

それって、単なる業務のデジタル化を通した効率化であって、トランスフォーメーション=変革の意味合いが弱いように思う。

変革の狼煙のろしは上がらない

例えばこんなシナリオがありそうだ。

  • 新たにDXと称して取り入れられた業務データベースと、昔から使っているエクセルの2重管理。

  • 社内ナレッジは圧倒的に共有不足で、中途社員100人が入社後にいちいちつまづく社内業務にも細かに総務担当者が人力で対応して疲弊する。

  • 一緒に働くチームの業務状況は可視化されておらず、若手に業務負荷が集中する。

  • それなのに年功序列の賃金体系で、若手の不平不満は常に溜まっている。

  • 小さなミスには「気合いで改善」を約束させて、「以後このようなことが無いようにします。」を連呼させるだけ。

  • ミスを無くすためのプロセスの自動化や、効率化をするための打ち手には一切手を付けず、いつか気合で乗り切れないような大きなミスが発生する。

このような内容は全部、「仕組み」で解決すればいいじゃん。というようなことばかり。

「よし、今日ここから仕組みを取り入れて変革を起こすぞ。」

と意気込んで、社内のDXを推進しようとも、外部のアプリはすべてセキュリティの問題からダウンロード禁止。実質的にDIYのルートは防がれてしまっている。

多重制限の中もがいて、なんとか対応しようとも、社内の環境整備や仕組み化は業務スコープ外であることも多く、給与の評価に寄与しない。

社内の無駄を1,000個削るよりも、1件の大型受注や新ソリューションの開発ばかりが礼賛され、表彰され、多額のボーナスが支払われる。

社内の業務効率化は評価にならないから誰も取り組まない。情報システム担当にまかせておけばOK。世間がどれだけ効率的に仕事を進められる環境を整備してようともお構いなし。

「うちはこのサービス、この金額でやってるから。他社がいくらとか知らん。」

と、他社が効率化で下げることができたコスト(たとえば同じクオリティの1つの業務を3人→2人でできるようにした)と戦える余力は残っておらず、一部な優秀な営業や昔からの繋がりで関係を維持したクライアントとの取引が生命線になっている。

確かに案件は人的魅力から奪取することはできるかも知れないが、如何せんこれだけでは先細りしてしまうし、その社員が辞めてしまえばそれまでになってしまう。

すると上層部は、もっともっと打席に経って営業頑張ってほしいと思うだろう。

「もっと外に出て、付加価値を作ってこい!」

と上層部から発破をかけられて立ち向かうも、もっと効率的で魅力的なシステムを構築した競合他社に太刀打ちができない。

そうなった頃に現場には、武器も気力も残っていない。

社内業務の変革に適切な評価がくだる世の中を

外で魅力的な提案で大型案件取ってくること以上に、社内で大きな変革を起こせた人物に適切な評価が下る世の中が欲しい。

多くの日本企業は、巨万の富を築いた強大な外資とまともに戦って勝てる可能性が極めて低い。

札束が最大の剣だ。攻められて残された小さいパイを奪い合うので空腹は満たせない。

だからこそ、ひとつひとつの無駄や、誰のために存在しているかわからない業務を削減する方がビジネス自体の「変革」の道は開けている。

さらにいうと、無駄業務や不毛業務を駆逐したシンプルな企業のほうが、リスキリングのためのインプットに時間を充てられ、魅力的な提案に脳みそを使う余白が多くなるだろう。

人員を削るんじゃない、無駄を省いて人員の可能性を解き放つのだ。クリエイティビティを殺す、社内すべての無駄業務が無くなること願って。

「変革」とは、
無駄業務を見直し、なめらかに業務遂行ができる状況を作り出すことだ。
誰かが挑戦しようと思った時に、それを阻む障壁を取り払う仕組みだ。
既存から脱却して、新たな価値を作り出すプロセスだ。

上記で書いている内容はそこまでかぶってないけど、なんとなく自社の考え方や仕組みが古いなぁ・・・と問題を抱えていて、抜けなく漏れなく対策しなければと思っている人はぜひ、「うちの職場がムリすぎる」を参考にしてみてください。





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