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今その瞬間の最重要ステークホルダーは誰か?を真剣に考えることで、打ち手の方向性は変わる

アドベントカレンダーに参加するという文化を全く知らない私は、タイムラインに溢れる年末のTipsやアウトプットに感動を覚えながら、自分も、自分の学びを、自分のために残しておきたいと思い筆を執りました。広報PR関係者のみなさまをはじめ、これからPRに取り組もうと思っている経営者(特にスタートアップ)の方も、ぜひご笑覧ください。


さて、toC向けのプロダクトを提供している企業のPRをサポートする中で、最初に握った方向性通りにコトを進めていく重要性を実感する日々です。結果として狙い通りになるかどうかはさておいて。

最初の問い:誰の行動をデザインしたいのか。

プロダクトの初期段階では、まずは使える状態になることが重要視されますよね。例えばCtoCの売買プラットフォームが市場に定着するためには、ファーストステップとして、とにかく出品者数を増やすというのが課題となり、手数料を一定期間無料にした上で、出品キャンペーンを打ち出したりして、売り手となるユーザーを集めます。

売り手の多さが買い手の多さと相関する

私が支援しているエンタメ系プラットフォーマーのスタートアップでも、コンテンツの流通量を飛躍的に増やすことが、成長のためには絶対必要なのだけど、コンテンツ自体を自社制作ですべて賄うのは不可能という見立てが立てられていました。

私が参画したタイミングのオリエンは、「資金調達のプレスリリースで話題をつくりたい」という入り口だったのですが、真の課題は「話題を増やすこと」ではなく、その先に描いている世界像を実現するためには、資金調達というモメンタムが上がる出来事など、ひとつのチャンスも取りこぼしたくないことでした。

さらに深掘りすると、単に話題になれば良いということではなく、サービスとしての信頼感・期待感を潜在的な外部のパートナーに感じ取ってもらう必要がありそうだよね。と整理されていきました。

外部パートナーとの連携を増やしていくことが目下の経営課題であることを合意した上で、「コンテンツホルダーが参加したいと思える状態」を作り出すことをPRの目的として設定し、まずはビジネス寄りの情報発信に振り切りました。

仮にそこをゴールとして設定せずに「何でもありで、とにかく話題を」としていた場合、やり方によってエンドユーザーの拡大に近い戦略を描き、「まずはサービスの良さをZ世代向けに訴求していきましょう」というアクションに寄り道することが発生していたかもしれません。

結果的に集まったユーザーから「なんだ、こんなものか。」と、サービス自体のクオリティが期待値を超えられず、流入直後に離脱するようなカスタマージャーニーが形成されていたリスクもあります。

本質に立ち返っての課題抽出と、誰にどのように行動してほしいのか?の問いは本当に大事な議題設定だと感じます。

ゴールが不正確だと、やってもやっても報われない迷宮に陥る。

先頭で旗を振るのは広報・PRパーソンでなくても良いことがある。

資金調達段階のスタートアップにおけるPR活動(パブリシティ獲得領域)に関して意外にも効果的なのは、情報発信を頑張ること以上に投資家(VC)からの支援を得ることです。

例えば、スタートアップの特集を計画する際、個別企業の広報担当から情報を収集するよりも、業界全体を熟知した専門家への取材が、効率的であることは明らかです。このような状況で、多くの場合、情報源として幅広いアクセスを持つ組織に最初に相談が寄せられることも多いでしょう。

PRのプロとして情報源になるのを目指したい気持ちはありますが、しばしば投資家が類似の役割を果たすのです。

そのような環境下、PR担当者として、最適な行動方針は何かを考える際、重要なのは、未上場の企業であっても投資家を重要なステークホルダーとして位置づけ、彼らとのコミュニケーションを慎重に計画することです。

(自社の)経営陣と協力して、どのような情報を投資家と共有するかを熟考し、戦略的にアクションを生み出すのは、コミュニケーション設計のプロとして関与して良い領域なのではないでしょうか。

投資家との連携を通じて、効果的なPR戦略を展開することが、スタートアップ企業の成長と認知度向上に貢献する可能性を秘めている、ということも頭の片隅においておくことをおすすめします。

最適解のためには参謀として動くこともある

本当にその打ち手でいいの?をさらに問いかける

最重要ステークホルダーの特定と、課題の設定を終えてみると、急に自分の得意領域が無用の長物となってしまう可能性はあります。そんな時にも常に「自分はコミュニケーション設計のプロである。」という自負をもとにその時々に繰り出せる最善手を模索し続ける、というマインドが求められるのかもしれません。

私のできる範囲で一緒に考える伴走型支援もやっています。
そうそう、それを言いたかったorやりたかったんだよ!という何かが見つかるかもしれません。お気軽に相談してみてください。

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