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【西洋建築史】ヴェルサイユ宮殿(フランス)

前回からの続きです.
平成6年の一級建築士試験には,次の知識が問われました.

【問題】◯か×で答えよ
パリ郊外のヴェルサイユ宮殿は,バロック建築である.


【解説】
ルネサンス建築は,イタリアのローマから始まり,そのデザイン(安定を好み調和や比例関係にもとづく静的な古典美学)がヨーロッパ各地へ伝播していったが,その後のバロック建築(古典美学の抑制から解放され,動的で,より劇的な効果を求め,みる者に強烈な印象を与えようとするデザイン(具体例はコチラ))も同様に,イタリアのローマから始まり,ヨーロッパ各地へ広がっていった.

イタリアの隣国,フランスでは,当時,太陽王と呼ばれたルイ14世が,国王としての絶対的権力を握っていた.その権威を形で示すため,ヴェルサイユ宮殿を建築する.壮麗でいて華麗なフランス バロック建築の完成形と言われている.

Google Earthより
模型(東武ワールドスクェア
模型(東武ワールドスクェア

フランス バロックの特徴は,動的なイタリア バロックと異なり,古典主義(=安定を好み調和や比例関係にもとづく静的な古典美学)の要素が強い点にある.つまり,古典主義的なバロックと言える.その代表作がこのヴェルサイユ宮殿である.

ヴェルサイユ宮殿の特徴は2つ.その1つが鏡の間だ.幅10m,長さ75mという長いギャラリーとなっており,庭園側に開いた大きな窓とその反対側のアーチ内に窓と同形の鏡がはりつめられている.

鏡の間(バロックではあるが,古典主義的な静的で調和のとれたデザイン)

ヴェルサイユ宮殿のもう一つの特徴が,幾何学的に整えられた庭園である↓

Google Earthより

問題文の記述は正しい.

【解答】◯ 
上記の解説動画(60秒YouTube)は↓

続く



【参考となるYou Tube動画】時間のない方は視聴不要

以上

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