見出し画像

自分の気持ちに素直に生きてきた人生。ヨガを通して世界に貢献していく。

マインドフルネスを体現している、心豊かな人生を送っている方からまなぶシリーズ第七弾。

今回は、東京・原宿IGNITE YOGA STUDIOのスタジオ経営者であり、ルルレモンの日本法人の立ち上げにも責任者として深く関わり、日本でウェルネス文化の普及に貢献してきたJuri Edwardsさん(以後、Juriさん)。

東京で育ったものの、学生時代からアメリカに生活の拠点を移し、自分が楽しいと思う方向に素直に生き続けてきたJuriさんの人生。

今回、どうしてヨガをはじめたのか・マインドフルネスを自身の人生にどう活かしているか、など色々とお話を伺ってきました。

プロフィール
Juri Edwards(ジュリ・エドワーズ)
東京都出身。大学時代を過ごしたカリフォルニアでヨガに出会う。その後拠点をハワイに移し、ヨガインストラクターとしての道を歩みはじめる。ルルレモンの日本法人立ち上げを任され2015年に日本に帰国。2018年、ルルレモンから独立したと同時に、アジア初のルルレモン「カントリーアンバサダー」に抜擢された翌年、東京・原宿にIGNITE YOGA STUDIOをオープン。2022年2店舗目となるスタジオを下北沢reloadに出店。最近では活動の拠点を日本から海外へと広げている。

左:Juriさん、右:箕浦(弊社代表)


箕浦
 はじめまして、本日楽しみにしておりました。よろしくお願い致します!

とにかく楽しい方向へ、ハワイにたどり着くまで

箕浦 Juriさんは、アメリカでも活動されてきたそうですが、どのような人生を歩んできたのでしょうか?

Juriさん 出身は東京生まれで、東京で育ちました。ずっと同じコミュニティで育ってきて、少し外の世界を見てみたいと思ったのと英語を話せるようになりたかったので、高校でアメリカ・コロラドにある学校に留学したのを契機に、学生時代はアメリカをメインに過ごしてきました。

箕浦 私も今振り返ると高校の時から海外に行ってみたかったなと思うのですが、どのような経験がアメリカ行きを決意させたのでしょうか?

Juriさん 両親が海外に行った方がいいよというグローバルマインドな人たちで、中学の時に海外にホームステイに行かせてもらえたり、海外に行く機会は多く、英語を話せるようになりたいと思う機会がありました。

また東京で育ち、若い頃は渋谷でよく遊んでいたので、このまま東京にいたらずっと楽しく遊んで終わってしまうだろうなと思い、外の世界にに出てみようと思いました。

箕浦 アメリカに高校で留学行ったあとは、社会人になるまでどのように過ごされていたのでしょうか?

Juriさん サーフィンが好きだったので、カリフォルニアに住んでみたいと思い、カリフォルニア・オレンジカウンティにある大学に進学しました。

箕浦 サーフィンが好きでカリフォルニアを選ばれのですね。大学では、何をされていたのですか?

Juriさん 国際政治や人と人が共存できる平和な世界をどのように作るのかなど、幅広く平和について学ぶ『平和学』という学部を専攻し、勉強していました。

その中で学んだガンジーの思想に興味をもち、インドにも4ヶ月程度短期留学しました。プライベートではよく海に行ってサーフィンをして、というような楽しい学生生活です。

箕浦 大学卒業後は、どういったキャリアを歩まれたのですか?

Juriさん ハワイに行って不動産の会社に就職して、そこで働いていました。

箕浦 ハワイで就職しようと思ったのは、どういった理由からですか?

Juriさん ハワイにもずっと住んでみたかったんです。ハワイでサーフィンライフをすごしたくて笑

箕浦 いいですね、とにかく楽しいと思う方向に、自身のいる環境やキャリアを選ばれてきたわけですね。

ハワイで会社員として働いているうちに、ヨガインストラクターへ

箕浦 今のところ、ヨガという言葉が全く出てきていないですが、ヨガとはどういったタイミングで出会われたのですか?

Juriさん 大学生の時も、アメリカはヨガスタジオがたくさんあるので、運動不足解消のために時々いったこともありましたが、本格的にはハワイで始めました。

ハワイでは不動産の会社に就職し、時間ある時はサーフィンに行くという生活を送っていましたが、波のない日にヨガに行くようになりました。その時からトライアスロンやマラソンをはじめて、ライフスタイルが一気にフィットネス中心になりました。パーソナルトレーナーの資格をとるための勉強を始めたのもその頃です。

サーフィンが趣味のJuriさん

箕浦 トレーニングの一環で、徐々にヨガもし始めたという感じですかね?

Juriさん はい、ヨガにも興味を持つようになって、200時間の講師になるための養成講座を受けました。

ヨガの先生になりたいというよりは、少し深く学んでみたいくらいの気持ちでした。

箕浦 養成講座を受けたら、ヨガにはまって、ヨガインストラクターになったという感じですかね?

Juriさん いいえ、そういうわけではありませんでした。

箕浦 あ、違うんですね笑

Juriさん 今の姿からすると、驚かれるのですが、人前で話すことにすごく苦手意識をもっていて、講座を受講中に練習で人前で教える体験でもものすごく緊張して、ヨガを教えたいという気持ちはむしろ失ってしまいました。

箕浦 そこから、どう現在のようにヨガを教えるようになられたのですか?

Juriさん 養成講座を受けて2年くらいは、ヨガを教えずパーソナルトレーナーをしていました。そんな時に、知人に”今度新しくオープンするヨガスタジオのオーディションがあるから受けてみない?”と誘われて、流れで受けたらたまたま受かってしまって、それでまた教えることになりました。

箕浦 教えるのが苦手ということでしたが、その時はどうでした?

Juriさん 最初はどうしようかと思っていたのですが、ヨガを教えているうちに、生徒がレッスン後により明るい表情になっていたり、ポジティブに変わっていく姿が見れるのにやりがいを感じるようになり、ヨガを教えることが好きになりました。

その頃には、不動産の仕事もやめて、パーソナルトレーナーやヨガインストラクターの仕事をメインでするようになりました。

ハワイでヨガを教えているJuriさん

ルルレモンとの出会い

箕浦 その後、ハワイで生活されていたのが、ルルレモンの日本法人立ち上げのために、日本に移られたと思いますが、何がきっかけだったのですか?

Juriさん たまたま、ハワイでルルレモンのAsia Pacificエリアの代表が、私のレッスンに参加されて、彼に出会ったことがきっかけです。

箕浦 すごい偶然ですね。

Juriさん はい、日本でルルレモンがオープンするので立ち上げを手伝ってくれないか、とお話を頂きました。

箕浦 0からの立ち上げだったんですね。そこから当分ルルレモンの立ち上げに関わられるわけですね。

Juriさん はい。「コミュニティーコネクター」という役職で日本に行ってほしいというお話でした。最初は1ヶ月の契約だったのが、出発前に3ヶ月にかわり、人とどんどんつながりながら、ルルレモンの世界観を伝えていくという、お店もオフィスも何も無いところからの始まりでした。

箕浦 一ヶ月間の契約が、だんだん伸びて、当分働かれることになったのですか?

Juriさん そうですね、自分も一ヶ月間と思っていましたが、その後さらに数ヶ月やってくれないかと言われ、直感でやってみるかと。

東京・銀座の商業施設GINZA SIXに店舗を開くということだけ決まっていて、あとは香港にいる上司と、ルルレモンを知ってもらうために、ショールームを作ったり、イベントの企画をしたり。

PR・マーケティングなど経験がなかったのですが、なんでも任させてもらえて。色々と実践しつつその結果を見れるのが、とても楽しくて。

箕浦 スタートアップみたいですね。

Juriさん そうなんです。大きいブランドにも関わらず、グラスルーツ的にコミュニティを広げていて。実家に、プロモーション用の商品がダンボールで大量に届いたり、毎日が文化祭みたいでした。

箕浦 楽しくて、どんどん契約期間を伸ばしていったと。

Juriさん はい、もう必死にやっていて、そしたら実際にGINZA SIXでの店舗が完成して。今度は、店舗でのビジネスを見たり、ブランドマネージャーとして全体を見たり。そうこうしている内に、毎年契約を更新していって、結局2019年までルルレモンで働いていました(2015年から)。

IGNITE YOGA STUDIOを自身でオープンするまで

箕浦 その後、独立してご自身でヨガスタジオをオープンしたのは、どういった経緯からですか?

Juriさん ルルレモンで働いていた当初から、海外のように気軽に体を動かしに行けるようなライトなスタジオがあったらいいのになと思っていました。ルルレモンはスタジオをオープンするようなことはないので、いつか独立して自分でスタジオをやろうと思っていました。

箕浦 そうなんですね。ただ、原宿のスタジオですと、ルルレモンの店舗の上にありますよね?

Juriさん それが不思議なご縁で、独立を決めた時にたまたまルルレモンが原宿の店舗をオープンすることになり、私の過去のルルレモンとのつながりということでほぼ奇跡的にタッグを組み、パートナー提携したスタジオとしてオープンすることが決まりました。

ルルレモンとして店舗と同じ空間で第三者がスタジオ経営するというのは、グローバルで見てもはじめての取り組みでした。

箕浦 今までの関係があったからこそ、出来たことなのかも知れないですね。

IGNITE YOGA STUDIO原宿店の外観

ヨガを通して、人生がより豊かになる場所へ

箕浦 ”IGNITE YOGA STUDIO”は、どういうコンセプトのスタジオなのか、どういった思いでこの名前をつけられたのか、教えてもらってもいいですか?

Juriさん まず、コンセプトとしては、モダンスタイルのヨガスタジオという言い方をしています。

箕浦 モダンスタイルというのは、どういった意味合いでしょうか?

Juriさん 伝統的なヨガに敬意を払いヨガの教えを大切にしつつ、ヨガを現代人にあった形にしているのがイグナイトヨガです。

例えば、レッスン中に音楽を流したり、レッスンは少しフィットネス寄りにしていたり、すべて1時間で完結していたり。あとは、仕事や家事を頑張りながら日々忙しく生活している人でも行きやすいように行きたいなと思う時に、いつでも行けるようなスタジオにしています。

箕浦 なるほど、クラスが朝から晩まで常に開かれている状態にあるということですかね。

Juriさん もちろん、少し空いている時間もあるんですけど、大体1日8クラスくらいあって、朝7時の早い時間から夜9時の遅くまでレッスンがあります。1時間の中でも、しっかりと体を動かした実感、効果が感じれるように、しっかり動いてジンワリ汗をかけるようなレッスンを提供しています。

箕浦 ”IGNITE YOGA STUDIO”という名前はどういった想いが由来となりますか?

Juriさん  ”IGNITE”には英語で火を灯すという意味があります。来てくれた人がじんわりと体が熱くなるくらいの運動量を大切にするという意味を込めています。

あと、ヨガに”タパス”という言葉があり、これは熱とか苦行という意味があります。この熱とは摩擦で起こる熱のことで、ヨガのマットの上に立って日々練習を行う(≒摩擦を起こす)ことで、その熱が自分たちのネガティブなところを変えてくれるというのが、タパスの簡単な説明になります。

この小さな摩擦の熱を繰り返して、自身が変わって、人生がより豊かなものに変わっていく。ヨガのポーズができるできないではなくて、それよりも、少しずつの積み重ね(≒摩擦熱)で自分自身も進化し、自分の人生も変わっていく、そこを大切にするスタジオにしたくて、”タパス”(摩擦熱)の意味も込めて、”IGNITE”(”火を灯す”)という名前にしました。

箕浦 とても素敵な名前ですね。

IGNITE YOGA STUDIO原宿店の内観

効果を感じるまでは、健康習慣を続けてみよう

箕浦 積み重ねが大切な一方で、なかなか、健康習慣を続けてもらうのは難しいと思いますが、何か工夫などされていたりしますか?

Juriさん 面白い話があって、スタジオをオープンした時に、1ヶ月8レッスンのプランを提供していましたが、その時は思ったように人が来ませんでした。

海外のお客様は1ヶ月8レッスンだと少ないという反応だったのですが、日本人のお客様は、1ヶ月に8回も来れないという理由で会員にならない方が多かったんです。

箕浦 なるほど。そこから何か打ち手を変えてみたりはしたのですか?

Juriさん 1月にSWEAT CHALLENGEという企画で、2ヶ月間で40回クラスを受講できた方全員にルルレモンから賞品をお渡しする企画をしました。そしたら、1ヶ月8レッスンでも来れなかったお客さんの方々が、むしろ毎日来るようになりました。

箕浦 とても面白いですね。

Juriさん これって、プレゼントがあったということもありますが、毎日来ることで効果が実感できたこと、それが一番の要因だと思います。

実際、この時に来てくれたお客様の大半は、このチャレンジが終わった後もヨガの習慣をつづけていらっしゃいます。

箕浦 なるほど。効果をとにかく実感してもらうことが大切で、そのための仕組みづくりを工夫したということですね。サービスをしている身として大変勉強になります。

IGNITE YOGA STUDIOのチャレンジ企画

今後は、ヨガを通して世界に貢献していきたい

箕浦 最近では下北沢にもスタジオをオープンされたと思いますが、今後どういう活動をしていきたいとか、決めていることはありますか?

Juriさん 色々模索しているところなのですが、今年からまたハワイで過ごす時間を少し増やしていければと考えています。

箕浦 あー、めちゃいいですね。

Juriさん 他に活動としてやってみたいと考えているのは、やはりヨガがベースにはなるのですが、ヨガを通して社会にも貢献していきたいなと考えています。

ヨガのコミュニティを広げていくことで、1人でも多くの人が気持ちがよりポジティブになったり、周りの人により優しく接することができるようになったり、そういった良い影響があると思うので、どんどんヨガを広めていきながら、実際に社会貢献のツールとしてヨガを使っていきたいと思っています。

箕浦 具体的にはどういったイメージでしょうか?

Juriさん アメリカだと既にそういった活動はあって、ハワイに住んでいた頃にDV被害を受けていた女性の方々の団体に月1回ボランティアでヨガを教えていたことがあります。

友人も刑務所にヨガを教えに行っていました。ヨガは体だけではなく、メンタルケアにも効果があると認識されているアメリカはもうすでにこのような活動がさまざまな場所で広まっているので、日本でもそんな活動を広めていきたいと思っています。

第一弾の企画として、今年の9月から始まる200時間のIGNITE yogaの養成講座はシングルマザーの方は半額で受講できるという取り組みを始めました。今後も色々な形で社会貢献していければと考えています。

箕浦 素敵ですね、弊社のサービスのUpmindアプリでも、ユーザーの方がメディテーションをするたびにNGO団体セーブ・ザ・チルドレンに寄付を行うという活動をしていたりします。ヨガや瞑想を通して、実践される方が変わっていくのはもちろん、優しい世界により貢献していけるといいですよね。

IGNITE YOGA STUDIO原宿店のエントランス

Juriさんが感じるメディテーションの効果

箕浦 日本だと、マインドフルネスとかヨガ、その手前の健康意識から、まだまだ普及していないなと感じますが、その点いかがでしょうか?

Juriさん 自分の時間を優先するというのが苦手ですよね。私自身もそうですが、東京にいると忙しくて、誘われた誘いに毎回行くとかしていると、いつの間にか自分の時間がなくなっている。

また、過去にインドに留学した時に感じましたが、世の中は便利になっているけど、その分繋がりを省いちゃったり、自身の優先順位を見失ったり。多分もっと大切にしないといけないものがあるんですけど、資本主義の方にちょっと寄って効率の良さとか、便利さとかに流されてしまいますが、そうじゃないなと。

箕浦 自分の時間を大切にするというところで、メディテーションが今後の世の中でものすごく役に立つスキルになると、考えています。Juriさんはそのような時間を作ったりしていますか?

Juriさん 瞑想については、毎日やるようにしています。実は元々、瞑想は苦手でした。どちらかというと体を動かすほうが好きだし、ヨガをしていることで瞑想ができていると思っている自分もいました。

ただ、日本に帰ってきて、瞑想を習慣化できた時に初めて、瞑想の効果が全然違うものだと実感できました。今でも朝起きたら瞑想を15分間するという習慣を続けています。

箕浦 ちゃんと効果を実感できるまで、ある程度の時間トライしてみるということは大切ですね。

Juriさん 今では、効果がわかっているので、瞑想をしないで一日を始めることは考えられないです。

1日の始まりはメディテーションの習慣から

こうしなくてはいけないという当たり前を捨てる

箕浦 インタビューの最後に、今の生活に満足していなくて、これからどう生きていくかなど悩んでいる方は多いと思いますが、一言アドバイスなど頂いてもいいですか?

Juriさん いつでも、私たちは変われる選択肢を持っています。”女性はこうでなくてはならない”、”母親はこうでなくてはならない”とか、いつの間にか”こうしなくてはならない”という誰かが決めた「当たり前」に囚われてしまって、変わる選択肢があることに気づけないということが多い気がします。

最初はつらくても、勇気をもって踏み出して、行動するということが大切だと思います。

箕浦 当たり前だと思っていることは、当たり前ではないこと多いですからね。まずは、そこに気づくと。

Juriさん はい、そうして、自分を優先していいという選択肢に気づいて、自分が幸せな人生を生きていってほしいですね。自分が幸せでないと、周りも幸せにできないですし。

シンプルに、自分が何をしたいのか、何をしている時が幸せなのか、を見つめ直して選択をしていくということですかね。

箕浦 有難うございます、マインドフルネスはその辺り見つめ直すのにすごい役に立つなと自身でやっていて思います。

今回のインタビューとても楽しかったです、有難うございました!

インタビューを終えて

インタビューで話を聞かせていただいて、シンプルにJuriさんかっこいいなと思いました。自分が楽しいと思う選択肢を取られてきて、自由に活動されている印象を受けました。あとは、メディテーションが自身の生活の中で役に立っているというお話が印象的でした。

瞑想もより日本社会の中で一つの習慣として広がるといいなと思います。今回、素敵なお話を有難うございました、今後のJuriさんの活動、大変応援しております!


代表取締役(箕浦 慶)プロフィール

オーストラリア・パース生まれ。2015年に東京大学工学部を卒業、チームラボに入社。2016年までスマートフォンアプリのエンジニアとして開発業務に従事。2017年に米Bain&Company(戦略コンサルティングファーム、東京支社)に転職し、経営戦略の立案に従事。2021年にUpmind株式会社を設立。瞑想歴はゴア(インド)で体験してから10年以上。日本最大のマインドフルネスアプリUpmindの開発者。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?