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天才はあきらめた

山里亮太さんの本である。

私の知っている山里亮太こと山ちゃんは、ツッコミの天才だ。

天才が、天才をあきらめた???

天才は、計算などせずに自然とやったこと・言ったことを、周りが勝手に「特別だ」とか「変わっている」と思う。

と、山ちゃんは述べている。

それに対して山ちゃんは、周りに「特別だ」と意識させるように仕向けていたのだそうだ。

天才と凡人の違いは、この特別な行動を意識的にするか、しないかの意識の有無らしい。

外から見たら、同じ天才でも、中を知っている本人からすれば、自分を天才とは思えなかったのだろう。

モテるために、何者かになるために、山ちゃんは、妬み嫉みをエネルギーに変え、必死に努力してもがいてもがいて、今の場所に辿り着いた。

天才はあきらめ、努力で天才と同じ場所に立ったのだ。

山ちゃんは努力の天才だ。

努力で天才になった。

このもがき努力した様がこの本には綴られている。

山ちゃんの名言が散りばめられていたり、知っている芸人とのエピソードも出てきて、ププッとなったり、ホロッときたりと、おもしろい。

自信をなくしているときに読むと、がんばろうと気持ちが上向きになる一冊だ。

自分の才能のなさに沈み黒いドロドロしたものに心が覆われている時に、山ちゃんが吐く毒が、自分では吐けない毒を、山ちゃんが代わりに、それ以上に吐いてくれているようで黒いものがなくなっていった。

また、若林さんの解説もおもしろく、山ちゃんとの出会いや想いが綴られており、優しくひねくれた愛情が伝わってくる。

読み終えた頃には、山ちゃんも若林さんも、この本に登場する全ての芸人が好きになった。

山ちゃんは、とりまく全ての人の魅力を引き出す天才でもあると思う。

天才は自分が天才だと気づかない

若林さんの書いているように、気づいていないだけで、山ちゃんはやっぱり、天才だ。

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