第33回「区内回遊促進のための先端技術の活用」
UPGRADE with TOKYO 第33回(テーマ「区内回遊促進のための先端技術の活用」)を開催しました
東京都が抱えるさまざまな課題の解決に向け、これまでにない製品・サービスをスタートアップ企業が紹介するピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」が10月25日(水)に開催されました。
第33回目となる今回のテーマは「区内回遊促進のための先端技術の活用」。デジタルマップやリアル謎解きゲーム、MaaSなどの技術を有した企業5社がピッチに臨み、Z世代向け観光・飲食アプリ「SASSY」等のサービスを展開する株式会社RelyonTripが優勝しました。
千代田区来街者の回遊促進――区内経済のさらなる活性化を目指して
千代田区では、大手町や丸の内といった日本屈指のビジネス街や、秋葉原のようなサブカルチャーを中心とした観光地等、皇居を中心として様々な特徴を有する地域が円状に集積しています。
各地域における来街者数もコロナ禍から回復しており、各地域で活気あるまちづくりを実現できている一方で、来街者の「回遊」という観点では大きく2つの課題があります。
一つは地域「間」の回遊で、来街者の移動は秋葉原、飯田橋、神保町といった各地域にとどまっており、別の地域への回遊はあまりされていません。
もう一つは地域「内」の回遊です。各地域内でも、国立劇場などのランドマークや観光スポットに来街者が集中し、近隣の商店街や飲食店への立ち寄りは今一歩という状況です。
以上を踏まえ、先端技術等を活用しながら、区内における来街者の回遊促進に資する技術・サービスの提案を募集しました。
■優勝社:エントリーNo.2 株式会社RelyonTrip
『観光・飲食アプリ「SASSY」を活用した区内回遊促進施策』
優勝した株式会社RelyonTripが提案したのは、観光・飲食アプリ「SASSY」を活用し、都内の大学生やインフルエンサーとのコラボレーションによって発掘した魅力的なスポット情報を提供するサービスです。スポットの写真等を見ながら直観的にいきたいスポットを選定・登録できることが特徴で、アプリ上で「まとめマップ」や「デジタルしおり」としておすすめスポットがまとめられ、デジタルマップ上に表示されます。
これまでも本アプリを活用した、地元商店街や飲食店さまとの協働によるスタンプラリーやクーポン等による周遊促進の実績があります。千代田区でも同アプリの機能を生かし、さらなる周遊の促進を目指します。
本ピッチにおいては、来街者の周遊促進に資することを大前提として、区内の各店舗が自ら魅力を発信し集客を実現するための事業となりえるか、継続的に事業運営が可能か、という点が重視されました。
その中で、区内の大学生を巻き込みつつ地域の各店舗からの登録依頼も可能であり自発的な取組みを見込める点と、既存アプリのユーザやSNSフォロワー等を多数保有しており多くの人に発信できるほか、アプリにおける拡張性が高い点が評価され、株式会社RelyonTripが優勝しました。
■エントリーNo.1 New ordinary株式会社
『AIレコメンドデジタルMAPを活用した千代田区内回遊周遊プロジェクト』
New ordinary株式会社は、利用者が設定した目的地だけでなく、利用者の気分や好み等をAIが分析し、適したスポット・コースをデジタルマップ上でレコメンドする回遊促進施策を提案しました。
■エントリーNo.3 株式会社ハレガケ
『”AR × AI × 謎解き”でつくる新しい周遊体験』
株式会社ハレガケは、ARやAI等のデジタル技術を活用し、参加者自身が主人公となり近未来の千代田区を疑似体験しながら区内を周遊するコンセプトのリアル謎解きゲームを提案しました。
■エントリーNo.4 株式会社Safamii
『ウェルビーイングなお出かけ提案アプリ"Mood"を活用した千代田区内の2次人流創出施策』
株式会社Safamiiは、自社が提供する「Mood」を活用し、アプリ内の音声認識・解析機能によりユーザの心理状態を計測し、その時の気分・状態に適した行き先をレコメンドする施策を提案しました。
■エントリーNo.5 RYDE株式会社
『RYDE を活用した千代田区回遊促進プロジェクトのご提案』
RYDE株式会社は、地域特典やコミュニティバスの乗車券等が組み合わさった「ちよだサークルパス(仮)」を造成・運用し、その利用データ分析・検証から今後の周遊促進施策を提案しました。
今回のピッチイベントでは、千代田区に来訪した人々が、当初の目的地だけでなく区内の様々なスポットを発見し、そこを訪れる契機を作ることで、地域間・地域内における周遊を促すための施策について、様々な視点から提案がなされました。
千代田区の商店街や飲食店が活性化することで区内・都内経済が発展し、また本ピッチ参加企業がさらなる躍進を遂げることを願います。