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先端技術を活用した防災意識の啓発(第28回優勝社 株式会社アルファコード)

株式会社アルファコード(東京都港区)との連携

東京都では、地震や風水害などの災害に備え、各種インフラ整備の計画的な実施や、自助・共助を促す事業の推進など、幅広い対策の充実を図っております。今後も、気候変動で激甚化・頻発化する風水害、いつ起きてもおかしくない地震や火山噴火などへの備えを強化する必要があります。
株式会社アルファコード(東京都港区)との連携では、都民の防災意識の向上を図るため、アルファコード社が提供するメタバースシステム「VRider COMMS」を活用して、メタバース空間内において災害時における危険体験や避難シミュレーションを体験できるコンテンツの開発を行いました。

VRコンテンツによる防災意識の向上

アルファコード社と協働して開発したコンテンツは、東京都が開催する防災イベント等で公開されました。メタバース空間で災害体験をすることで、都民における防災意識醸成のきっかけとなるようコンテンツを作成・提供しました。

株式会社アルファコードとの協働について東京都政策企画局の担当者へインタビュー

「先端技術を活用した、都民の防災意識向上に資するコンテンツの開発」をテーマとしたUPGRADE with TOKYO第28回。テーマ設定の背景や優勝社が選ばれたポイントについて、東京都政策企画局の担当者にも話を聞きました。

第28回のテーマを「先端技術を活用した、都民の防災意識向上に資するコンテンツの開発​」とした理由は何か。

東京都では、災害から都民の皆様の生命と暮らしを守り、日本を支える首都東京の機能や経済活動を維持するため、昨年(2022年)12月に、「TOKYO強靭化プロジェクト」を公表しました。このプロジェクトを推進するためには、行政の取組はもちろんですが、それに加え防災に関心が低い方々を含む、あらゆる世代の”自らを守る”取組の促進が重要です。第28回のピッチを行った2023年は、関東大震災から100年の節目の年であり、この契機を捉え、都民の防災意識向上に資する防災のムーブメントを作るために本テーマを設定しました。

ピッチ開催にあたり、スタートアップにはどのような製品・サービスに関する提案を期待していたか。また、ピッチに出場した5社の中で、アルファコード社が優勝した理由は何か。

スタートアップが保有する画期的なアイデアや先端技術を活用することで、都民が防災に対して自然と興味を持つきっかけとなるコンテンツの提案を期待していました。
第28回のピッチでは、VRやメタバースをはじめ、防災スポーツやプロジェクションマッピングなどユニークな提案がありました。アルファコード社はその中でも、インターネットを使わずに複数の方がVR空間で共有体験できる独自の技術を有しており、その技術を活かしたコンテンツが都民の防災意識の向上に寄与すると考えました。

協働プロジェクトを推進するうえで、障壁となった事象や課題等はあったか。

協働したスタートアップ企業は、防災の専門家でないため、災害時の状況を正確に表現することについて、お互いの認識を擦り合わせるのに、何度も修正を行うなどの苦労はありましたが、結果として正確で分かりやすいコンテンツを制作することができました。

これまでの取組を踏まえ、今後はどのような取組を予定しているか。

関東大震災から100年を契機とした都の防災イベント等で協働開発したコンテンツを来場者に体験いただき、多くの方から高い評価を得ることができました。最終的な目標はこうしたツールをより多くの都民が体験することで一人一人が防災に関心を持ち、自助・共助・公助それぞれが機能し、災害が起きても助かる都市になることです。

本協働プロジェクトを通じて、スタートアップとの協働を行うメリットとして挙げられることは何か。

スタートアップ企業との協働は、アイデア等を積極的に採用し新しいサービスを創造するというイノベーティブな発想や物事を進めていく意思決定の速さを感じました。また、先端技術を用いて防災に関する知識や都の取組みを可視化する取組は、防災の気運醸成に大きく変化させるきっかけになると実感しました。

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