生成AIによるヒヤリハットデータ収集・分析・活用の高度化(第38回優勝社 アルサーガパートナーズ株式会社)
東京消防庁とアルサーガパートナーズがキックオフミーティング
東京都はこれまでに開催したピッチイベント「UPGRADE with TOKYO」で優勝したスタートアップの皆様と都政課題の解決に向けて協働を進めています。今回は、第38回優勝のアルサーガパートナーズ株式会社との間で行われたキックオフミーティングについてお伝えします。
職員のヒヤリハット体験を将来的な事故防止施策立案に活用したい
東京消防庁では、事故の未然防止を目的として、令和6年度から、消防活動中や防災訓練中などの消防業務全般に係るヒヤリハット情報について組織統一的に収集・活用する体制を構築していますが、収集した膨大な情報を事故の未然防止対策に有効活用できていないという課題に直面しています。
アルサーガパートナーズとの協働事業は、生成AI等の先端技術を活用し、多角的かつ効率的な分析を行うとともに、事故の未然防止対策へ活用するためのシステムを構築する取組です。
スマホアプリに話すだけでヒヤリハット情報を登録できる音声入力、入力された情報に応じた過去の類似事例検索、事故予測やAIによる再現動画生成など、様々な機能を有したシステムを検討していきます。
生成AIによるヒヤリハットデータの分析と、今後の施策立案に向けたインサイトの導出
アルサーガパートナーズは、ITシステム開発に特化してDXソリューションを提供するコンサルティング企業です。
今回の協働プロジェクトにおいては、ヒヤリハット情報の入力・登録の効率化と、登録された情報と類似する過去データの検索、AIの分析による危険予知や防止策のレコメンド等を行う想定です。
登録されたヒヤリハット情報は、ヒヤリハットが発生した業務の種類や発生場所、原因等の要素をもとに自動で分類されてデータベース中に保存され、各事例に共通する要因の分析や今後の予防策等を分析し、レポート・動画としてアウトプットすることを検討しています。
従来は東京消防庁内で利用できる端末数・環境に制約があり、ヒヤリハット情報の登録に苦労していましたが、本システムを活用すれば、時と場所を選ぶことなくデータを入力できるため、ヒヤリハット情報の収集効率が格段に向上します。
その結果、多数の類似事例を抽出できるだけでなく、原因や対策案を精緻なものとし、テキスト・動画として視覚的に情報を届けることができ、より説得力と臨場感を伴う周知・発信を行うことが可能です。
東京消防庁・アルサーガパートナーズによる協定締結に向けて
8/22(木)に実施されたキックオフミーティングでは、協働内容やスケジュール、費用、権利の取り扱い等を取り決める協定書作成に向けた今後の流れ、各関係者の役割分担等について認識合わせを行いました。
今後はシステム要件定義に必要となる情報を集めつつ、それらを活用してどのようなシステムを構築すべきか、本格的なプロジェクト開始に向けた協定内容の検討を行っていく予定です。
◆キックオフ会議の様子
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