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【ARコンテンツの作り方】ARで表参道を海底都市にしてみた

アップフロンティアではAR開発サポートツール「CFA(シーファ)」を作成しているのですが、開発も終わり実際に使える状態になったので、使用感の確認も兼ねてARコンテンツを制作してみました!

第1弾は「表参道 海底都市」です。

配置ツールで現実空間をスキャン

CFA専用のアプリ「配置ツール」で空間を読み込み、初期位置の設置と「玄関」「信号機」といった目印の設置ができます。
今回はオフィス周辺のおおよそ 50m×10m×15m の空間を使ったコンテンツでしたが、設置作業にはそれほど時間はかかりませんでした。

慣れとコツは少し必要ですが、完成の姿に想像を巡らせながら直感的な配置ができるので、非エンジニアでも簡単に使えそうです。


特定の位置でイベント発生

今回は横断歩道に近付くと「後ろからサメが来る!」といったイベントを入れてみました。

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ARコンテンツは「なにかを画像などを読み取ってイベント発生」という体験が多いと思うのですが、CFAでは「特定の位置に来たらイベント発生」が実現できるので、より驚きとワクワクの演出ができます!

ちなみに、こういった一歩踏み込んだシナリオベースのコンテンツも Visual Scripting (Bolt) で比較的簡単に作れるので、大きなコストはかかりません。

また、シナリオが順を追って進むには「何かしらのトリガーを踏む」仕掛けが必要なのですが、CFAではコライダ(当たり判定)、移動、回転などの開始や終了をトリガーにすることができます。
「コライダ(当たり判定)に侵入した時にイベントが発生する」という仕組みはかなり便利で多用しました👀


高さも気にせず配置OK

今回はオフィス(ビル4階)へ登っていくシーンを入れてみたのですが、1階分は大きくズレること無く配置できました。

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ただ、2階以上の移動をするとの移動をするとたまにARオブジェクトがズレてしまうという気になる動きも…。

AR Foundation はジャイロセンサーとカメラで自己位置推定をしているのですが、
・Azure Spacial Anchor の設置場所から離れすぎたのか...
・オフィスの内壁は真っ白でカメラが画像の特徴量が取れなかったのか...
などが考えられ、数メートル以上の高低差のある空間を舞台にしたARコンテンツの作成には、企画の時点から何かしら工夫が必要かもしれません。

この辺りは次期バージョンのCFAで対策を入れる予定ですので、続報をお待ちください!

精密なオクルージョンが必要なコンテンツを作るには注意が必要

昨今の技術を用いると、ARオブジェクト(仮想の物体)を「現実の物体で、まるでそこにあるように」表現することができます。手前にある物体が後ろにある物体を隠すことを、「オクルージョン」といいます。
今回は「クジラの影が壁と壁の間に見える」といった表現を入れてみましたが、やや難ありでした。

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現実の壁に「見えない壁」を置いて、影がまるで現実の壁で塞がれて見えなくなるように処理を入れたのですが、前述の自己位置推定の狂いでややズレて違和感が出てしまいました。

この方法は泥臭い実装方法なので、次期バージョンのCFAではもう少しスマートで汎用的な方法を実現予定です。
とはいえ、あまり厳密にやろうとしすぎると沼にはまって本来作りたいものに注力できない可能性がありそうです…。

さいごに

今回は自分たちで制作した「CFA(シーファ)」の制作所感をまとめてみました。AR自体がまだまだ発展中の分野で、日々、できることが多くなってきています。(逆に、カンペキに表現できない箇所も…。)

そういったARの現状をお伝えしながら、Webやアプリに次ぐ「新しい表現方法」としてARが選択肢に上がるようアップフロンティアとしては努めていこうと思います。

もし、ARコンテンツの制作にご興味のある方はぜひお問い合わせください!


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