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3D都市モデル提供サービスまとめ

アップフロンティアのXR開発で3D都市モデルの活用を検討しており、3D都市モデルを提供しているサービスの調査を行いました。
調査内容をまとめたので、3D都市モデル活用を検討している方の参考になればと思います!

3D都市モデルとは、現実の都市を仮想空間に再現したデータです。
都市活動に関わるさまざまなデータを仮想空間に集約し、都市計画や街づくり、建設工事など多様なシーンに役立てることが期待されています。

3D都市モデルを提供しているサービスを5つ紹介します。

1.PLATEAU

日本の国土交通省が提供しているサービスで、2021年度時点で全国56都市と広い範囲で3Dデータが提供されています。
利用料金は無料で、商用利用が可能です。オープンデータとして、配布されています。
提供範囲が広い、無料、商用利用可能なので、3D都市モデルを使ってみたいとなったら間違いなく候補に上がるサービスなのではないかと思います。

PLATEAUの3D都市モデルには経度緯度情報が含まれているので、緯度経度情報を持ったデータと結びつけることで3D都市モデルの任意の位置に情報を表示するが可能です。
また一部の建物には高さ、階数、構造種別(屋根、壁など)の属性情報も含まれています。属性情報を利用して、建物の屋上に別のオブジェクトを表示したり、屋根のみ色を変えて表示させたりするなどということも可能です。
UnityUnreal Engine向けのSDKも提供されています。

アップフロンティアではLightship VPSの研究開発でARシューティングゲームの「マッスルアニマルズ」というアプリを開発しており、その際に土台データの作成でPLATEUを利用しております。


2.ZENRIN City Asset Series

地図情報の調査・制作・販売を行っている日本の株式会社ゼンリンが提供しているサービスです。
こちらも無料で商用利用が可能です。MITライセンスに基づき提供しているので、ご利用の際はライセンス内容をご確認下さい。

東京都 大田区、大阪なんば、博多、札幌のマップが提供されています。マップはUnity Asset Storeからダウンロード可能です。
公式サイトの活用イメージにも記載されていますが、ゲームでの利用が想定されているマップです。
ゲーム開発に活用できるエフェクトも付属されています。各マップによって付属するエフェクトは異なりますが、雨、風、晴天、夜空、曇空等の様々なエフェクトが組み込まれており、開発したいゲームの雰囲気に応じて活用できます。
また問合せが必要となりますが、Unity Asset Storeに公開されているマップ以外にも日本21都市及び欧州・北米の海外56都市を提供することができるようです。


3.REAL 3D MAP

3DCG技術をベースに様々な事業を行っている式会社キャドセンターが提供しているサービスです。
利用体系はいくつか用意されており、月額30万円で提供されているマップが全て利用可能です。最低1年間の契約が必要で、1年単位での契約継続となります。
データ提供方式が3ds MAX(V-Ray使用)、Unitypackage形式となっており、Unity、UnrealEngineの両開発ツールで利用が可能です。

用意されているマップは東京、横山、大阪です。それぞれの昼景、夜景も用意されています。サービス名称通り、リアリティのある3D都市モデルになっています。
お試しで利用したい場合は無料サンプルがあります。公式ページの無料サンプル欄から使用許諾書を印刷・捺印して、提出することで提供して貰えます。
こちらの3D都市モデルは不動産プロモーションなどのリアルな景観を見せたい時に利用されているようです。


4.Mapbox

地図、衛星・航空写真・地形、3D地図といったコンテンツとSDK群を提供するMapbox社のサービスです。公式サイトでアカウント登録をすることで、商用利用可能です。
利用料金は従量課金制になっていますが、無料枠もあるので検証目的の利用も可能です。スマホアプリであれば、月間アクティブユーザー数が25,000ユーザー以下なら無料で利用できます。
Unity向けのSDKが提供されています。

公式ページでデモ体験が可能です。こちらで利用したい地域の3D都市モデルが提供されているかを確認することができます。
東京、名古屋、大阪、福岡などの主要都市はデータが用意されていました。

導入事例も豊富でSoftBank、Yahoo、PayPay、LINEなどで利用されています。
またMapbox社では道案内、ジオコーディング、逆ジオコーディングなど様々なサービスを提供しているので、それらを組み合わせて、アプリ開発に活用することも可能です。


5.Cesium

アメリカの航空宇宙ソフトウェア会社であるAnalytical Graphicsから2019年に独立企業として、スピンアウトしたCesium GSという会社が提供しているサービスです。
商用利用が目的のアプリケーション開発の場合、会社の売上が5万ドル以上(約645万円 2023年1月時点)は有料となります。
利用するデータ量、セッション数などに応じて、ライセンスが用意されており、ライセンスごとに利用料金が異なります。
Commercialライセンスが推奨されており、ストレージが50GB、データストリーミングが150 GB / 月、セッション数が5,000 / 月で月額149$(約2万円)となっています。

本サービスも公式ページ上でデモが体験できます。
こちらも日本の主要都市はデータが用意されていそうです。

Cesiumは3D都市モデルも提供しておりますが、プラットフォームの意味合いが大きいです。PLATEAUのデータをCesiumで表示を試していた方もいました。
Unity用のプラグイン(プレビュー版)を利用しているようです。


まとめ


おわりに

様々な企業が3D都市モデルを提供しており、サービスによりマップの雰囲気が異なります。
開発したいアプリのイメージに合わせて、どのサービスを利用するのが良さそうです。有料のサービスもあるので、予算の都合も考慮する必要はありますが。
弊社では引き続き、調査と検証を続けていく予定です。
記載の情報に誤りがあったり、情報が更新される可能性がありますので、サービスご利用の際は公式情報のご確認をお願いします。

アップフロンティア株式会社では、一緒に働いてくれる仲間を随時、募集しています。 興味がある!一緒に働いてみたい!という方は下記よりご応募お待ちしております。


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