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note【ビジネス書:要約&書評】#3 THE MODEL マーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス(著:福田 康隆)

シリーズで掲載しております、ビジネス書を中心として書評の第3弾、今回は『THE MODEL』という本のご紹介です。サブスクリプションモデル、特にSaaSビジネスについてマーケティングや営業のテーマを中心にした内容になっております。第1回目の書評でご紹介したものよりも少し踏み込んだ内容でこれまで福田氏が実践してきたこれまでの歴史を記載した自叙伝のような内容なのかなという感じもしました。その歴史の中で得た原理原則のようなものが分かり易く書かれており、個人的にはとても参考になりました。
以下は、第1回目の書評の記事になります。

1.この本を読んだきっかけ

第1回目の書評の時ときっかけは同じで、とメーカー企業からSaaSビジネス業界への転職を予定しており、社員の方から業界の理解のためにおすすめされました。業界自体に興味があり転職するものの知識としてまだまだ足りない部分があったため、勉強も兼ねて読ませていただきました!
#1の本を読んだ後に今回の 『THE MODEL』を読むとより理解が早く深まるのではないかと個人的には思います!

2.この本はどんな人におすすめ?

・サブスクリプションビジネスのマーケティングや営業、カスタマーサク
 セスについて実践的な内容を知りたいという方
 (すでに業界にいる方でも学べる点は多いと思います)。
・より深くサブスクリプションビジネスを知りたい方(#1を読んでより
 関心が持てた方)
・サブスクリプションモデルのビジネスで企業を検討されている方。

3.本の目次とあらすじ

■第1部 アメリカで見た新しい営業のスタイル
 第1章 マーク・ベニオフとの出会い
 第2章 営業のプロセス管理
 第3章 「ザ・モデル」のその先へ
・アメリカのセールスフォース社から学んだことについて主に記載されてお
 り特に営業におけるプロセスの分業体制についてを中心に説明。
 過去に成約に至らなかったをリード(見込み客)についてもリサイクルさせ
 るという流れを作ることの重要性については印象に残った。

■第2部 分業から共業へ
 第4章 2つの変化
・従来の営業プロセスでは通用しないことについて、変化の1つとして顧客
 の購買検討プロセスの変化があるという。特に現代において顧客は営業が
 アプローチする前にはすでに情報収集や比較検討までを顧客が独自に行え
 る中で、その検討ステージに求めているものを提供可能にするコミュニケ
 ーション作りが重要であり、またデジタルシフトによるonetooneマーケテ
 ィングが実現可能な時代になってきたという時代の変化を説明。
・2つ目の変化としてビジネスの成長がもたらす変化として、特にソリュー
 ション型商材において、初期におけるアーリーアダプター層が中心の顧客
 (商談が取れやすい)から、成長期のアーリーマジョリティ以降の顧客(商談
 が取れにくい)セグメントにおいてアプローチを変化させる必要があるり、
 そのためには先ほどのリサイクルの考え方が重要になると説明。

 第5章 分業の副作用
 第6章 レベニューモデルの創造
・第5,6章では具体的には営業プロセスにおける分業から共業における副作用
 や、収益モデルの説明を図を交えながら分かり易く説明。

■第3部 プロセス
 第7章 マーケティング
・マーケティングにおけるステージ管理とステージごとの客観的な基準作り
 の重要性、プロセスの途中で商談化に至らなかったものなどはリサイクル
 することで、日々、見込み客をためていく必要性を説明。

 第8章 インサイドセールス
・インサイドセールスについて、リードの育成(ナーチャリング)やリード
 のステージ管理の基準決めやメリット、仕事の進め方やKPI等のマネジメン
 トなど。

 第9章 営業(フィールドセールス)
・営業については商談フェーズを細分化し管理するためのフェーズごとの指
 標のほかに、マネジメントとして注視すべきポイントなどを紹介。

 第10章 カスタマーサクセス
・顧客のプロセスのステージ設計から、顧客のサービス活用度やポテンシャ
 ル、継続利用の可能性についてのチャックや、購入後の顧客価値最大化に
 向けた施策(ユーザーコミュニティ、リレーション構築など)とカスタマー
 サクセスの評価指標について。
 
■第4部 3つの基本戦略
 第11章 市場戦略
・市場戦略におけるエンタープライズ(大企業)市場とSMB市場それぞれの特
 性や2つの市場セグメントに均等に投資する二股モデルの紹介など。

 第12章 リソースマネジメント
・リソースマネジメントにおいて、セールスキャパシティを計算する際の
 ランプタイム(営業が100%戦略になるための期間)の重要性や生産性改善
 に向けた取り組み、目標設定、テリトリーマネジメントを公平に見る事の
 重要性について。

 第13章 パフォーマンスマネジメント
・マネジメントは営業のパフォーマンスをどう見ていくのかを事例を交えな
 がら紹介。数字偏重の見方ではなく、数字から今何が起こっているのかを
 全体を俯瞰しながら全体最適の視点で見ることが重要。

■第5部 人材・組織・リーダーシップ
 第14章 人材と組織
・ビジョン、ミッション、バリューがメンバーの力を集結する拠り所となる
 事、これが市場へのメッセージなるため、日常の言動が一貫しなければな
 らず、実現できれば顧客との結びつきも強固となると説いていた。
 また組織づくりのベストプラクティスとして様々なポイントを紹介。

 第15章 リーダーシップ
・リーダーシップにおいて「増幅型リーダー(メンバーの能力を最大限に引き
 出す)」と「消耗型リーダー(メンバーを消耗させる)」となっている分野を
 認識すること。現場で起こっていることへの理解や部下のゴール設定や接
 し方について。

4.特に勉強になった点

TheModelを通して個人的に学びがあり今後、B2B向けのSaaSビジネスに関わる身として大切だと思った点は以下2つのポイントになります。
 ①リードの「リサイクル」
 ②営業の商談フェーズにおけるビジネスイシューの重要性

①リードの「リサイクル」
ビジネス初期においては様々なマーケティングソース(展示会、セミナー、ウェブからのアクセスなど)からの新規リードの獲得が見込めるが、何度かセミナーなどをやっていくと、以前リーチしてきた顧客の割合が増えるのは当然で、純粋な新規リードも減少する。また検討が必要な商材ともなるとリード全体に対して具体的に購入に検討している層は10%ほどだそうだ。しかしながらそれ以外の65%くらいの層は今は購入しないが興味がある層で時間はかかるが戻ってくる可能性のある人たちであり、この層は新規リードとは違いリード獲得コストがかかららず、また将来の購入者となりえる確率が高い層でもある。
またこの層の人たちは時が経つにつれ蓄積されていくものでもあるため、マーケティングオートメーションなどを活用しながら常にナーチャリング(リード育成)を効率的にサイクルを回すことが重要。

②営業の商談フェーズにおけるビジネスイシューの重要性
商談フェーズの中で最も注力すべきは商談の際に顧客の経営課題(ビジネスイシュー)を意識するという事。B2B向け商材の場合は高額という事もあり決裁者が経営層となるケースが多いが、その経営者が最も関心が高いのは経営課題について。しかしながら担当者レベルで話し合われるのはソリューション(解決策)にフォーカスが行ってしまうことはよく目にする。よっていざ決裁となった際に現場と経営層でのギャップが生まれなかなか進まないという事が起こってしまう。商談の際には経営課題とともにその問題点と解決策、さらには導入後の効果を常に意識しながら、初期段階で経営者にリーチする必要がある。

5.まとめ

今回ポイントを絞っての投稿となりましたが、他にもレベニューモデルのフローごとの具体的なマネジメントや仕組み、組織づくりなどが紹介されており、これをすべてまねれば上手くいくというわけではもちろんありませんが(商材や顧客セグメントなど戦略によって違うため)、具体例から原理原則のようなものをつかんでいけると思うので、改めて自分もさらに読み込んで仕事でアウトプットして、また気づきを得るようなサイクルを回していきたいと思います!
今後もビジネス書を中心にアウトプットしていきますので、今後ともよろしくお願いいたします!

人生の役に立つ記事をかけるようにいろいろな体験や書籍などを通して皆様に生きていくヒントを提供していきたいと思います! よろしくお願いします!