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夏草のひとりごと #5 あの光はいつまで


小学生以来、プラネタリウムというものに行ったことが無かった。

当時は学も無かったので、人工的に作られた夜空の意味がさっぱり分からなかったし、目まぐるしく変わる空模様に酔った記憶しかない。

という訳で大人になった今、新潟の自然科学館に立ち寄る機会があったので、併設されているプラネタリウムを見てきた。

わざわざ場所の名前を書いたのは100年の歴史があるくらい古くからプラネタリウムがあるらしいとのことだったので、特筆してみた。

星は綺麗だなあくらいにしか興味を持ってこなかったから、天文学的な視点の解説内容にまず感動。

そこで聞いたのが、星はその明るさの強さによって1から6段階に振り分けられるらしい

星の明るさを表す等級

感覚的に表現すると、6等星は肉眼でギリギリ見れる明るさ。
1等星は例えば夏の大三角を構成するベガなんかが挙げられる。

上の図にある通り6等星は1等星の1/100の明るさだ。
1等星でさえ「あ、星だ。キレー」みたいなものなのだから6等星は非常にか細い光だと思う。

これに加えて星はその光が地球に届くまでに時間がかかる。
僕たちが見ている光は常に過去から届いたもので、またもベガを参考にすると25年前の光を見ているらしい。

ということは6等星はもっと昔からか細い光を瞬かせて地球に届いていると考えられる。

ここに届くころにはもう消滅してるかもしれない。

星空は僕たちの感傷的な何かを刺激する。その時、1等星だけが輝いているだけではきっとさほど刺激にならないだろう。

無数の弱い光は長い時間をかけて、いったい何のために輝いているのだろう。
勿論、存在に意図なんてないのは分かっているけど、そんな星に思考や感情が加わっただけの人間である以上、何かを重ねたくなる。

分かりやすく1と6で比較したけれど、2から5等星だってそれぞれ個性があって。
そういうのに魅力を感じて研究や観察してる人もいるはずだ。

自分はどんな風に輝いて、何等星になれて、いつまで輝くんだろう。

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