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張りつめた時間がゆるむとき

自然が欠乏すると、人はイライラしたりストレスが溜まったりするらしい。

そんなことを思い出しながら、今これを書いている。長野県松本市。駅前こそ賑やかな観光地だけれど、ここはわたしの住むさいたまより田舎で、どこかのどかだ。

いつもよりも、少しだけ息が深く吸える気がするのは、きっと気のせいではない。キリキリして、脳内の血流が津波を起こしそうな状態も、今は感じない。わたしが本来心地いいと感じるテンポと、実際の時間の流れが合っているような感覚がある。


生まれた土地は田舎だった。育った土地も、決して都会ではない、緑のある郊外だった。山が近くに見えるのがふつうで、植物のにおいに触れて生活していた。

こうした原点も影響しているのだろうか。自然が多い環境に身を置くと、ふうっと心身の力が抜けていく気がする。むやみやたらとむしゃくしゃする感覚もない。


やらざるを得ない物事が少ない、という理由もあるだろう。家事はないに等しいし、子どもたちを急かす必要もない。だけど、それでも場所から受ける影響は、きっと大きいのだと思う。


「山が見えると、妙に落ち着かない?」

わたしの問いに、夫は「別に」と答えた。夫とわたしの実家は同じ市内だ。同じような環境で育っていても、感じ方は別なのだなあ。


#エッセイ #コラム #わたしのこと #日記 #雑記


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