ものが書けないとき
「書けないときには無理に書かなくてもいい」
そういっていたのは、高校時代の先生だった。文芸部の顧問で現国の教師だった先生が、部員にいっていた言葉だ。
その言葉通り、部員たちは毎月発行される部誌で、「書けないときは書けない」を実践していた。……わたしは、高二の終わりになし崩し的に入部したことになっているらしい幽霊部員に過ぎなかったから、詳しいところまではわからないのだけれど。
最近、思うようにものが書けなくて、苦しい思いをしている。
もちろん、仕事では「書いて」いるのだけれど、自分の「書く」ことが、いまいちスムーズにできていない。
スランプ、ではないと思う。スランプに陥るようなレベルの話でもないだろうし。単に、わたしの精神状態が原因なのだろうな、と思っている。
自分自身の「書く」には、精神状態が大いに関わってくる。もちろん、仕事のときにも関係なくはないのだけれど、仕事外のときには大きな影響が出る。
テンションが上がりすぎていてもダメで、かといって落ちすぎていてもうまくいかない。凪いだ状態、もっというなら、「すこーしだけ、マイナス」の状態が、わたしの場合はベストだ。
書くことで精神バランスを保っているところもあるわたしが、精神バランスのせいで満足に書けなくなると、途端に悪循環のループに陥ってしまう。だから、今、ちょっと(いや、ちょっとどころではないな)、わたしはつらい。
「書けないときには、無理に書かなくてもいい」という言葉が、脳内をループしている。先生のいっている意味はわかる。無理をして書いたものなんて、ロクなものにならない。読み返してみて、原稿用紙をビリビリに破りたくなるようなものができあがることがほとんどだ。(実際にはパソコンデータだけれども)
本当は、焦らずにやり過ごした方がいいのだろうと思いながらも、とりあえず毎日こうして文章を書いている。……noteは決して創作ではないけれど。
昨夜から今日は急転直下で、かなりつらい時間を過ごした。早く浮上して、「書けない」状態からも浮上したいところなのだけれど。
厄介なメンタルだなあと思いつつ、でもこの性質でなければ、きっとわたしはものを書かなかったかもしれないと思うと、人生はうまくできているような、いないような、妙な心持ちになる。
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