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【日常スケッチ】日曜朝7時、京浜東北線

日曜、朝7時。

家を出たら、ちょうど建物の合間から日が昇るところだった。冷たい空気が心地いい。朝の空気は澄んでいて、冬は特に混じりけがないように感じる。寒いのは苦手だから、長時間外にいるのは好きではないけれど。

最寄駅に最近できたパン屋では、開店準備中の店員さんたちが慌ただしく動いている。

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改札前では、酔っ払った男性が「40代以上は死んだほうがいいのかな!」と何度も叫びながら歩いていた。改札をくぐり抜けたところでちらりと振り返ると、痩せ型の男性が手に缶を持って悪態をついているのが見える。怒鳴り声、特に男性の大声が苦手なわたしは、そそくさとホームへと降りていった。彼は一晩中、どこで飲み明かしていたんだろう。

日曜の朝早くにも関わらず、南浦和駅のホームには多くの人が列をなしていた。行き先は仕事なのか、はたまたレジャーなのか。ただ、乗り込んだ車内の空気は少し緩んでいて、やっぱり平日とは違うな、と思う。ああ、スーツ姿の男性が見える範囲にいないんだな。かっちりした服装の人がいないことが、この空気を作っているのかもしれない。

幸い席に座れたため、周りの人をぼうっと眺めつつ、スマホの画面に指を滑らしている。目の前には、金に近い茶髪の男性二人組が、「俺、この時間帯が1番嫌いなんだよ」と話している。程なくして目の前に別の乗客がやってきたため、話の続きは聞こえなかった。

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本当は昨夜寝落ちした分の仕事をするためにノートパソコンを開きたいところなのだけれど、混み具合的にちょっとやりづらい。目的地には早く着く予定だから、着いたあとの待ち時間にやろうかな。

電車は王子に向かっている。降車駅の新橋までは、まだ時間がある。どうにかしてスキマ時間を活用して使いこなしてみちみちにしようとしてしまうのだけれど、たまにはぼうっと外を眺めるのも悪くない。

一休みは怠けではないし、余白がないと動けやしない。むしろ、スマートフォンがある現代では、“ぼうっと”が中途半端になりがちだ。どっぷり集中するために、しっかりぼうっとしよう。次は田端。田端に停まります。

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