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韓流ドラマなんて

韓流ブームなどというものが数年前に発生し、比較的年輩のご婦人たちが夢中になっているということは知っていた。

なぜならその当時、身近にいる実家の母、夫のお義母さんが揃って韓流にハマっていて、口を開けば韓流ドラマの話ばかり聞かされていたからである。

何がいいのか、どこがそんなに夢中にさせるのかが全く分からず、ただただ、ふんふんと話を聞き流していたのであった。

ところがである。

先月くらいのことだったと思う。
土砂降りの雨の日の午前中、洗濯も外に干すことが出来ず、掃除機だけをシャーっとかけた後、ポツンと時間が出来た日があったのだ。

やることもないし、今日はゆっくりしようとテレビをつけ、CS放送を何気なくかけたのである。

すると「オ・ジャリョンが行く」という韓流ドラマがかかったのである。

第60回くらいの回だったから、
「あーもう終わるドラマやな。韓流てな。これか、お母さんらがやいやい興奮してた韓流ドラマゆーのは。」

そんなことを思いながらボーっと見ていたのであるが、何やらとんでもなくドラマチックな展開で、その上ドロドロの昼ドラもビックリのハラハライライラさせる状況が次々に襲いかかってくるのである。

そしてなんと3回分ずつの再放送であり、話の前後もわからないまま見始めた第60回も過ぎたドラマであるのにもかかわらず、なんとなく筋書きと行く末が見え隠れする感じに惹きこまれてしまい、まんまと韓流ドラマに夢中になってしまった。

平日の午前11時50分~14時前までの約2時間、きっかり毎日観続けることになってしまったのである。

「何がそんなおもろいんよ!」

ドカ弁にも夫にもかなり冷たい視線を向けられたが気にしない。

そしてこれと全く同じセリフを吐き、冷めた視線を母親たちに注いでいた自分がいたことはすっかりなかったことになっているのだからかなりの重症である。

年輩の女性たちに何故ここまで韓流ドラマが支持されるのかということが最近よくわかってきた。

男尊女卑の雰囲気がほのかに漂い、年功序列の慣習もかなり大袈裟に表現されている。妻は夫を立て、年長者は敬われるべき存在として皆が尊重するのである。子は親にむやみに盾突いたりすることもなく基本的に素直で、兄弟、姉妹の縦の関係もきっちりできている。弟や妹は兄や姉を頼りにしているし、兄や姉は弟や妹を本当に大切にするのである。

そして、なんといっても恋人関係はおろか、夫婦関係になった後も、ベッドシーンは一切出てこないのである。口づけのシーンすらほのかなもので、抱擁のシーンもそっと相手を包む感じのソフトなハグなのである。

これだ、この感じ。
ティーンエイジャーくらいに読んだ純愛恋愛少女コミック、別冊マーガレットの世界なのである。

なるほどなるほど!

歳を重ねると、こういう美しい純愛が懐かしく思い出されるものなのだ。

韓流スターの男性はあくまで紳士でなければならないのである。

どんだけハマってるんや、自分。

明日はいよいよ最終回を迎えるのである。
なんと最終回は第129回にもなるのだから、とても長い長いドラマだったのだろう。見逃した60回以上の放送分が気になって仕方ない。レンタルDVDを大量に借りてきても見る時間を取れないかもしれない。DVDボックスを買うべきなのか。

今とても悩んでいるのである。

#エッセイ #文章 #韓流

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