担当のたなかさん〜Part1〜
今から5年前のこと。
古く、手狭になったマンションを売却し、新しい家を探そうと週末ごとに住宅展示場や近隣の土地を見に行ったり、モデルルームの内覧会に足を運んでいた。
そんな時、駅からは少し離れるものの、収納が充実したモデルルームを見つけた。
屋根裏収納が7畳分、ウォーキングクローゼットが4畳分あり、それぞれの部屋にもゆったりしたクローゼットがついていて、シューズボックスの奥にも自転車やおもちゃや釣り具なんかを入れられる納戸が付いていた。
これこそ私が求める収納が充実した家‼︎
早速その間取りが書かれた広告の連絡先に電話し、現地のモデルルームを見に行った。
『担当のたなかです。』
身長約175センチ、めがねの男性が現れた。
『頭金はこのくらいで、返済は月々このくらいで……。』
たなかさんは、ひたすら必要経費について説明してくれるのであるが、肝心のこの家の間取りや、収納についての説明が後回しなのが気になった私。
そんな時である。
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