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サービスエリアのお土産品か老舗和菓子屋かを決めるのは誰なのか?

「今月の細字は手本あらへんで。みんな自分で好きなようにデザインしいや。」

「えーっ‼︎」

稽古場ではそんな声が上がった。

しかし。

私はひっそりニンマリ。

「和菓子のパッケージラベルのデザインを考えなさい。構想、字体は自由。」

これは楽しい‼︎

通常の競書課題では難しい古典ばかりが出題され、「好きなようにしいや」などという課題が出ることはとても珍しいことなのだ。

さっそくデザインしてみた。

「なぁなぁ、ドカ弁!どのパッケージが好き?」

ドカ弁に訊ねてみる。

「うんとなぁ、左上のやつは老舗の和菓子屋のほんまもんの包装紙みたい。左下のやつはお洒落やし、たぶん依頼してくれる人が一番気に入ってくれそうやと思うけど、老舗和菓子屋さんがちょっと品質を落として大量生産するサービスエリアで販売するお土産品の包装紙って感じ。」

おおっ‼︎具体的かつ手厳しく、そして見透かされてしまっている。

毎日毎日、ブツブツ言って書いては丸めて放り投げたり、「よっしゃ!これはキタ‼︎我ながら最高かも‼︎」などと自画自賛してニヤニヤしたりする母親の姿を見ているドカ弁。

こういう母親の姿って見ていて楽しいことばかりじゃないんやろなと、時々ごめんなって気持ちになる時もある。

「ちゃっかり!今uniさんに何言ってもあかんよ。仕事中は‘うん’しか言わへんから。」

そんな声を聞く日もある。

しかし、筆を持ち続ける私から様々なことを感じとる力を養っているようにも思う。

「万人受けするお手頃価格のサービスエリアのお土産品」ではなく、「老舗の高価な和菓子を包む」雲泉作品を書いてね。

そんなドカ弁の気持ちを追い風にしたいと感じた。

ふとあることを思いだした。

「どうしてこんなに高いのですか?」

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