詩ことばの森㉚「木槿の道」
残暑の道で見つけた、なんとなくぼんやりとした白い花。初秋の青空に咲く木槿の花は、どこか夢をみている感じです。
そういえば、「道のべの木槿は馬にくはれけり」という有名な俳句がありました。
花が咲くのも一瞬でしょうか。あとにのこされた、葉のついたまっすぐな茎だけが、秋の風にゆれています。
木槿の道
木槿の白い花に
かこまれた道がつづいています
そこには だれもいません
わたしは絵を描きません
こどものころの影絵あそび
それは 得意でしたけど
なにを生むことも 得ることも
出来ないまま 今年も秋になりました
だれもいない道に 木槿は咲いています
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