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詩ことばの森(172)「夏の木」

夏の木

硝子の珠をゆらし
夕日に輝いた緑葉が
火のように燃えている

川上から風が吹くたび
木々は白い光を反射させて
まるで幻をみているよう

木がゆれているのか
わたしがゆれているのか

すりガラスの向こうへ
霞んでいく樹影を追いながら
すべて消えていく世界

(森雪拾)


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