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文美子のLeave Memories Message⑪『つげる③』ということ

Leave Memories Messageとは、
わかりやすく「終活」を意味します。「Ending」「終」でなく、今まで生活してきた「歩」「栞」「記憶」「思い出」「希望」等を大切な人に託し、繋げるための「物事・心の準備」を意味しています。

『つげる②』の続編です。
少し重い話かもしれませんが、今回は①②の2つの事柄を書きます。

北サンフランシスコのホスピス医師・スコット・エヴァリイが、
「終末期の人の魂の動き」についての5つの事柄について話しています。

①人生の意味を見つける
②自・他を許し合うこと
③「ありがとう」を伝える
④「愛しているよ(I LOVE YOU)、大好きだよ」を伝えること
⑤「さよなら」を告げること

①「人生の意味を見つける」ということ
オーストリアの精神科医・フロイトは、終末期に人間が失っていくものは
「私は、こういう人間だ」と言う自分の価値観ですと書いています。
「頑張って生きて来たのに」「人のお世話になるのなら……」と言う叫びには、生きる意味や自分自身を失う悲しみや苦しみが含まれています。
自分の人生最後のリアルな時間を受容するため自己感を失います。その苦しみを支えるのが、「人生の意味を再発見する」ことなのだそうです。

人生の意味とは、その意味を一人で見出すだけでなく、大切に思う人に、理解し認めてもらえることで、人生最後のリアルな時間を迎えるときに、最高の安心感を持つ事が出来るようです。

②「自・他を許し合う」ということ
「男の子だったら良かったのに」「男の子は泣かない」等の呪縛が解けないでいる人がいます。
女性らしさを感じたり、不安な気持ちを受け止めてもらい、気持ちが癒えていけば、その呪縛が溶け、自分を認め他人にも優しくできるようになれれるのだそうです。

「どうしても許せない人がいる」ときには、許せない人の嫌なところを書き出してみましょう。
自分にも同じところがあることを発見出来ます。自分に対して必要以上の厳しさが、他人を許せないという気持ちにさせていることもあります。
自分の嫌なところを自覚し、自分を許してあげることで、他人も許すことが出来るようになります。

「自分のことを許して欲しい」と思っている相手が、亡くなっていたり、居場所がわからずに伝えられない場合には、
その相手の代わりに、信頼できる誰かに気持ちを打ち明けて、受け止めてもらえた時に「許して欲しい」と言う気持ちが軽くなります。

心を痛めていることを、受け止め・受け入れてもらえた時に「懺悔」と「許し」の気持ちを感じることが出来るのです。

もし、このような状況の方にお会いした時は、この内容を思い出していただき、否定的な言葉がけでなく、その方の気持ちに寄り添いながら、何もしなくても「そばにいるだけ」「傾聴」「手を握る、擦る」だけで、その方は、どれだけ気持ちが救われ、癒されることでしょう。

次回は残りの3テーマについても予定です。
                           
*「終活ライフケアプランナー」のテキストから一部引用しています

~May you all be happy(皆様の幸せのために)~
 ライフキュレーター・御室文美子
(終活ライフケアプランナー、看護師、社会福祉士、精神保健福祉士)


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