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夕暮の海で 夕暮れ 混沌とした海が 今日という一日を 呑み込んでいく 徒労に終わった 私の一…
焚くほどに ぼくが若かった頃 出会った先輩の口癖は ベターであること だった そう ベス…
崖下の道 なつかしい崖下の道を 僕は一人で歩いていた 日を浴びた僕の影が長く伸びている あ…
微笑の香り 夢でみた高原を 人びとの影が歩いていく あれは 風にゆらいだ コスモスの群だっ…
花のこころ 花は だれのために咲くのだろう ひとのこころは いつも だれかのことを思うもの…
詩人の道 かつて 詩人らが暮した村では 彼らと かれらの恋人たちの おもかげを語るものが …
春の渓谷 渓谷に 春が訪れると 白い影の人は 上着を一枚 木の枝にかけたのでした 風の呼び声に 耳をすましています だれもが待ち望んでいたのは 水流の声にふるえている 春の森のたちの ざわめきです いつか 夢で出会った 白い影の人の姿を 春の渓谷でたしかに見たのでした (森雪拾)
やわらかな風 やわらかな風の吹く季節に 果てのない空色の思いのまま 問いかけのように若葉が…
春風到来 春の風が 竹群を走り抜ける 竹は互いに 触れ合い 軋りながら 暖かな季節の訪れに…
冬の岸辺 冬の川は 水量が少なくて 静かに流れている 風が吹くたび 枯れて 折れ曲がった草…
あこがれの山 遠い山に 昔 住んでいたことがあった そんな記憶が なぜかよぎることがある …
良い香り 一日が終わって 今日自分は 何に心を込めただろうか とかえりみる だれに会って な…
春は足もとから 川沿いを散歩していたら 冷たい風が吹いてきた まだ 寒いな 首をすくめなが…
少しずつ花が 少しずつ梅が咲きはじめた 雪が降って 寒い日々を経ながら そのつど蕾がひらく 寒さは花にとってなんだろう 人も辛いことがあるたび 成長するというけど それと同じなのかもしれない そんなことを思いながら 僕は春を待っている (森雪拾)