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詩ことばの森 森 雪拾(もり ゆきひろ)

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複雑で変化の激しい時代ゆえに 優しさと癒やしの詩の世界を伝えていければと思います
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2024年2月の記事一覧

詩ことばの森(116)「夕暮の海で」

夕暮の海で 夕暮れ 混沌とした海が 今日という一日を 呑み込んでいく 徒労に終わった 私の一…

UNWIND&KOMOREBI
4か月前
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詩ことばの森(115)「焚くほどに」

焚くほどに ぼくが若かった頃 出会った先輩の口癖は ベターであること だった そう ベス…

UNWIND&KOMOREBI
4か月前
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詩ことばの森(114)「崖下の道」

崖下の道 なつかしい崖下の道を 僕は一人で歩いていた 日を浴びた僕の影が長く伸びている あ…

UNWIND&KOMOREBI
4か月前
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詩ことばの森(113)「微笑の香り」

微笑の香り 夢でみた高原を 人びとの影が歩いていく あれは 風にゆらいだ コスモスの群だっ…

UNWIND&KOMOREBI
4か月前
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詩ことばの森(122)「花のこころ」

花のこころ 花は だれのために咲くのだろう ひとのこころは いつも だれかのことを思うもの…

UNWIND&KOMOREBI
4か月前
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詩ことばの森(121)「詩人の道」

詩人の道 かつて 詩人らが暮した村では 彼らと かれらの恋人たちの おもかげを語るものが …

UNWIND&KOMOREBI
4か月前
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詩ことばの森(120)「春の渓谷」

春の渓谷 渓谷に 春が訪れると 白い影の人は 上着を一枚 木の枝にかけたのでした 風の呼び声に 耳をすましています だれもが待ち望んでいたのは 水流の声にふるえている 春の森のたちの ざわめきです いつか 夢で出会った 白い影の人の姿を 春の渓谷でたしかに見たのでした (森雪拾)

詩ことばの森(119)「やわらかな風」

やわらかな風 やわらかな風の吹く季節に 果てのない空色の思いのまま 問いかけのように若葉が…

UNWIND&KOMOREBI
4か月前
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詩ことばの森(118)「春風到来」

春風到来 春の風が 竹群を走り抜ける 竹は互いに 触れ合い 軋りながら 暖かな季節の訪れに…

UNWIND&KOMOREBI
4か月前
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詩ことばの森(117)「冬の岸辺」

冬の岸辺 冬の川は 水量が少なくて 静かに流れている 風が吹くたび 枯れて 折れ曲がった草…

UNWIND&KOMOREBI
4か月前
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詩ことばの森(116)「あこがれの山」

あこがれの山 遠い山に 昔 住んでいたことがあった そんな記憶が なぜかよぎることがある …

UNWIND&KOMOREBI
4か月前
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詩ことばの森(115)「良い香り」

良い香り 一日が終わって 今日自分は 何に心を込めただろうか とかえりみる だれに会って な…

UNWIND&KOMOREBI
4か月前
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詩ことばの森(114)「春は足もとから」

春は足もとから 川沿いを散歩していたら 冷たい風が吹いてきた まだ 寒いな 首をすくめなが…

UNWIND&KOMOREBI
4か月前
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詩ことばの森(113)「少しずつ花が」

少しずつ花が 少しずつ梅が咲きはじめた 雪が降って 寒い日々を経ながら そのつど蕾がひらく 寒さは花にとってなんだろう 人も辛いことがあるたび 成長するというけど それと同じなのかもしれない そんなことを思いながら 僕は春を待っている (森雪拾)