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「注文なんかいらない料理店」 22

砂を噛むような気持ちになるのは辛いことです。

怒りが爆発して大声で怒鳴りました。
もちろん怒りの感情など味わいたくもなく、怒鳴ることも無意味です。
問題の解決に一切寄与しないのだから。
わかりすぎるほどわかりきっているのですそんなことは。
怒りではなく、それはきっと心の悲鳴。
どうにもならない現実に。
ムンクの「叫び」みたいな。

問題の根は深く、もう何十年もそれと向き合っていますし、にもかかわらず何一つ改善されはしない。
親族と共に歩む人生の中でできればそれを捨て去ってしまいたいけど、自分にはそれはできない。
血というのはそういうしがらみなのです。

心のない人間は存在します。
心がないのに、こちらは心でぶつかることしかできない。
冷たい鋼に説教をしても鋼に言葉は通じません。
鋼には自分が冷たいことすらわからないのだから。

たぶんこれは死ぬまで解決されることなく続くけど、こちらの問題ではなくて相手の問題なのだから気にしたって仕方ない。
ただ、自分のようにそう割りきれない家族がいる、それが叫びにつながっているのです。
自分一人でないことが。

まあ、これが人生というもなんでしょう。
一喜一憂する気もないが、決して望みもしない「怒り」でもってバランスを取るのは現代人のメンタルヘルスに必要なのかもしれません。
極めて残念ではありますが。

今日は味噌豚肉丼を作りました。

多分おいしかったのですが、感情がそれをリセットしました。
そんな日もあります。でも終わりなき日常は続くのです。
ドンマイ。

ごちそうさま。

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