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PENTAX HD DA 55-300mm F4.5-6.3 ED PLM WR RE

8月某日、空港横にある公園。
初めての場所。

その日は近所で花火大会があるらしく、公園の閉園時間と近隣の交通規制のために、駐車場から出ていくのに2時間程度かかる旨を半ば脅しのように繰り返し放送していて、実際、駐車場はいっぱい。

家を出る前に、チラとばかりに公式のチャンネルで見て、さて、できるもんかいなとばかりにK-3ⅲを出してごそごそ。
先だっての線路のときもそうだけど、尋常じゃない価格の機器で臨んでいる人が多くて、別に自分で撮らなくてもいいんじゃないか、と、まぁ、なんとも複雑。

公園は滑走路に並行して長く、はるか向こうに点で見える飛行機が徐々に大きくなって轟音とともに着陸しては回頭してゆき、あるいは、地上をゆっくりと引かれながら直線部に進入しては、轟音とともに溜めた力を解放するように助走して飛び立っていく。

タイヤにフラットスポットできそう。というか、できてるやろ、これ。

基本的に乗り物にあまり強い興味がないので、それぞれの機体や行先は皆目分からず。
AF-C、PENTAXとは思えんほどめっちゃ食いつくなぁと感慨に浸りつつ、
ただただ、よくまぁこんなでかいものが飛ぶものだと。
そして思い出すはこの短歌。

目に見えぬ無数の脚が空中にもつれつつ旅客機が離陸せり 

塚本邦雄 「日本人霊歌」
どこに向かうんでしょ
建物の方に。
なんとなく、宇宙竜ナースっぽくない?
このサイズ、なんとなく鯖に見えてきた。
高翼機、乗っててうるさそうやなと。今どきのはそうでもないのかもやけど。
ジェットより、飛ぶ姿が美しいと思った。

花火の時間が近づいてきて、人が増える。
幼い子を連れた親子連れが多く、大層な機材の人も多く。
場所を移動せずにカメラを構えていることで、似たような写真を量産することになる。
次は河川敷の方に行くか。

そういや4発機って、政府機ぐらいでしか今はあんま見ない気がする。
低騒音型のボンバルディアであってるのかな、これ。
そろそろ日が落ちてきた。

花火開始の定刻は19:20。
すでに15分ほど経過しており、公園内がざわついた頃、飛行機が飛び立つ方向が光る。
5・4・3・2・1と夜空に数字。カウントダウンも花火でするらしい。

「数字に見える」条件難しそう。
暗くなって設定変更にもたもた
実は花火を撮るのは初めて
花火、手持ちは難しい…

花火がおわって、いそいそと車を駐車場から出す。
脅しがあったものの、あっさり出庫。なんの渋滞も制限もなくスムーズに帰宅。

その日から数日、大学時代の先輩であり友人である方のSNSにATR42-600の機体の写真。
メガネを外して、顔を近づけて見たら、こいつと同機体だった。

妙なところで縁があるんだよな、彼とは。


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