【留学⑧】デザイン系海外大学院の出願に必要なモノ #029
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今回は、デザイン系海外大学院の出願に必要なモノと、それぞれを準備する際のコツをご紹介します。
デザイン系海外大学院の出願に必要なモノ一覧
・GPA (成績証明書) (+大学の卒業証明書も)
・英語力証明 (IELTS or TOEFL iBT、 一部でDuolingoも可)
・GRE (2020年度は某ウイルスの影響で不要とする学校が多数だった)
・履歴書 (CV/Resume)
・Statement of Purpose (Motivation Letter)
・推薦状 (1~3通)
・ポートフォリオ
以上が、多くの学校で共通して求められる出願書類です。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
GPA
大学や大学院での成績です。日頃の学業成績の結果を提出するだけなので、特別な準備は必要ありません。
GPA3.0以上など一定以上の成績でないと合格しづらいといった条件は、学校によってあるのかもしれませんが、募集要項などに明記されていることはなかったので、私は気にしませんでした。
アメリカでは成績がインフレを起こしていて、4.0(満点)に近い成績が当然の学校もあるようですが、日本は割とシビアに成績がつけられると思います。なので、「私のGPAは低めかな」と思っても、出願を諦める必要はないと思います。私の場合は、推薦状の中で「学年で上位○%に入る成績です」などと伝えてもらうことで、GPAの補強をしました。
英語力証明
TOEFL iBTやIELTSのテストスコアです。学校ごとに満たすべき点数の指定があるので、自分の志望校を決めたら確認しましょう。総合点での指定の場合と、各セクションごとに最低点が指定されている場合があります。
また、TOEFL iBTとIELTSのどちらでも可の場合もあれば、どちらかでないとダメな場合もあるなど学校ごとに異なるので、要チェックです。
なお、志望校を決めていない場合は、TOEFL iBT: 100/120、IELTS: 7.0/9.0を目安に準備すると、多くの学校の条件を満たすと思います(一部の学校はこれらより高い場合があるので、こうした学校を志望する場合は要注意です)。
GRE
某ウイルスの影響で受験が難しくなったなどの背景を踏まえて、2020年度は多くの学校で免除された(私の志望校にはなかった)ので、残念ながらGREについて私はほとんど知りません。
そもそも受験が不要である学校も増えているようなので、自分の志望校がGREを要求しているのか否かを確認しましょう。
履歴書
これまでの経歴を、A4用紙2枚程度にまとめます。通っている&通った大学・大学院の一覧、論文や資格の一覧、RAやTAの経験、その他の課外活動などの実績を簡潔に記載しましょう。
海外で求められる履歴書の様式は、日本の就職等で提出する履歴書などとは異なるらしいです。以下のnoteの記事などが参考になるでしょう。
ちなみに、私は以下のサービスで英文添削を依頼しました。英文添削は、後述するSoP、推薦状、ポートフォリオでもお願いしました。
・ワードバイス
・EssayEdge
Statement of Purpose (Motivation Letter)
志望理由書です。自分がなぜこの学校に入りたいのかを伝える文章で、学校ごとに文量の指定(800~2000Wordsの範囲など)があります。履歴書が客観的な情報の羅列であるのに対して、SoPはその経歴を歩んだ意図を伝えられる資料です。自分の考え方や信念を、ストーリーチックかつ主観的に伝えることができる唯一の機会です。
書いたものは友人や先生に見てもらったり、履歴書の説明で紹介した添削サービスに添削を依頼したりしてもいいかもしれません。
学校ごとに答えるべき内容の指定が異なりますが、基本的には以下の質問に答えていくことになると思います。
・これまで何をしてきたのか そこから何を学んだのか
・何ができるのか
・今後、何がしたいのか
・なぜこの学校で学びたいのか
・卒業後は、何をしたいのか
なので、構成の一例は以下のようになるかと思います。
○○をしてきて、デザインの魅力を知りました。
また、○○をしてきたので、○○が得意です。
そんな中、○○という夢を抱くようになりました。
この夢を叶えるには、○○学校に入学してデザインを学ぶ必要があります。
卒業後は、○○をして、夢への一歩を歩みます。
推薦状(1~3通)
あなたの能力や性格を第三者に証明してもらうために、指導教員などが書いた推薦状が必要です。学校によって異なりますが、1~3通求められます。
日本の場合、推薦状を書くという文化が根付いていないので、「推薦状を書いてください」と頼んでも、「書き方がわからない」とおっしゃると思います。なので、自分で書いてほしい文章を用意するのが好ましいと思います。
また、推薦状は英文で提出しますが、推薦状の英文はフォーマルな形式が望ましいので、慣れていないと書きづらいはずです。私の場合は、推薦者には日本語で書いてもらい、それを自分or添削依頼サービスで英訳し、英訳した推薦状を推薦者に再度見せて、直筆のサインと学校のマークを入れてもらうという流れを取りました。
また、推薦状をお願いしたのは、高校の自由研究の指導教員、大学の学年主任、大学・大学院の指導教授のお三方でした。提出締め切りの1~2ヶ月以上前など早めに依頼しておくと、推薦者の方々も余裕を持って執筆できると思います。
ポートフォリオ
ポートフォリオとは作品集で、デザイン系の学校特有の提出物です。ポートフォリオもSoPと同様に、掲載する写真や作品の数、明示してほしい内容(作品をつくった背景や込められた意図など)が指定されていることがあります。
非デザイナーにとっては慣れない形式のため、準備が一番難しい書類かもしれません。ただし、デザイン思考を学べる学校において非デザイナーの人に求められているのは、デザインスキルそのものではなく、デザイン思考をする素質があるかどうかだと推察されます。
そのため、私は自身の研究をデザイン思考の流れに沿って説明することにしました。例えば、過去の研究成果を写真だけで伝えるよりも、「何が課題だったのか」「なぜこの方法で問題を解決できるのか」などの思考の流れを言語化しました。通常の研究発表での論理展開をそのまま活用することになるかと思います。
まとめ
以上、デザイン系海外大学院の出願に必要なモノをご紹介しました。全てを準備するには、時間とお金(英語テストと英文添削用)が意外とかかります。
大まかスケジュールとしては、以下のような流れになるかと思います。
1. 留学を思い立った時から
・自分が何を学びたいかを考える
・履歴書、SoP、推薦状、ポートフォリオに書ける実績を積む
・日頃の授業で良い成績を残し、GPAをできるだけ高くする
2. 出願年の夏頃まで
・自分が学びたいことに合う学校をできるだけ多くリストアップする
・英語(&GRE)のテストスコアを確保する
3. 出願年の夏(8月頃)以降から出願締切日(12~1月頃)まで
・出願する学校を決める
・履歴書、SoP、推薦状、ポートフォリオを作成する
各大学ごとに必要な書類や形式が異なるので、複数の学校に出願する際は作業が膨大になり大変です。なので、第一志望の学校を準備して、それ以外の学校は内容をそのままに固有名詞や形式を変えるなどの工夫をし、少しでも効率よく準備ができるようにすると良いかもしれません。
一覧にはいれませんでしたが、もう一つ必要なモノは、どうしても留学したいという「熱意」です。出願手続きは長くて大変で孤独な道のりですから。
次回は、出願後の流れと合否結果について書こうと思います。
それでは、良い一日をお過ごしください。
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