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自分の未来をデザインできるか?【正解は五年後】 #239

パーソンズ美術大学・Transdisciplinary Designの『Professional Communication』という授業の中で、「卒業してから5年間の(仕事に関する)自分の未来をポスター1枚で表現する」という課題が出た。この記事では、ポスターをつくる前段階としてポスターに載せる内容について考えたことをそのまま書いてみる。


スペキュラティブ・デザイン的キャリアプランニング

今回使うように指定されたのは、ダン&レイビーによる『Speculative Everything』という本で提唱された『Future Cone』である。これは現時点から起こりうる可能性をもとにProbable, Plausible, Possibleを考えていくというもので、Preferableは中でも望ましいという価値観や希望的観測が混じった未来像を指している。

https://openpolicy.blog.gov.uk/2016/10/31/speculating-on-the-future-of-rail/


Present(卒業後)

まずは5年後の未来を考えるために、卒業時の状態を整理してみる。順調に進めば、2023年5月にパーソンズ美術大学・Transdisciplinary Designを卒業することになる。ちなみに、副専攻としてAnthropology + Design(人類学+デザイン)を修了する予定でもある。

また、個人的にはnoteを書き続けているだろう。卒業時には『パーソンズ美術大学で学んだこと』と題して2年間の学びをまとめる記事を載せているはずだ。ということで、noteのプロフィールにも書いてある【デザイナー】【ライター】という二つの活動を続けているというのが未来を考える上での前提である。


Probable

Transdisciplinary Designの卒業生は特定の業種や職種に就くことはないとはいえ、デザイン関連の職に就く可能性は高いだろう。Transdisciplinary Designの先生として残るという選択肢もある。人類学を副専攻として学んだことも活かすならば、デザインリサーチャーという肩書が近いのかもしれない。

「アメリカで2年間学んだ日本人」という特徴を活かすなら、日本の企業が海外進出するのを助けるor外資系企業が日本進出するのを助けるなど、日本語と英語の両方が必要となる仕事で重宝されるかもしれない。

卒業後はOPTで3年間アメリカで働くビザを得る権利があるとはいえ、現時点では日本とアメリカのどちらで働くことになるのかはわからない。ただ、両言語を使う仕事の方が自身の経験が活かせるはずだ。


Plausible

noteで文章を書いていることが何かしらの仕事につながることもあるかもしれない。現在はパーソンズ美術大学での学びを中心に書いているのだが、デザイン業界の方々に記事を読んでいただく機会も増えている。ひょっとすると、記事を読んだ方から「一緒に働きませんか?」とお声がけいただくなんてこともあるかもしれない。逆に、私自身がnoteで知ったデザインファームなどに応募することもあるはずだ。

noteを通してデザイン関連の仕事が見つかるだけでなく、ライターとしての仕事につながることもあるかもしれない。私の書く文章を気に入っていただいた方から「ぜひ○○について書いてください」などとオファーがあれば、それも仕事として成立するだろう。


Preferable

では、ProbableとPlausibleの中で自分が望む道筋は何だろうか? デザイン、人類学、英語と日本語、物書きなどのキーワードを考慮しながら、特に自分の未来を描くコアとして「望ましい」と思えるのは、「日本にTransdisciplinary Designを広める」ということである。「Transdisciplinary Design Japan」のようなチームorプロジェクトを発足し、日本でTransdisciplinary Designでの学びを広めていくというのも面白い気がする。

Transdisciplinary Designに入学できるのは毎年30人前後、日本人に限れば例年1~3人程度なので、Transdisciplinary Designを学べる日本人はかなり限られることになる。こうした幸運を独り占めするのではなく、日本人を代表して学んでいると思って日本に広めていく活動はしていきたい。この活動は私にも、パーソンズ美術大学にも、日本のデザイン界にも望ましいはずだ。


Possible

ここまではTransdisciplinary Designで学んだことを活かすことを中心に考えてみたが、いずれは独自のデザイン理論をつくりたいとも思っている。別に何かの提唱者になりたいわけではないが、「あの人の本はデザイナーなら必読」と言われるのは憧れる。

修士論文で取り組んだテーマが社会的にも魅力的で、それをそのまま起業につなげるという未来も可能性はゼロではない。起業やフリーランスとして働く場合は、Possibleな未来に該当するように思われる。


5年後の私のプロフィール(仮)

スペキュラティブ・デザインでは「未来の日常を現在に登場させる」という手法を採用しているので、ここまでの思索をもとに私の5年後のプロフィールを書いてみることにする。架空のプロフィールを書くのは恥ずかしいが、これもデザイン・作品と思って公表してみる。5年後にこの記事を振り返って、どれくらい実現しているのかを確認するのが楽しみだ。

パーソンズ美術大学・Transdisicplinary Designを卒業後は○○社に就職し、人類学的手法を取り入れたデザインリサーチャーとしてアメリカと日本の双方で活動している。noteではデザインをわかりやすく解説する記事を書いており、独自の視点で日常を描いたエッセイも人気なライターでもある。現在は「Transdisciplinary Design Japan」の代表として日本各地でワークショップを開催したり、最新作『What is Transdisciplinary Design?』を出版したりするなど、Transdisciplinary Designを日本に広めるプロジェクトを進めている。

2028年時点のプロフィール(仮)

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