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Transdisciplinary Designの教科書

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Transdisciplinary Designについて学びたい方のための記事です。
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#学問への愛を語ろう

Transdisciplinary Designとは? (パーソンズ美術大学留学記 総集編) #184

パーソンズ美術大学のTransdisciplinary Designに留学し、1年生の全課程を終えました。デザイン初心者&海外生活も初めての生粋の日本人の私が、なんとかアメリカのデザインスクールで1年間過ごすことができました。我ながらあっぱれ。 こうした節目ということで、Transdisciplinary Designで何を学んできたのかをまとめてみることにします。自分の復習のためというのもありますが、「デザインって何?」という疑問を持つ方や、「海外でデザインを学んでみたい

Transdisciplinary Designらしさの9要件 #310

『パーソンズ美術大学回想録』と題して、パーソンズ美術大学・Transdisciplinary Designのカリキュラムを紹介してきました。 今回はTransdisciplinary Designの必修科目でプロジェクトを進めていく時に使うTransdisciplinary Design Lenses(TD Lenses)をご紹介します。TD Lensesを見ることで、Transdisciplinary Designの考え方や心構えが分かるはずです。 TD LensesT

Transdisciplinary Designのカリキュラム紹介(選択科目編) #307

2023年5月にパーソンズ美術大学・Transdisciplinary Design(略称はTD)を修了し、日々の出来事や学びを記録し続けてきた『パーソンズ美術大学留学記』の毎週更新も終わりました。この企画で生まれたつながりもあり、十分に役目を果たしてくれたと思っています。 でも、この流れを断ち切ってしまうのはもったいない。というわけで、これからは『パーソンズ美術大学回想録』と題したマガジンを立ち上げて、TDでの学びを振り返る企画を始めようと思います。できれば毎週更新といき

Transdisciplinary Designのカリキュラム紹介 #305

パーソンズ美術大学・Transdisciplinary Design(略称はTD)を卒業したものの、「Transdisciplinary Designとは何か?」への答えは得られないまま。とはいえ、TDでの学びをTDを知らない人に共有する機会もあり、私なりに説明しなければならない場面に遭遇します。 そこで、卒業後も「Transdisciplinary Designとは何か?」を考え続け、文章にまとめていくことにしました。今回の記事では「Transdisciplinary D

デザインは、コラボしてこそ意味がある。 #289

パーソンズ美術大学・Transdisciplinary Designでの学生生活も残り9週間。今は卒業制作を通してTransdisciplinary Designを実践的に学んでいるのですが、この記事ではその学びを一旦整理してみます。 Transdisciplinary Designは「領域横断デザイン」などと訳されるように、分断された専門領域を横断しながら社会問題と向き合います。サイロエフェクトやセクショナリズムという言葉があるように、効率化を進めるためには分業が必要で専

人類学とデザインの気まずい関係 (Anthropology and Design) #270

パーソンズ美術大学のTransdisciplinary Designでデザインを学んでいます。選択科目で「Anthropology and Design」という授業を受講していたので、その学びをまとめてみます。 歴史をざっくり振り返る人類学とデザインの歴史をそれぞれ簡単に振り返りながら、この二つがどのように近づいていったのかを見てみます。 人類学の歴史 1922年にブロニスワフ・マリノフスキが『西太平洋の遠洋航海者』を上梓したことなどによって、文化人類学の基本的な方法論

「『デザイン』ではないデザイン」をデザインする ―Transdisciplinary Design実践例— #225

これまでの記事では、パーソンズ美術大学・Transdisciplinary Designでの学びをまとめています。特にフレームワークやマインドセットについてご紹介してきました。 ただ、実践例を書いていなかったので、今回はTransdisciplinary Designの手法を使えば何ができるのかを具体例を使って説明してみます。選んだ具体的は、ズバリ『デザイン』です。『デザイン』をTransdisciplinary Design的に解釈すると、新たなデザイン像が見えてきます。

Transdisciplinary Designとは?:方法論編 (パーソンズ美術大学留学記 総集編) #223

以前、「Transdisciplinary Designとは?」についてまとめた記事を書きました。Transdisciplinaryとは境界を取り除くことによる破壊であり、Designとは新たな事物の創造である。また、Transdisciplinary Designを実践する人が持つべき心構えはあるものの、方法論はないとしていました。 以前の記事は私がパーソンズ美術大学・Transdisciplinary Design1年目での学びを夏休みに入ってすぐの記憶が鮮明な時に書き

デザイナー、政治学と人類学を学ぶ。 (Intersecting Mobilities) #205

パーソンズ美術大学のTransdisciplinary Designでデザインを学んでいます。選択科目で「Intersrcting Mobilities」という政治学と人類学の視点からMobilitiy(移動、移動する能力)を考える授業を受講していたので、その学びをまとめてみます。気づいたのは、デザインと文系分野の融合の可能性でした。 ネイティブに英語で敵うはずがなく毎週「パーソンズ美術大学留学記」と題して、その週の授業で学んだことをnoteに書いていたのですが、「Inte

デザインに哲学者を招いてみる。(Designing in Dark Times) #201

パーソンズ美術大学のTransdisciplinary Designでデザインを学んでいます。選択科目で「Designing in Dark Times」という授業を受講していたので、その学びをまとめてみます。気づいたのは、デザインに哲学的思想を導入することの意味でした。 ハンナ・アーレントの思想をデザインにこの授業は「Designing in Dark Times」という同名の本を書いたEduardo StaszowskiとVirginia Tassinariによる授業で

メンタルが「健康」な状態とは? (Global Mental Health) #200

パーソンズ美術大学のTransdisciplinary Designでデザインを学んでいます。選択科目で「Global Mental Health」という授業を受講していたので、その学びをまとめてみます。気づいたのは「診断と治療は科学的なものではなく、文化的なもの」ということでした。 Global Mental Healthとは?授業名のとおり、世界中の人のメンタルヘルスを考える授業です。この授業で教わったのは、精神医学や心理学の知見だけでなく、文化や社会といった構造的な文

デザインリサーチとは? (その5:結果報告編) #199

前回はこちら 前回の「その4:試行錯誤編」では、デザインリサーチにおける行き詰まりを克服する方法を紹介しました。今回の「その5:結果報告編」では、デザインリサーチで得られたインサイトを報告するためにまとめる方法を見ていきます。 リサーチを終える時基本的にデザインリサーチは、問題設定⇒情報収集⇒センスメイキングの3つのステップを繰り返すことで、調査対象をより深く理解していきます。途中で行き詰まったら「その4:試行錯誤編」で紹介したように、残しておいたリサーチプロセスの記録を

デザインリサーチとは? (その4:試行錯誤編) #198

前回はこちら 前回の「その3:センスメイキング編」では、「その2:情報収集編」で集めた情報からインサイトを得る方法を紹介しました。今回の「その4:試行錯誤編」では、得られたインサイトがイマイチな時の対処法を見ていきます。 行き詰まりから脱出するコツデザインリサーチでは「問題設定⇒情報収集⇒センスメイキング⇒問題設定⇒(以下繰り返し)」とひたすら繰り返すことで、問題の本質に近づくことを目指します。基本的にはこの3つのステップを繰り返していけば、デザインリサーチは進んでいきま

デザインリサーチとは? (その3:センスメイキング編) #197

前回はこちら 前回の「その2:情報収集編」では、質的調査の方法としてProvotypeやSemi-Structured Interviewなどのデザインツールを紹介しました。今回の「センスメイキング編」では、集めた情報から新しいインサイトを得るセンスメイキングについて紹介します。 なぜ、センスメイキングをするのか?ここまでは情報収集に専念してきました。デザインプロセスのダブルダイヤモンドで言えば一つ目の探索のステージにいました。センスメイキングは、この図の二つ目の定義のス