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【感想】読書感想文「星を継ぐもの」_非実在女子大生、空清水紗織の感想Vol.0039

月面で発見された、真紅の宇宙服をまとった死体。綿密な調査の結果、驚くべき事実が判明する。死体はどの月面基地の所属でもないだけでなく、この世界の住人でさえなかった。彼は5万年前に死亡していたのだ! いったい彼の正体は? 調査チームに招集されたハント博士は壮大なる謎に挑む。現代ハードSFの巨匠ジェイムズ・P・ホーガンのデビュー長編にして、不朽の名作! 第12回星雲賞海外長編部門受賞作。解説=鏡明

星を継ぐもの - ジェイムズ・P・ホーガン/池央耿 訳|東京創元社
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488663315

ネタバレあり感想。

こんなに硬派なSFに触れたのは初めてかもしれない。
圧倒的な科学知識と、矛盾の解消が難しい状況設定、そしてそれを鮮やかに解決する物語運び。
面白かったぁ。

一ページあたりの文章量は最近読んだ本の中で断然多いし、言い回しも難解で読みづらく、めっちゃ頭を使うけれど、それを上回る満足感。
(俗っぽくて申し訳ないけれど、こういう文体でもちゃんと楽しめるようになったんだな私、という安心感も得られた)

月が移動したのでは?という読みがあたったのも嬉しかった。
一方で、月にいたコリエルたちが地球に来て、今の人類になったという展開は想像できてなかったから「なるほど〜!」と膝を打ちながら読んでいた。

「星を継ぐもの(原題 INHERIT THE STARS)」というタイトルも、読了後なら納得感がある。
これ、英語だとSTARSで複数形だけど、「『星々』を継ぐもの」って訳じゃなくて良かったなあ、なんて思ったりもした。

シリーズものとして新版が出てるみたいだし、今積んじゃってる本読み終わったら買おうかなあ。

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