アレルギー対応に対応しすぎて同僚に怒られた話【前編】

かつて私が『アレルギー対応に対応しすぎて同僚に怒られた話』をします。今思い返せば、あの件が私の特別支援教育への熱意を加速させたのだと思います。

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ある年、私は小学5年生の担任をしていました。
私が務める地域の5年生といえば、2泊3日の野外活動があります。その年の学年主任(学年の指揮を執る先生)は、『どの子も経験したことのあるキャンプにしよう』というテーマでした。

その理由は、その小学校の場合、中学校への進学で結構バラバラになってしまう地域だったため、どの地域に行ったとしても、どの子とも思い出が共有できるようになってほしいというものでした。
『思い出の共有』という想いがある中で、私には懸念事項がありました。それは、私のクラスの岡田くん(仮名)はアレルギーがあるため、みんなでつくるカレーが食べられないということでした。


そもそもアレルギーのあるものを除去したカレーにすれば良いので、私は食材係の先生に提案しましたが、すでに支払いを終えていたため不可能でした。
そこで聞いたことが、『例年アレルギー対応の児童は、別に用意したレトルトカレーを温めて食べている』というものでした。


ふざけるなと思いました。


実際そのことを聞いた岡田くんは、家で泣いてしまったそうです。
「みんなと一緒にカレーが食べたい」と母親に懇願したそうです。

その話を聞いて、私は独自にアレルギー対応のカレーを見つけ、学年主任に提案しました。
主任は快くOKしてくれたと同時に、決して他の班と食材や道具が混ざらないようにすることと、岡田くんのいる班の子への指導も徹底することを守るように言いました。

さっそく私は今回の件を同じ班の子どもたちに事情を話すと、全員了承してくれました。むしろ、「岡田くんだけ食べられない方がおかしい」という様子でした。
本当にいい子たちでした。

当日子どもたちは私との約束をしっかり守り、なんの問題なくカレーを作り、みんなで一緒に食べることができました。
岡田くんも嬉しそうに調理をしていた姿が印象に残っています。


問題が発生したのは、野外活動から帰ってきてからでした。
その問題とは、岡田くんのアレルギーに関する体調面ではなく、同僚から私へのクレームでした。

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