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女子の人間関係指導って……

「Aちゃんが、Bちゃんのことムカつくって言っていたよ」
と、いちいち教えてあげる子の存在について。
大人から見れば、この子が場をひっかきまわし問題をややこしくしている、あるいは問題を引き起こしているのは一目瞭然。
いちいちBさんに告げ口しなければ、BさんはAさんがどう思っているかなんて知らずに済み波紋は起きないのに。
知らぬが仏って諺があるように、世の中には知らない方が幸せなことってたくさんあるんです。
知らなければ悩むことも怒ることもないし、また私のことを悪く言っているんじゃないかしらと疑心暗鬼になることもないのです。
目の前のことを信じて心穏やかに生きていけるのに。

やっかいなのは、大抵の場合、告げ口する子が善意で「教えてあげている」ということ。
Aさんが悪口を言っている、これはBさんに教えてあげなきゃという論。
恐らく「悪口=悪いこと=知らせるべき」ということしか見えないのですね。
本当は知らせた後どういうことが起きるかが想像でき、その結果、知らせるべきか否かを判断できるようにならなくてはならないと思うのです。
「恋愛から見る女子指導論」(私が勝手に言ってる論)で言うとこうです。

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ヒロエの彼が別の女の子と二人きりで呑んでいる場面を見た。
ヒロエは大事な友達……。
どうしよう。
このことヒロエに教えた方がいいの??
でも待って。
二人で呑んでいるからと言って怪しいことはないかもしれないわよ。
もしかしたら特別な関係ではなく、部活のことで話していただけかもしれないじゃない。
それなのにヒロエに言ったら、無用な心配をさせちゃうかもしれないわ。
これが原因で二人の仲が悪くなるかもしれないし。
そうそう、彼はヒロエのことをいつも大事にしていたもん……。
いや、もし、ヒロエに隠れてつき合っていたとしたら?
二股だったら???
え?
まさかの三股???
それとも軽い気持ちのナンパ???
つき合っていないまでも、ヒロエより好きな子ができたんじゃ……。
そんなこと知ったらヒロエは立ち直れないかもしれない……。
ヒロエに教えるなんてできないわ!
でも、このまま黙っていたら、後々ヒロエが物凄く傷つくことになるかもしれない……。
どうしよう。
ヒロエに知らせた方がいいの?
それとも黙っているべき?

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とまあ、こんな感じで悩むでしょう?
友だちのことが大事なら、安易に情報を伝えることなんてできないはずなんです。
知った方が幸せと考えるのか。
知らない方が幸せと考えるのか。
知らせるべきだという正義感はだけでは、人を幸せにすることなどできないのです。
自分がしようとしていることが他人の未来にどう影響するかを想像することは、人を大事にすることと同じです。
人を大事にするとは、人の立場に立って考え行動できるということです。

しかしながら、全ての子が視野を広く持ち総体的に物事を判断することができるとは限りません。。
だから、成長とともに視野を広げ、色々なことを慮れるような指導が必要だと思うのです。
想像できるように教える(大げさに言うと世界観を広げる)ことが、他者を慮ることにつながるのだと考えます。
出来事の全体像を見せ、自分の行為がどう影響しているかを認知させる指導は大事です。
言葉だけではなく、関係図を書いて示したり他事例で解説したりすることも必要です。
「そういうのはやめなさい」としか言わない表面的な制止指導は意味がありません。
なぜダメかがわまり、どうするのがみんなにとって良いかを自分で考え判断できるようにならなければ、人や場面が変われば同じことが繰り返されるからです。
高学年になると回を重ねるごとにそこそこわかると思うのですが、中学年以下にこれを理解させるのはなかなか難しいですね。

さらに。
今の時代、告げ口する子と同じ役割を果たすのがSNS。
見なきゃ知らずに済むのに、見たから傷ついて悩む。
こじれる。
こう考えると、告げ口やSNSに振り回されない自分になることも大切なように思います。
そんな鋼のような精神はなかなか育めないかもしれませんが、情報に右往左往しない自己肯定感をもつっていうのは、やはり大切なことだと思います。

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