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toybee ONEMAN LIVE 2024 『Re:VENGE FROM WONDERLAND』新宿LOFT 2024.2.2



toybee

冨塚大地 Vo. G.
鍔本隼 G.
藤盛太一 Ba.

TOMOKI Dr. (サポート)

新宿LOFT 


過去のライブレポ

2023.12.2 「TOWORD WONDERLAND」ツアーファイナルワンマン

2023.7.20 新宿ロフトワンマン「FROM UNDERLAND」


toybee ONEMAN LIVE 2024 『Re:VENGE FROM WONDERLAND』2024.2.2


toybeeというバンドは、なんでこうもドラマティックなのか。ライブ一回ごとに、そこに、強い物語が生まれてしまう。単にいいライブだったね、最高だったね、という感想だけでおわらせられない、付随するものが多いバンドだ。

2023年夏以来の新宿LOFT、ワンマン。
「FROM UNDERLAND」から「TOWORD WONDERLAND」を駆け抜けての「Re:VENGE FROM WONDERLAND」。
半年以上前に告知しての、満を持してのロフトリベンジ…のはずだった。
前回、ソールドアウトにできなかった、悔しい、次こそは、のある種の「執念」で、そこからの半年、文字通り死ぬ気で駆け抜けてきた彼らの正念場だった。

誤解しないでほしいのは、単に集客数に固執してのリベンジではない、ということ。
かつてメジャーデビューまでした前身のバンドをコロナ禍の中、それだけのせいでおそらくなく、あっという間に瓦解させてしまった苦い経験と、それでもバンドをやめたくないと始めたtoybeeが1年間かけても理想にはるか届かない苦しさも踏まえて、理想に到達するための背水の陣としての「リベンジ」なのだ。

残念ながら、ソールドアウト…とはいかなかったらしい。
フロアはパンパンの入りだったが、それでも足りなかったらしい。
悔しい、悔しいと何度も言葉を連ね、これだけみんなが来てくれていて、ソールドアウトだと取り繕って美談にすることもできるけど、俺はそれはしたくない。嘘はつきたくない。これがtoybeeの現実なんだと、そのままを伝えたい、と。
悔しいばかり言ったけれど、今夜は楽しかった、最高だった。出逢ってくれて、見つけてくれてありがとう、と万感を込めて「TeenageBlack」「それゆけ!夢みるゾンビーズ!!」「ルックバック」と「挫折と黒歴史とそれでも這い上がろうとする」曲達を本編の最後に3連発、放った。

今夜のことを黒歴史、と語るためには先にそうじゃない未来がなきゃできないんだ、と、まだ諦めないんだと、野望を目に宿して歌っていた。

確かに、集客という点ではリベンジは叶わなかった、かもしれない。

でも、1年前より変わったことは山ほどある。

演奏のレベル。
聴いた人は誰しも、音源レベルのこんな音をなかなかライブで聴けないと驚く。ハイレベルの音。
クレバーとテンションが確かに共存している。
トモキさんの弾けるようなドラム。
タイチさんのうねるようなベース。ボーカルを自由に踊らせる最高のリズム隊!
隼さんの細やかなギター。ギターソロのたびに心地よさそうな表情を見せてくれることが多く、なにより、あんなに高く何度もギターを掲げる姿は初めて見た。
とみさんのボーカルも強く強くなった。最後だけ少し辛そうだったけど、壊れることはなかった。

ファンの熱量。
1年間をともにして、彼らの思いも汲んだファンとのコール&レスポンスは愛と熱でいっぱいだ。一体感も生まれてきた。と言ってそうじゃないひとを弾くような排他の空気もない。クルーは、仲間であり、自由である。

ハイクラスのステージング。
どこを切っても絵になるステージの美しさ、楽しませる工夫に満ちたエンタメ性の高いセトリ。
映画好きなとみさんらしい、演劇的な仕掛けがたくさんだった。

確実に積み重ねてきた1年が現れたライブだった。
まさに更新された「最高」だった。
想像以上の上、絶好調のウェーブ!だ!

泣かないでいたとみさんが、アンコールでtoybeeを初めて見る人、いる?と聴いてあがった手の多さに瞬時に目を潤ませた姿にグッときた。
昨春の下北沢SHELTER、夏の新宿LOFT以降で「ファンが増えた」実感がやっと得られた瞬間だったのではないかと言う気がした。YouTubeの登録者数がやや伸び悩んだり、LOFTも即完に持っていけなかったり、頭打ちを感じていたのではないか、とここしばらくの発言からも感じていたのだ。

SNSの感想を追えば、配信が多めとはいえバンドリ動画以降の人達がたくさん見てくれてたことは伝わると思う。
爆発的に伸びなかったとしても、一歩一歩、やってきた成果の現れだ。

一つも無駄なことはなかったよ、とみさん。

LOFTソールドアウトリベンジならず、な状況を踏まえて、次の大きなライブはしばらく見合わせ、次のステップとしてはアルバム制作という「武者修行」期間にまた入ると言う。
「武者修行」の言葉に、一昨年、千葉LOOKで聴いた時の何とも言えない「決死」な様子を思い出したけど、今回は意味合いが全く違う。「ソールドアウト」はリベンジできなかったけど、あんなにたくさんの人が待ってるよ!と言っている景色はあのときはなかった。

今回はとても明るく聴けた。

この夜のライブがまた、聴いた人々の胸に新しい灯りをともしたと思うから、武者修行期間もその灯を消さずにいてほしい。新譜を引っ提げての凱旋を心から待っている。

【セットリスト】


シーラカンスと文学
Super imagination
黎明グッドルーザー
あほんだらいふ
いなせ
あらしのよるに
FlightMusic
ワンタイムラヴァー
風知らぬひと
電脳ヴィジランテ
GoldenAge
惑星ダブリス
TeenageBlack
それゆけ!夢見るゾンビーズ!!
ルックバック

enc.
フロムアンダーランド
全米は泣かない




ライブ感想編。


ここまででやめておくほうがかっこいいんですけど(笑)、細かいことも書いておきたいヲタクなので、以下はライブの細かい感想編。

今回のワンマンはなんと無料配信!を行う太っ腹ぶり(有料も考えたらしいんですけど、ギリギリのところで、できるだけたくさんの人にtoybeeの音楽を聴いてほしいという思いが勝ったようでした。見た人、OFUSEしてあげてねぇぇ)。

OFUSE(支援つきファンレター)


さらに、もともとアーカイブなしの予定だったところを彼ら自身が配信の様子を確認するためというのもあって公開期間を翌日まで延長してくれたので、現地組もあとから見直すことができました。現場が楽しすぎるとね、記憶がね、すっ飛ぶんだよね~~ありがとう!


ということで、配信で記憶を補完しながらの以下は感想です。

前回同様「開場から1時間もあるのに何していいかわかんないってならないように」という、とみさんの客目線に立ちすぎな判断により、開演30分前から前方スクリーンに「トイラジ」特別編が流れていました。

トイラジ特別版


ゲストにトモキさんを迎えて、ジョーさんの「トイラジ号」からの放送。
画面下にはタイムスタンプが出ていて「30:00」からカウントダウンしていく。
「ライブ」をテーマにしたテーマトークに、ちらちらとネタバレっぽい話題も混ぜて進行。トモキさんは終始、軽やかに(大人ですねえ)、タイチさんは熱く、隼さんはマイペース(でもなんか楽しそう)。
とみさんはいつもどおり、マシンガン。そして、しょっちゅう話の道を逸れていく。

・ライブ前にゲン担ぎで食べるものはある?
 全員やはり好きなものでしたが、タイチさんはお腹いっぱいにしすぎたくないので「inゼリー」なんだそうで。昔はこれ「ウイダーinゼリー」だったので、うぃだーかういだーか、とか、とみさん幼少期の哀しい思い出とかで盛り上がってました。

・toybeeの中でライブで演奏するのが難しい曲は?
 タイチさんが「あらしのよるに」なのちょっと意外でした。「ずっと動いてる、リズムもむずい、フレーズもむずい」とのこと。隼さんは「フロムアンダーランド」。展開がかなりいきなりらしく、やめてほしい…とブツクサ言ってました。トモキさんは全部だけど「シーラカンスと文学」そして「全米は泣かない」。好きなのは「それゆけ!夢みるゾンビーズ!!」なんですよね、ずっと言ってる。
とみさんは「FlightMusic」の歌が高すぎてしんどくて、そのほか「黎明グッドルーザー」「電脳ヴィジランテ」と合わせて「しんどい御三家」なんだと自分で作っておいてボヤキを。当時、10曲作る!って言って、ライブするつもりなく作ってたんだそうです。この3曲は続いたら終わり!と言いながらこの日3曲ともしっかり入ってたので、とみさんはマゾかな、って思いました(笑)

・ライブ中にテンションがあがる瞬間
 隼さんは強いて言うならギターソロなんだけど、別に観客の盛り上がりは関係ないそうです。勝手にあがってるそうな。
タイチさんは「惑星ダブリス」から「SuperImagination」の流れがいいそうで「ダブリスで整うのよ、んで、イマジネーションであがる。ダブリスは集中できる」んだそうです。ダブリスは確かにテンポ速いわけじゃないし、ビートどこどこってわけでもないし、でも熱はあるし、なるほどです。
トモキさんは「お客さんがダイブしてるとき」ってふざけて、とみさんにふざけてばっかり!と文句を言われてましたが、「お客さんが爆盛り上がりしてるときかな」だそうです。ダイブするような曲、ないでしょうが~(笑)
とみさんは「俺らとみんなで作ってる」って感じがよくて、サンストのときに「あほんだらいふ」で寝たふりしたとみさんに客席から「あほ〜!」って声があがった、あの瞬間がよかったんだそうです。

・toybee活動の中で一番記憶に残ってること
トモキさんは昨年、ツアーに初参加できたこと。
隼さんは(toybeeを始めた)最初の頃の記憶が濃い、とか。「ライブ前にレコーディングしたりねー」「うまくいかなかったねえ」…ライブで曲は育っていくものなのでいきなりのレコーディングは難しいんだそうです。
タイチさんは「ゾンビのMV、よかったねー、面白かった」。
とみさんは、ライブの話はやめようって言ってたけどやっぱりSHELTERですね、と。歓声を浴びた瞬間。ライブの内容はあんまり残ってなくて「見た瞬間だけが頭にこびりついてる」。

最後に意気込みを!と言ってるときにタイムスタンプは残り1分を切り…。
やばし(笑)
ここで緊急ボタンが押されたようで、無事に延長戦に入り、それぞれの意気込みを簡潔に伝えたあと、さあ、行くぞ!とそれぞれトイラジ号を降りていきます。

なお、この映像が流れ始めたときに、前方から徐々に座っていったんですけど(みんなが座り込んでる様子、とみさん達にも見てほしかったな〜)、まさか30分通しだと思わず、途中からみんなの膝腰に限界が…お願い、今度はもうちょっと短めにして(笑・前回は5分ずつくらいの4分割くらいになってたんですよね…)。
あと、最前列の人は実は座ってしまうと見上げる形になってほぼ映像が見えなかったと思うんですよ、柵があるし。辛い中、じっと座っててくださってありがとうございました。
個人的には足腰悪い人まで座る必要ないと思うんで、そういう人は周りに声かけて場所をキープして、ちょっと脇に逃げてもいいんじゃないかと思ってます。

もしかして、ロフトは座らなくても大丈夫だったのでは…?(後方はモニターあるのをあとで知った)とは思うんですが、このへんはtoybeeクルーの視野の広さとやさしさだな、って思います。
映像演出はライブハウスだと難しいですね。

びっくりの「シーラカンスと文学」


モノクロの映像に変わり、「惑星ダブリス」の音を使ったBGM(逆再生してる音とかしてた記憶)の中、メンバーがトイラジ号を降りてロフトの階段を降りていく映像や、歩く姿が映し出され、やがて楽屋にたどり着き、メンバーが次々入っていき、とみさんがひとりゆっくりと扉を閉めたところで現場は暗転。

toybeeのテーマののち、メンバーがステージにやってきて「あれ、衣装違うやん。てことは、さっきのはやっぱ録画か~そりゃそうだよね~」なんて思いつつ、てっきり「惑星ダブリス」が来るんだと思ったのに、静かにアルペジオが流れてきてどびっくり!
タイチさんが「息を呑む気配を感じた」ってFC配信で話してたんですが、まさに。周りがみんな、はっとする空気、小さく息を吐く感覚で満ちてました。びっくりしたけど叫べない、静謐な始まり。
そして、静かなようでいながらじんわりと現場の空気の温度が上がっていく感じがあって、すごく「熱い」オープニングでした。隼さんのギターソロに泣いた。

…からの、「SuperImagination」で爆アゲ!!! 
この変化が気持ちいい~~!!
ギターソロの前のボーカルのディレイが強くて素敵でした。タイチさんのスラップは最高で痺れるし。隼さんのジャンプを目の前で見られて今回も幸せでした(配信はロストしてて、ちょっと突っ込みました…現場ならではの楽しみですけどね)。

「黎明グッドルーザー」では、ボーカルと呼応するようなギターとベースのフレーズがパーフェクトでした。気持ちよかった~~!

ちょっと息抜き、な「あほんだらいふ」


歌う前に軽くMC。「あほになろう」と呼びかけるとみさん。「やなことや、普段いいこちゃんにして隠してることも解き放って」と誘ってくれる。ただバカになるだけじゃなくて、その背後にある鬱屈まで受け止めてくれるのだ。
トモキさんとの「あほにいちゃん」「あほじゃないよ!」のかけあい、最高でした(笑)
途中、ラップのとこだったと思うんだけど「最高のバンド」の一言にぐっときちゃう。ほんと最高だよね。

みんなで歌う場面では指揮棒を取り出してきて、みんなでびっくり。さっき買ってきた、とか言ってるし、とみさん、いい阿呆です、ほんと。
頭の出が大事ですよ、とサンストで言ってたことを繰り返し、それに応えてみんながしっかり「もうちょっと」の「も!」からしっかり歌ったらくりっと目を丸くしてたとみさんですが、「まだたりなーーーい!!」とダメ出し(笑)
その鬼教師ぶりについ口をついた「魔王めっ!」は、そんなに大きな声では言ってないのにとみさんには抜けて届いてしまってすんませんでした(←とか言いつつ反省してない・笑)
このときになんか甲高い声であれこれ言ってたんですが、ハリーポッターにそんな先生、出てきますっけ?? そういう感じ???(謎、解けず)
あの変なセリフ、なんだったのかしらね?(笑)

最後にあほんだら、で指揮棒を放りだしたら、ギター間違えて、あほー!って声がばちばち飛んでました(笑)

最後の「いっつあほんだらーいふ」は、みんな「???」ってなってたんですが、どうも、リハでやろうとして止められたアイデアらしく、なのに、隼さんがギターの最後にそういう間を作ってきたからやってしまったそうで、ずっと「隼、ずるいわ!」って釈明しながら怒ってました。
まあ、面白かったですよ?(笑)


意外性の連続、ハンドマイク!?な「FlightMusic」


ここのMCでのクルーへの「バンドになりに来くれてありがとう」が好きでした。とみさんは私達を単なるファンじゃなくて、現場を作る仲間として捉えてくれていて嬉しい。

そして「FlightMusic」では不意にギターをはずして、ハンドマイクに。
ギターの不調とかではなく、新しいことやってみようというトライだったみたいです。一緒に飛び跳ねられて楽しかったな。

とみさんのギターが繋がるのを待って、隼さんのソロから入る「ワンタイムラヴァー」。ギターバトルのあとユニゾンでまとまるのがすごくかっこよかった! 「YOU&I、約束して!」の長い長いコルレも楽しかったし、最後の隼さんのギターの粘り、揺れに痺れまくりでした。


静かだけど圧倒的な「いなせ」~「あらしのよるに」


短い暗転からの「いなせ」にはがらっと変わった世界観に肌が粟立ちました。なんだろう、何がどうと明確に言えないんだけど、あまりに美しく怒涛の音で終始、目が潤んでしまって困りました。
「あらしのよるに」の「はなればなれになったともだちに」の前置きも、不意に胸を打たれて、とみさんひとりでの歌い出しがしみてこれも泣いてしまいました。

ずっと今回、同期使ってない?と思っていて、「風知らぬひと」でやっと使ってるのに気づいたくらい、全体にうすめに感じました。現場では生な音が強かったです。

「風知らぬひと」は実に静かでした。これもすっかり、エレキギターで始める形が決まってきましたね。
確かこの曲でタイチさんがベースを持ち帰るときにマイクにネックを当てちゃってて、そんなの珍しいんでびっくりしてたら、最後のMCでみんなの熱気に当てられたって言ってたのでなるほど、でした。そんな風に見えないのになあ。やー、タイチさんもほんとカッコよかったです。

演劇的!「電脳ヴィジランテ」

逆再生みたいなSEがあって、とみさんが不意にマイクをはずして握って上手にはけていって。
この曲もハンドマイクかー、何か準備あるのかな?と、「FlightMusic」でハンドマイクを使ってるのを見ていたので、そこに疑問はなく見ていました。

その後、フードつきのモッズコート(ストリートアーツさんから借りたものなんですって)を被った人がマイクを持って現れて立ち、歌い出したときにちょっと「あれ?」と思ったら(2列目でした)、中のTシャツが違ってたので、ああ、入れ替わったんだな~と。
おそらく前方のクルーの殆どはわかってたと思うんですよね、前半の前方チームの拳、なんか元気なくて位置が低かったし(笑)あれ??なに???って感じだったんじゃないかと。
とみさんの声がちょっと揺れてたのは移動してるからなんだな、てことは、いつどこから現れるの?が私としては関心事でしたが、後ろからだろうの予想は当たりでした。
とはいえ、まさかスマホで現場を撮って、しかも配信までしてるとは思ってませんでしたが。
映画好きなとみさんらしい演劇的な演出、面白かったですね。

本物のとみさんが出てきてからの客席のボルテージアップも面白かったです。
もちろんびっくりしたってのもあるんだろうけど、それだけじゃなかった。ボーカルは歌声だけじゃなくて身体から放たれるエネルギーも含めてボーカルなんだな、と当たり前のようなことだけど、その変化に感じましたです。

配信で見直してみたらかなりスイッチングが細かくて、配信チームは顔が映るまでほんとにわからなかったと思います。チャット欄もびっくりしまくってましたね。

新アレンジ、「GoldenAge」の熱狂


ソロ回しからの「GoldenAge」。
とうとう歌詞がつきました!新曲!やったー!
びっくりした~~~かっこよすぎますがな~~~!! 超、骨太なロックンロール! 大好き!
スラップ大魔神・タイチさんとトモキさんの掛け合い、ほんっとにかっこよかった!
とみさんはここでミュウツーを持ってきてのダブルレスポール。銅鑼の音が効いてましたね。

エレキシタールも持ってきて、最後はとみさんは床にしゃがみこんでエフェクターを指でぎゅいぎゅい歪ませていて、エキセントリックな部分が爆発してる場面でした。

そして「惑星ダブリス」へ。
うねりまくるベースライン、カッコよかったあ~~!!  そして、トモキさんのシンバルのバシャンバシャン言うハードな感じが好き。
とみさんは喉的にはかなりリミットな感じで、上が出なくなってたんですが、それがある意味でかっこよかった。普段よりかなりビート強めのハードなダブリスでした。

「黒歴史」は黒くない歴史が未来にあったから、そう呼べるんだ


「TeenageBlack」「それゆけ!夢みるゾンビーズ!!」。
この2曲がこんな風に育つとは、1年前は思っていませんでしたね…。みんなの声の塊、配信でもしっかり入ってましたけど、ほんと凄かったです。

そして、長い長いMC。

悔しさこそが、現実。
悔しさを食べて行くのがロックンロール。
俺の魂はまた悔しさを食べて大きくなってる。
現実を見せたいんだ、取り繕いたくないんだ。
砂漠の中から砂金のような希望を探してる。

とみさんの切々とした言葉を聴き、胸いっぱいになりながら、拳を振る。

「悔しいって言いすぎたけど、最高のほうが勝つわ、バンドやっててよかったが勝つわ」と笑ってくれて嬉しかった。

本編ラストは「ルックバック」。
サンストでの披露からまだ2カ月だけど、さらに骨太さが増してたように思いました。
間奏のトモキさんの両手でタムを鳴らす力強さ、最高!
「カム・トゥゲザー」だし「アイ・アム・ザ・ウォルラス」だし、ビートルズだな~と思う。変わらぬ古きよきものへのリスペクトが嬉しくなる。最後のリードギターのリフが泣けました…。

アンコール

「フロムアンダーランド」「全米は泣かない」で待ってました!!な客席。
何度か書いたことがあるんですが、toybeeの曲って全部が鉄板で、全部がドラマティックで、ずーっとテンション上げられっぱなしになっちゃうので、本編ではなくアンコールにこんなにどでかいの2曲持ってくることもできちゃうんですよね。すごいよね。

メンバー紹介では、隼さんがさっと手を挙げただけで悲鳴に近い「隼さん」コールが男女の別なく上がっていて、それがめちゃくちゃ嬉しかったんですが、おかげで隼さん、全然喋ろうとしない(笑)
「なに、隼ってそんな感じになったの?」ってとみさん、びっくりしてたけど、「ロックスター然としてすかしてろ」って指示したのは、貴方ですよ、魔王。

にしても、この夜、隼さんが何度も何度もギターを高く掲げてました。
あんな隼さんは、少なくとも私ははじめて見た。 みんなの熱気が隼さんのテンションをあそこまであげたんだと思いました。カッコよかったね…死んだね…(すみません、隼さん贔屓です)。

圧倒的な幸福感とともに「全米は泣かない」に拳を上げて、大拍手の中、去りがたそうなとみさんが去っていくのを見送りました。
(とみさんって、ハコがいいよ、って言ったら朝まででも喋っててくれるんじゃないかしら)

今回は泣かないで見られると思ってたのに、結局、結構な頻度で泣いてしまいました。

「ルックバック」は大人の心の苦みを感じて私のようなとみさんよりかなり上の世代にも強く響くし、「全米は泣かない」は何度聴いても自分の栞の位置を確かめてしまう。
「それゆけ!夢みるゾンビーズ!!」や「TeenageBlack」には、自分の痛みというよりも、若い彼らのあがきにエールを送る心地になる。「シーラカンスと文学」はその美しさの中の結晶のような痛みに共振する。

心の琴線をガリガリにはじきまくるとみさんの曲達に、それを最高の形で音楽にしてくれるtoybeeに出逢えて幸せです。

今回は悔しさも残ったけど、あのときは悔しかったね、と言える日に向かって引き続き、toybeeを愛します!

NEXToybeeは「LUNKHEAD」と対バン!


2024/2/17(土)19時より、下北沢FLOWERSLOFTにて。
LUNKHEADの25周年ツアー「四半世紀の上半期」にゲストで呼ばれておりますぞ。LUNKHEAD LOVER日本代表って公式に呼ばれちゃうの、すごいね。
先輩の胸をがっつり借りに行く、まさに武者修行の現場にぜひtoybeeLOVERの皆さんもおいでくださいませ!

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