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「ブレないアイデンティティを作る」自分たちのやりたいことを明確にした理由 -一般社団法人zingzing

■法人概要
法人名:一般社団法人zingzing(ジンジン)
代表理事:荒木孝文
設立:2019年7月30日
事業内容:就活生が無料の宿泊場所とフラットなコミュニケーションを通して、心理的安全性の高い居場所を創造することで、より本質的な自分との邂逅をサポートする相互扶助コミュニティ「そのまんま荘」の運営

■支援概要
課題:サービスのミッション、ビジョン、バリューは存在するが、法人としてのブレない軸となるものを言語化し、これから関わる人全てに伝わる状態を作りたい。

支援内容:法人のコンセプトストーリーとコンセプトの設計


一般社団法人zingzingコンセプトまとめ

▲今回、unnameが担当したコンセプトとコンセプトストーリー



一般社団法人zingzingが東京・恵比寿で運営するシェアハウス、そのまんま荘は2018年の開業当初、「地方学生による地方学生のための就活ハウス」として話題を呼びましたが、そのコンセプトの変化に伴いSHANTAN EAST、タカイエ、そのまんま荘と名前が変化してきました。

zingzingの代表理事である荒木さんは幼少期、両親より厳しい教育を受け、また、ハーフであることを理由にクラスメイトからいじめられる体験をしました。この頃に「枠」にハマって歩んできた人生に感じ、「誰もが本当の自分でいることに安心して生きられる社会を創る」という想いを一般社団法人zingzingを通して具現化しようとしています。

zingzingが運営するシェアハウス「そのまんま荘」はその名に改名されてから約1年10ヶ月の月日が経過しました。新たな局面を迎えるにあたってzingzingに必要なコンセプトメイキングのために、unnameに対してご相談いただきました。

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自分たちだけで言語化する限界、外部から客観的な視点を得る必要性を感じた

ーどんな事について相談をしようと思ったのでしょうか?

自分たちでコンセプトやアイデンティティを作ってから1年ほどが経とうとしています。仮説検証をした上で「ここはあってるよね」「ここはずれてるよね」っていう部分が見えてきたんです。そこをアップデートしてさらなる違いや深さを出そうとしていました。

自分たちなりには力を入れて取り組んでいたんですけど、そこには限界があったので他者からの客観的な意見が必要だと感じました。今はまだ見えていないアイデンティティ、可能性の部分を他者によって深めてもらうことで、事業に一体感や統一感を作りたい、ブレがない状態を作りたい、と。


ー自分で限界に気づくこと自体が価値のあることだと思います。しかしなぜそう思ったのでしょう?

自分で自分のやってきたことを振り返るタイミングってあるじゃないですか。そのために外部からの客観的な意見を実際に受けて、それによってすごく深く考えることができた体験をしたことがあります。また、従業員がやってきてくれたことを僕が一緒に振り返るっていうこともやっていて、やっぱり同じように感じますね。

ただ、当事者意識が強すぎると会社のコンセプトを作るための客観性に欠けてしまうことがあって、そんな時に縁があったのがunnameです。自分たちの会社のコアな部分を掘り下げませんか? というメッセージをもらって、「これだ」と直感しました。


ーありがとうございます。unnameからの提案によってアイデンティティはどう変化しましたか?

実は自分が本当にやりたいことと、会社としてここ1年間ほど活動してきたことには少しズレがありました。具体的な変化の以前に、その点をすり合わせるきっかけになったのは自分にとってとても良かったです。多分その点もunnameは汲み取ってくれていて、会社の代表っていうところは一旦取っ払って僕個人に対して向き合ってくれたんです。まずはそこに好感を抱きました。

unnameは元々あった我々のコアイデンティティの部分は大きく変えずに、自分たちにしかない部分をさらに鮮明にしてくれたように思います。社会のあり方によってミッションは変わると思うんですけど、でもその大元にあるアイデンティティは変わるべきではないと思っています。そうしたパーソナルな感情がunnameの提案するコンセプトに共感する部分は大きくありました。

今回お願いしたことと同じようなことを依頼しようとした時に、ともするとその会社の意向が大きく内容に影響してしまうことがあると思うんです。

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ーというと、自分たちの意見が自分たちの活動に反映されづらいということですか?

反映されないまでとは行かずとも、その会社の美意識や目指したいものに影響された提案によって自社のコンセプトが決められることがあるように感じていました。でも、欲しいのは他者のこだわりではなく自分たちのアイデンティティの深掘りなんですよね。

今回unnameから提案された内容はどこまでも、泥臭いほどにヒアリングベースでした。とても安心して話ができたので、パーソナルな部分まで踏み込んだ提案をいただけたのだと思います。

どこにでもあるお茶を濁したような無難なコンセプトではなく、僕たちにしかないものを活かしていただいて、また自分たち自身もそれに気づくことができました。やっぱりアイデンティティが何かっていうことろが一番大事だと感じて、その部分とunnameの「一体何者なのか、どういう存在なのかが大事だ」っていう提案に共感しました。

そうした部分はこれからの時代には絶対に必要だと思っていて、今の時代の然るべきポジションにunnameがいるなと率直に感じました。


ー恐縮です……(笑)。他に相談しようと思った会社はなかったんですか?

実は他にいくつか知り合いがやっている似た会社があったんですけど、すごくいいタイミングで熱量のあるメッセージをunnameがくれたんです。正式な依頼の前にかなりやり取りはしていたんですけど、前のめりで熱意のある姿勢がとても印象的で、ここなら絶対に任せられると思いました。

これについては共同創業者とも意見が合致したので、unnameに一任することを決めたんです。



競合は意識しなくていい、大事なのは自分たちのアイデンティティ

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ー導入して良かったと感じた場面はありましたか?

まずは僕自身が「飾らない瞬間も、美しい」というコンセプトストーリーのタイトルに心を打たれました。僕と同じように他のメンバーもunnameの提案に共感が得られるかどうかは不安な点ではありましたが、結果としてそれは不要な心配で、僕と同じように涙ぐんで共感してくれたメンバーがいました。

それは、自分たちの繊細な原体験に対して親身に寄り添ってくれたからだと思います。それだけターゲットが明確で、そこに刺さるコンセプトストーリーの質が高かったからです。

今振り返ると僕たちはコンセプト作りについては考えようとしていましたが、それに必要なターゲットについては少し理解が浅かったのかもしれません。

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世の中にはキラキラしたスタートアップの会社がたくさんあって、ワクワクした未来を予感させてくれます。でも、僕たちがやりたいこととそうしたキラキラしたものとは剥離があって、ジェラシーも感じていました。

自分たちがやりたいことはそうしたキラキラしたものじゃなく、自分を飾り立てず自然体の、ありのままの自分で生きていくっていうこと。それがちゃんと理解できて、ブレがなくなったのは大きな収穫でした。

他の会社のスタートアップの人と話しているときに、不安なところもあったんです。考えが散らばっていて、個人の考えと会社の方向性にはズレも感じていたので。そこらへんをカバーするために今までは強がりがあったんですけど、腑に落ちる言語化ができた今はそうしたことがありません。

全員に刺さるものじゃなくて、自分たちの固有の部分に深く刺さるものを作ってもらえたんですよね。それが個性的なので、話をしていて周りから静かな驚きみたいなものを感じてもらえるようになったと思ってます。


ーunname側としても、社会がユーザーに受け入れられるのではなく、ユーザーを社会が受け入れていくようになると感じました。それぞれのアイデンティティが強くて尖っていてもそれで良くて。zingzingはそうした尖った部分をありのままに生きていける社会を作りたいんだなと思って、そこが今回の提案のコアになっています。

そうですね、語弊があるかもしれませんが、unnameからの提案で強く感じたのは「競合は意識しない」ということでした。これは他者とのバランスや、市場でのポジショニングによって自分たちの存在意義を見出すのではなく、自分たちが自分たちのコアを掘り下げるということです。ということは、他の人は他の会社が何をしても自分たちのアイデンティティは変わらなくていいんですよね。

それと同じように、社会の人々が親子関係とか、年齢の差とか、友人関係とか、そうした外枠に翻弄されず、ただそこにある”who”の部分だけを感じて生きていく手助けがしたいと改めて強く思いました。

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コンセプトという最上段の判断軸ができたことで、いい意味でやること自体にはこだわりがなくなりました

ーコンセプトという土台を作った今、どんな方向性を向けそうですか?

自分たちのアイデンティティにあった事業をしようと思います。僕たちは飾り苦しむ人の拠り所となり、「人生の選択肢」を示す存在になりたくて、例えば年齢とか言葉の壁を壊していくのも自分たちの存在意義から考えるとありだよねって思ってます。

今までは大学生を支援することに注力してきましたが、アイデンティティがあればやること自体はなんでもいいと。いい意味でこだわりがなくなって柔軟になりました。


ー最後にこれからzingzingが目指す世界を教えてください。

自分を隠さずに、本当の自分を生きられる人が増えて欲しいです。

自分も経験したことですが、やっぱり日本は「和を重んじる」文化が時にはエスカレートしすぎてしまう傾向があると思います。

僕は日本の長い歴史の中で出来上がった文化を否定したいわけではなく、ときにエスカレートしてい個を殺してしまうことに対して憤りを感じています。かと言って、ただありのままの自分を出し続けるだけになってしまってもそれはただのわがまま。大事なのは自分自身を理解することで、そうすることで自分を隠さず、本当の自分を生きられる人が増えていくはずだと、そう思っています。

だからこそ自分を隠さずに、本当の自分を生きられる人が増えて欲しいと願っていますし、その世界を実現するために一般社団法人zingzingで頑張っていきます!



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