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独りじゃない-16”リベンジ”

この世の終わり感いっぱいの絶望の淵に立たされた”バックパック盗難事件”に遭った時は、「もう二度とバンクーバーには来ない」と決めていたのですが、窃盗団のせいで好きな地域に二度と来ない気持ちにさせられた事が悔しかったのと、バンクーバーに住んでいる友達がものすごく責任を感じていたので安心してもらうために、”行ってやる!”と。

2年振りにバンクーバーに降り立つ瞬間、どんな気持ちになるか分かりませんでしたが...

実際、降り立つと、やっぱり怖かったです(-_-)

でも、その怖さを和らげてくれたのが、入国審査場での審査官でした。
カナダの入国審査は、いろいろと質問されるのですが、
「バンクーバーからどこかに行く予定は?」
「ウィスラーに行く」
「ウィスラーには何しに行くの?」
「スノーボードをしに行く」
と答えた瞬間、審査官が満面の笑みになり、
「平野と平岡、日本人、スゴかったよね!興奮したよ!」と。
この年は冬季オリンピックが開催されていて、平野選手と平岡選手がスノーボードハーフパイプで銀メダルと銅メダルを獲得。この審査官が笑顔でその話をしてくれたお陰で、気持ちが和らぎました。

ウィスラーでスノーボード、友達と再会、そしてシアトルへの日帰り旅行。
ウィスラーでは友達と滑りを楽しみ、シアトルではスタバの本社や1号店、ボーイング社の工場、シアトル・マリナーズの本拠地に立ち寄ったりして、2年前のイヤな記憶を1つ1つ楽しい思い出に塗り替えていきました。
が、どうしても出来なかったのが、事件のあったホテルに近づくこと。
そばまで行くと、どうしても足が止まってしまうんですよね~
結局、最後までホテルに近づくことは出来ませんでしたが、再びバンクーバーにやって来て楽しい思い出に上書きできた、ということが、私にとっては大きな出来事でした。
悪いのは一部の人であって、バンクーバーは悪くないんですから。

後に聞いた話では、このホテル、解体されて無くなったそうです。

このリベンジ旅行のおかげで、”女子2人の好き勝手な海外旅行”を再開させ、今まで通りの生活に戻ることが出来ました。

→”独りじゃないー17”へ続く

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