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【舞台・イベント】来た、見た、書いた

2024年1月〜2月上旬、いろんなものを見た。それについて書き記しておく記事です。
ネタバレかもしれないようなことも気にせず書いています。


舞台「東京リベンジャーズ -聖夜決戦編-」


品川プリンスホテルステラボールにて。これは昨年末の大阪含め数回見た。
何度行ってもステラボールまでの坂道は思っているのの倍くらい急でびっくりする。ゲレンデじゃないんだから。リフトで運んでほしい。残念ながらリフトはないので、アネックスタワーのエスカレーターを2階分あがって、ClubEXの脇の通路を進む。ステラボール入口はいつもキャラメルの甘い匂いがする。それを振り切って奥の会場へ。

すごく横幅のひろい会場だから、あまり端の席だと視界がなかなかつらい。背もたれに背をつけながら、顔だけをかなり斜めに向けなければならなくなる。ちょうどエジプトの壁画のように。
今回は席の傾斜はややゆるゆか。後方でもまったく見えないということはなかったけど、もうちょっと傾斜があるほうが嬉しいとは思う。会場前の坂道ほどではなくてもいいから。

ステラボール、なんといっても音響がよかった。音が重たくて、ライブ感がある。そんななのに台詞をかき消さない。題材からわかる通り殴り合いの多い舞台だから、タケミチが殴られるごとにずしんと来る。入れるべきエピソードが多いのもあって前半は駆け足な印象があったのだけれど、休憩をはさんだ後半の感情の爆発的な盛り上がりが凄かった。

劇場の構造上、どうしても大阪から変更せざるを得ない演出があった。
教会に大寿が入ってくる場面。タケミチと八戒から表情が抜け落ちるのが客席から見えて、ふたりの視線の先を追って振り返ると通路に大寿がいる。通路に立たれることであらためてその異様さ、巨大さ、とにかく圧倒的なものを思い知られて、我々もタケミチたちと同じ絶望感を味わうことになる。これが大阪の演出。作品全体で見ても抜きん出て素晴らしいと感じた演出なので、東京で通路が使えなかったのが残念でならない。
イヌピーとココが去るところは、同じ方向に連れ立って行く東京の演出の方が好き。

大寿の印象がとにかく強い。まるで理解はできないけれど、でも、確かに彼の中での法則に従って妹弟を愛しているのだということ、その愛が届かない悲しさが伝わってきた。振る舞いが恐ろしければ恐ろしいほど哀れに見えてくる、絶妙な芝居。

ヒナ、かわいかったなあ。ヒナがかわいい、絶対に守りたい、この感情がタケミチと観客との間にしっかり共有されてこその舞台だと思う。ヒナちゃんのブロマイドがあったら欲しかったなあ。


「HIGH CARD the STAGE  -CRACK A HAND」


北千住のシアター1010にて。自宅からはやや遠いけれども、座りやすいし、後方からでもよく見えて好きな劇場だ。ただ公演終了後、1階まで降りるのが大変なのが毎回ちょっと、いや、まあまあ困る。夜の公演後だと館の営業時間外のためエスカレーターが既に止まってしまっていて、少ないエレベーターを長時間待つことになる。

舞台が虹色に輝いていて美しい


開演前の舞台が撮影可だったので、照明が特にきれいだ、という瞬間を撮った。アニメを見ていない状態で観劇したのだけれど、アクションにシリアスにギャグ、たくさんの要素をつめこんだ楽しい舞台だった。明るく終われる舞台はいいな。アニメの曲が劇中に取り込まれていたり、アニメを好きな観客への目配せがたぶん各所にあったのだと思う。

わたしが見た回は役者さんの靴が壊れるトラブルがあったのだが、舞台袖に入ることができないシーンを全員で繋いでいて笑いにもなっていて、ああいうところにカンパニーの良さが見える。
トラブルがないに越したことはないと思う一方で、毎回なにかしらの想定外が起きるのが舞台だとも思う。トラブルはチャンスでもあり、ミラクルにも転じる。貴重な回だった。

ラストの客降り演出も楽しいし、モチーフ的には名刺を配るのはぴったり。しかしやっぱり限られた運のいい人だけが受け取ることになって、「もらえなかった人」が生まれてしまうから、降りて通路を回るだけでもじゅうぶんだったのかも。このへんは難しい。

チェルシーがかわいい。正直チェルシーの写真を見てチケットをとったみたいなところがあったのだけれど、勢いに乗じてよかった。片足をぴょんと上げてハケるのがいちいちキュート。声にも存在感があるから、登場するたびに目を奪われた。
演じるは舞台「吸血鬼すぐ死ぬ」で見た明音亜弥さん。今後ほかのお芝居も見たい。


カムカムミニキーナ本公演「かむやらい」


座・高円寺1にて。だいぶ前に虚構の劇団を見て以来の高円寺観劇だった。劇場入って奥、巨大なアンモナイトの中みたいに、大きな螺旋階段が地下へと伸びている。二度ほど螺旋を下るとお手洗いがある。広くて快適。非常に大事。

三方向から座席が舞台をぐるりと取り囲む構造だということだけは事前情報として得ていて、自身のスケジュール的に一度しか見られなさそうだったから、狙って正面の席をとった。2列目だったかな。劇場のサイズからわかっていたことだけど、とにかく近い。
神に関する内容であり、難解さもあいまって、橋掛りはないけど能舞台っぽい印象。
あるいは、戦いをエンタメとして消費するコロッセオの感じもある。

なんなら八嶋智人さんを見るだけでじゅうぶん元が取れるくらい。舞台上での文字通りのメタモルフォーゼ、凄かった。ちょっと言葉にし難い。

ストーリーは難解、でもあまりディテールに入らずに大枠で捉えているとなんとなく輪郭が見えてくる。3人のトベがそれぞれに魅力的なんだけれど、やっぱりシリアスに振り切ったニキトベの話が、最後のトベだというのもあって印象に残る。演じる宇留野花さんの涼しげな目元が素敵。
トミー役の鈴木裕樹さんは多くを語らないかわりにその身体性があまりにも雄弁。かれをどうしても選んでしまうことへの説得力がある。

愛する男とは引き裂かれ、男は怪我によって失明し、女は身籠もり、母になった女はやがて荒地で男と再会する、このあたりはラプンツェルがモチーフなんだろうと思った。
ラスト、いったい何を守っていたのかわからなくなった状態で丸め込まれるような終わり。暗転直前のあの表情にぞっとして終了。配信を購入したので、アーカイブ視聴でもうすこし自分の中の解像度を上げたい。

劇場前ポスター。面白かったなあ


「無限まやかし3D リローデッド/レボリューションズ」


渋谷のLOFT9にて。普段からよく聴いているPodcastまたはYouTubeのリアルのトークイベント。ロフト系のイベント参加は久しぶり。

アーカイブは2/24まで購入・視聴可能とのこと。無料配信では確実にNGな話題がたくさん出た。脚本家関連のお話は、自分の仕事との共通項も多くて聞いていてややしんどくなったり。

レミーも一緒



もともと22年末に「このテープもってないですか?」で大森時生さんを知り、そこからの流れで23年「SIX HACK」をリアルタイムで追っていた際、該当番組について言及している唯一…わたしの探し方が悪かったのでなければそうだったと思う、唯一のYouTubeが無限まやかしだった。

今は移動中にPodcastで聴くことがほとんど。ふだんSNSなどから自分が感じるひっかかりと同じところで引っかかっている人たちが、言葉を尽くしてそれを語っている安心感がある。ただそれを「自分が言いたいこと全部言ってくれた」で全任せにしてしまったら終わりだと思うから、これからも自分の言葉で考えて出力することを諦めずにいこう。

移動中だと音声だけで足りるからPodcastを好んでいるというのもあるが、タイトルやキャプションが好きだというのも少しある。今回のトークイベントの紹介文も好きだ。冒頭付近のリンクからぜひ読みにいってほしい。

ステッカー買っちゃった、どこに貼ろう

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