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チームを伸ばす10の視点⑤『報・連・相』~悪い報告ほど早くする

 「報告」「連絡」「相談」の頭文字をとって、「報・連・相(ホウ・レン・ソウ)」と呼ぶ。ベテランスタッフなら耳慣れた言葉も、若手・新入社員の皆さんにとって古くて・新しい表現かもしれない。

「報告」「連絡」「相談」は組織運営の基本である。そして、いずれもスピードが命である。
 特に、悪い報告、悪い相談は、一刻を争うものだ。この数年、問題になった企業の不祥事も、悪い報告を後回しにしたことによって引き起こされたものが多い。なかには不祥事(ふしょうじ)を隠そうとして事態が深刻化した例もあった。
 何か問題が起こったとき、初期段階で適当に対処すれば、被害は最小限で抑えられる。ましてや、早期に相談し、対処すれば、何も問題にならずに済むこともあるだろう。これは人間の病気も同じである。早期発見、早期治療が病気を治すセオリーである。
 しかし、悪いことは隠したがるのが人間である。自分の失敗、マイナスになることを、素早く報告できるかどうか。これは、チームのなかに信頼関係がなければできない。
 報告を受けたリーダーは早急に適切な善後策(ぜんごさく)を講じることだ。叱責(しっせき)は後からでもできる。いや、失敗をした本人は誰よりも反省しているであろう。感情的な叱責は百害あって一利なし。当人の成長につながるような激励こそが必要だろう。それがまた、報告や相談をしやすい信頼関係の構築にもつながるのだ。

■小事が大事
 素早く報告や連絡ができる人は、躍動的で、やる気に満ちている。責任感が強い証(あかし)でもある。
 これに対し、報告をしても鈍い反応しかなければ、意欲が失(う)せてしまう。リーダーは誠意には誠意で応えるべきである。リーダーに迅速(じんそく)な行動がある限り、その組織は伸びていく。反応が悪い組織は、暗く沈滞してしまう。
 ある企業では、欠陥(けっかん)商品を売ってしまったが、客へのクレーム対応をスピーディーに、ていねいに行った結果、客の信頼を増して顧客が増え、それまでよりも業績が上がったという。
 反対に、悪い報告を無視したり、にぎりつぶした組織は、信頼をなくし衰退していく。情報社会の現代にあっては、なおさらそうである。
 なかには、つまらない報告もあるだろう。しかし、何事も「小事」が「大事」である。小さなことを軽く考えてはいけない。大事故も小さな油断から起こるのだ。
 報告と同様に、相談も大切である。疑問や質問がある場合は、早めに相談すべきである。疑問を抱いたままでの活動では、思い切って動けない。 
 ときには批判的な意見をぶつけるのもいいだろう。リーダーはそうした声も聞き、全体観に立った建設的な意見であれば採用するくらいの度量をもってほしい。

Check Point!
□報告、連絡は迅速か?
□何でも相談できる上司はいるか?
□小さな問題を見過ごしていないか?

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