見出し画像

企画インタビュー「ふつうの家族ってなんですか?」

まあ、そんなこんなでさ、そんなかしこまらなくても、家族って結局何なのよって考えていくことって、案外得することも・あるのではないか?
そうではないのか?
くらいの気持ちで始めました。
お付き合いください。くださると嬉しい。
【まえがき:qbc・栗林康弘(無名人インタビュー主催・作家)】

今回参加いただいたのはこのお二人!


1,いま、どんな家族ですか?

くじらぐも:1人暮らし、リクガメ2匹

くじらぐも:今現在私は一人暮らしでして、私1人と、あとはペットのリクガメ2匹と暮らしております。

qbc:どんな生活を送ってますか?

くじらぐも:仕事ざんまいなんですけども、仕事に行って帰ってきてスマホいじって寝て。で、休みの日も昼頃まで寝ていて。そこから目が覚めてご飯を食べてスマホをいじって、最近ちょっと読書とかもしたりしてみてるんですけど。でも、仕事と、食べる寝る、のような生活ですね。

aiko:私、リクガメの動画見るの好きで、YouTubeで。リクガメにアロエを、シャクシャク食べさせるYouTuberの人がいて。すごく歯型がね、なんか三角になってかわいいなって思ったんですが、カメも結構なつきますかね?

くじらぐも:なつく、というよりはいつも餌をくれる人間みたいな感じですね。

aiko:そうそう、餌役の人だみたいな感じで。コミュニケーションが取れてるような感じがして、そういうのもいいなって思いました。

くじらぐも:ありがとうございます。本当にかわいいんですよね。

aiko:夫と2人暮らし、猫1匹

aiko:うちは猫飼ってて、キジトラの男の子を飼ってるのと、夫と私の2人と1匹の家族です。現在、どんな生活かっていうと、私はほぼ家兼事務所みたいな感じです。
家も仕事場だから、結構プライベートのオンオフに気をつけてる生活ですね。

2,過去、どういう家族の中で育ちましたか?

くじらぐも:4人家族、弟が重度の自閉症

くじらぐも:私からお話すると、私は地元が青森県の田舎の方で育ちまして。父と母と弟が1人、年子なんですけども、4人家族でした。弟が重度の自閉症でして、ひらがなのきょうだい児として育ってきました。親は、あんまり仲が良くない感じでしたね。

aiko:そうなんですね。すごく共感する背景だなって思いました。

くじらぐも:ほんとですか。

aiko:うん。うちもきょうだい児だったんですよ。

aiko:5人家族、姉が精神疾患、兄が身体障害者

aiko:両親は、仲がいいっていうよりも、いびつな依存関係だったかなって。お父さんお母さん、お姉ちゃん、お兄ちゃん、私の5人家族だったんですけど。お姉ちゃんが精神疾患を持ってて、お兄ちゃんが身体障害者でした。

aiko:くじらぐもさんがインタビュアーになったのは、ご自身の家庭環境と、何かしらの影響があったんでしょうか?

くじらぐも:いやあ、そこはそんなに関係はないかなと思ってるんですけども。
単純に人間が好きっていうのと、いろんな人の人生を知れたら、自分の人生も豊かになっていくといいなっていうので、インタビュアーに応募してみました。

aiko:素晴らしい、すごい。家族の関係が複雑だと、人間を嫌いになっちゃうみたいな紆余曲折もありませんでしたか?

くじらぐも:私は、弟が重度自閉症で、大変なことももちろん多かったですけれども。どちらかというと、そういう子たちのことは「好き」と思えるように育ちまして。結構、弟がいる施設とか、学校の夏祭りとかに行ってたんですけども。
知的障害がある子たちって、すごく純粋な笑顔で挨拶してくれたりとか、人間本来の優しさというか、思わず性善説を信じてしまいたくなるような清らかさがあって。私はその子たちと関わるのがすごく好きで。
人間を嫌いとかはなかったですね。

家では、どういう生活でした?

くじらぐも:私の家は、平日の間はずっと第二養護学校と、障害者を預かる専門の施設で、ずっと付きっきりでやってもらっていたので、土日しか会わなかったんですね。
なので、平日はもう、一人っ子みたいな感じで、結構ピアノの習い事とかも十分にさせてもらって。土日はその分、親は弟に付きっきりだったので、結構1人遊びをしてましたかね。

qbc:なるほど。

aiko:私の場合はけっこう逆で、家族全員が四六時中ずっと同じ空間って感じでしたね。
身体障害者のお兄ちゃんがいましたけど、指定難病なんで重いんですけど、でもある程度体が動いたり、脳は障害がなかったので、体が障害、脳はそのままって感じで。
だから家の中では普通に生活はできるんですね。お姉ちゃんも同じく体が動く。脳は普通だけど精神が、みたいなことで、家で過ごしてて。みんな家の方が好きだったのかなっていう感じで。

qbc:どんな気持ちで過ごしてましたか?

aiko:普通の家族って感覚でした、そのときは。
普通に楽しいって思うこともあったし、しんどいなと思うこともあったし。しんどさとかも、一般的な家庭のしんどさ、世間が思う一般的な家族像を今私は過ごしているはずだっていうふうに思って。だから普通だなって。正直、そんな感じでした。

qbc:くじらぐもさんは、どういう気持ちでした?

くじらぐも:うちは、そうですね。でも私にとっては普通だったし。他の人にも、弟が自閉症でって言うのも、躊躇するとかはなかったですけれども。でも、すごくよく覚えてる思い出があって。

自閉症ってすごくこだわりが強いんですけども、何かがきっかけでスーパーから全く弟が動かなくなったときがあって。幼い自分は、そんな弟のことを理解できないので、腕を力ずくで引っ張って動かそうとするんですけど。でも、全然動かなくて。
お互いに泣きながら、もうひたすら引っ張り合ったっていう思い出があって。それで、通りすがったおばさんが、「そんなに引っ張ったら痛いのよ」って声かけてきたっていう思い出が今思い浮かんで。割と変だったのかな、って思いました。今。

qbc:それは何歳ごろのことです?

くじらぐも:そのときは小学校の3、4年生でしたかね。

aiko:子供だから、その状況で、必死というか、目の前のことでいっぱいになる感じだったんじゃないかなって思うんですけど。過去を振り返って初めて、そういえばあの時の状況って、みたいに思ったりもするけど。当時は本当、普通に頑張ってるみたいな感じですよね。
結構頑張れちゃうんですよね、家族のことって何か。

自分の家族はすこし違うなと思った瞬間

qbc:自分の家族が少数派だったんだ、と気づいた瞬間って、どんなときでした?

aiko:大人になって、大学卒業してからかな。
ちょっと世間と触れあって、自分が社会の一部になったぐらいの時。いろんな人と出会って、いろんな価値観を知って、他者といろいろ触れ合う機会があって、気づきましたね。

くじらぐも:私もaikoさんのおっしゃる通り、私も人から「兄弟とかいるの?」って聞かれて。弟がいるって言うと、「弟さんも今社会人なの?」って聞かれて。弟は地元にいて、実は知的障害があってって言うと、みんな、「ああ」っていう声をあげるんで。その度に、そっか、驚かれることなんだって。

aiko:「大変だったねー」とか言われますね。

くじらぐも:そうですね。

qbc:自分の家族は普通だったって思います?

aiko:当時は普通だと思ってた。でも今思うと少数派だった、ですね。

くじらぐも:私も、そう思いますね。
私は仕事で、いろんな家族にお会いするんですけども。ちょっと話の趣旨とずれるかもしれないんですけど、みんな、温かい家庭だなって思うことが多くて。
うち、あんまり「ありがとう」とかが飛び交わない家庭だったんですね。父親は単身赴任してた時期も長くて、一緒に食卓を囲むこととかも少なくて。強がりというか、感情を表に見せないというか。その家族が私にとっては普通だったんですけど、でも社会人になって、こんなに家族のことを大切に思う人が多いんだっていうのが、ちょっとびっくりしたことだったんですよね。

aiko:家族を大切に思う人が多いっていうのは、どんな事で分かったんですか?

くじらぐも:私の仕事は、葬儀屋なんですけども。それで、最後にお手紙を書いたりとか、最後のお別れのときに、感謝の言葉を述べるんですけども。本当に、お母さん行かないでとか、そういう言葉をかけられるシーンを目にすることが多くて。

でも、私も祖母を昨年末に見送ったんですけども、そのときも私達の家族はもう無言で。皆それぞれ思うところはあったと思うんですけど、やっぱ強がりで、内面を見せたがらないんで。棺の蓋も、閉めんべ、みたいな感じでさっさと別れを終えようとしていたのが、やっぱうちの家族って変だなって思いました。

aiko:なるほど。悪意がないのはわかってるけど、コミュニケーションがあれ?って感じなのかな。すごく共感というか、面白いです。

qbc:他の家族のことを知らなかったら、家族のスタンダードについては当然気づかないわけですよね。それに気づいたのって、自分にとってプラスかマイナスか、どちらでした?

くじらぐも:自分の家族がちょっと世間一般とはズレてるのかも、って気づけたという意味でプラスですね。あとは、自分が作るならそういう感謝を伝え合う家族がいいかもって思うようになったのも、プラスですかね。

aiko:プラスにはたらくことの方が多かったから、プラスかな。結果論として。当時はショックだったけど、結果的に今プラスだから、プラスだなと思います。

うちの家族の場合も、すごいくじらぐもさんと似てるなと思いつつ、うちの家族って何だったんだろうな、何が原因だったんだろうなとか思ってて。
別に精神分析とかそういうことじゃなくって、もっとシンプルに考えて、1個気づいたことがあるんですけど。

うちの家族全員コミュ障っていうところに、私は落ち着きました。
お互いがコミュ障だと、壁作っちゃったりとか、どう触れ合ったらいいと思うのかもわかんないまま。家族5人分の人間関係。人1人を相手するのも人間って大変だから、5人もいるとそりゃあなんかもう、きつくなるんやろうなって思いますね。
コミュ障っていう。そこに落ち着きました。

qbc:あーなるほど。家族構成を、チームのバランスみたいに言わないかもしれないですね。
学校だったら、ピアノが弾ける子をクラスに1人入れたりするじゃないですか。チームを組ませるときに、こういうバランスだといいね、みたいなプランがある。

あーでも、連れ子再婚、今はステップファミリーっていう家族形態だと、セメントベイビーって言葉がありますね。夫婦の間に新しく子供ができると、家族関係が安定するって。

揉め事が起きやすいロックバンドとかも、ペットを飼えばいいって言ったりするんですけど。
これはいろんなチーム編成でも言えることなんですけど、弱い者を1人入れると、そこに集中が行くんですよ。それを助けながら行くので、実はまとまるんだよっていう。

もちろん、まとまらない場合もありますよ。でも、家族だからうまくいく、みたいな信仰は確かにありますね。「家族だから」って、必ずしもうまくいくはずないですよね。

aiko:今、セメントベイビーっていう言葉を初めて知って調べてました。チームとか人間っていう仕組み、家族だからうまくいくっていうのって、やっぱ人として当たり前の歩み寄りっていうか、コミュニケーション能力があって、初めてうまくいくルートが出てくる。
それは病気として名前があるんだかないんだか知りませんけど、シンプルに考えれば、qbcさんが言ったことなのかなと思います。

3,家族って、何ですか?

qbc:ちょっと大きい質問なんですけども。家族って何でしょう?

aiko:それ、全然答え出てこないんですよね。スケール大きい質問だなって。

qbc:家族と言えるものって、何なんだと思います?

aiko:うーん、私の猫も大事な家族で。種族は違うけど。
私の友達が、子供を出産したんですよ。他人だけど、でもやっぱその友達が大事にしてる赤ちゃんとか家族に対しては、大事だなって。家族は大事だなって感覚が感じるし。不思議ですね、なんか。言葉に出来ないけど。

qbc:血縁ではないけど大事、ってことですかね。

aiko:うん。

qbc:くじらぐもさんは、家族だなと感じられる相手ってどうですか?

くじらぐも:いやあ今一人暮らしで、リクガメはいますけども。幼少期に育った以外の家族っていうと、うん。なんですかね、難しい。まあでもリクガメと、親とか弟が一緒かと言われると、ちょっと違うような気がして。

qbc:家族って、どういう感覚なんすかね? 私もわかんない。

aiko:例えば、いきなりこの3人で家族になれって言われたら、家族って何だろうっていうか、どういうことなのってなっちゃうけど。不思議ですよね。

qbc:一緒に暮らしてるっていうのはひとつ、ありますよね。

aiko:そう。

くじらぐも:私、就職した時点で地元には戻るもんかと思って、関東に出てきたんですけど。でも、もうなんだかんだ言って、親のことを見るのは自分だと思ってる節もあって。責任持たなきゃいけない、っていう感覚があります。

aiko:それは、長女だからっていうのもありますか?

くじらぐも:それもそうですね。将来的には、弟も面倒見るの私ですし。

aiko:家族っていうものについて、それから国がやってる制度とかのことを知りたくて、私はとある相談のコミュニティに入ってるんですけど。情報収集のために。里親家庭とか、養子縁組の方が集まってるところがあって。
そこでお話を度々伺うのが、血は繋がってないけど、養子縁組した子どもがすごく大事っていうこと。すごく大事な感じなんだけど、やっぱり実の親っていう存在があるから。
そこですごく悩まれてる方もいるし。すごく見ていろいろ考えさせられます。家族とは、って。答えを出すもんじゃないんですけどね。

qbc:でも、自分なりの答えがないと、座りが悪くないですか?

aiko:私達を悩ませるために用意した質問じゃないんですか(笑)

qbc:いやいや、悩ませるためではなくてですね。家族って、改めて考える機会ないんで。
私自身も今、ステップファミリーって呼ばれる家族形態で、妻と前の夫との間の子がいるから、家族については考えますけど。
そもそも私あんまり家族鑑というものがなかったので。家族かと言われたら家族ではないっていう感覚ですね。一緒に暮らしてるし、ご飯も作ってるけど。そうだな、なんていうのかな。あんまり家族っていうのを意識してないのかもしれないですね。自分の親のこと、あんまり面倒見ようとも思ってないし。

aiko:うんうん。

qbc:うちは元々、離婚はしなかったんですけど別居してて。父親が秋田なんですね。で、実家に帰ったんですよ。病気をしてたので、透析をずっとしてね、肝臓が悪くて60で死んだんです。
私は長男で喪主だから、秋田に先に行ったんです。で、母親と姉と弟が東京から車で来たんです、軽自動車で。へー、って思って。それで、葬式が終わったら、骨を奪取して東京に帰っちゃったんですよ。

くじらぐも:えええ。

qbc:元々おばあちゃんと母親もあんまり仲良くなくて。そのために車で来たんですよね。私、それを聞かされてなかったんですよ。え、行っちゃうの? って。
その後、おばあちゃんと一緒に葬儀屋さんにお金を払いに行って。だから、私自身は家族崩壊じゃないですけど、別にギスギスもしてないんすけど、実際会ったりは少ない。
姉と母親は近くに住んでて、仲はいいですけど。

aiko:完璧な家族像の方が少ないのかも知れないけど。

qbc:そうすると、完璧な家族像って、aikoさんの中にあります?

aiko:やっぱ「ありがとう」とか「ごめんなさい」とかをちゃんと言えて、他人の人生は他人の人生、自分の人生は自分の人生を分けて考えられる。そんな感じです。

qbc:くじらぐもさんはどうですか?

くじらぐも:今おっしゃった2つと全く同じことを考えていて。
この後、どんな家族作りたいかっていう質問があるじゃないですか。その質問の答えで、私が考えてたのが、「ありがとうと言い合える家族と、お互いにリスペクトがある家族」ってメモとってて。

aiko:同じだー。

くじらぐも:同じですね。

aiko:すごく大事なことですね。家族だからこそ雑になっちゃうよねっていう人ももちろんいますけど。
許容範囲を超えてる人って、そういう家族がやっぱあるから。普通じゃなかったのはそういう、人としての当たり前のところが、ちょっと欠けちゃってるところがあるかな。

qbc:インタビューしていて、うまくいってて幸せな家族に出会うんですよね。協力し合ってる家族とか、バランスいいなって感じますね。
親が子供に対して、こういうことをした方がいいよって目標を掲げるんですよね。それに子供が、反発せずにキャッチアップしていくんですよ。
で、それが10代の状態で、成長するとこんどはそれを親に還元していくような感じになってくる。

くじらぐも:好循環ですね。

4,どんな家族を作りたいですか?

qbc:で、どんな家族を作りたいですか?

くじらぐも:先ほども言いましたが、お互いに恥ずかしがらずにありがとうって言い合える家族。それを人前でもできたりとか、当たり前と思わないっていうのが、リスペクトがあるっていう意味だと思うんですけど。
それができてる家族に仕事で接すると、こうなりたいな、自分もこういうふうに看取られたいなって思いますね。

aiko:大事ですね。すごく。めっちゃ頷いてます。

qbc:aikoさんはどうですか?

aiko:私もほぼほぼ同じ気持ちですけど。私の言葉で言うなら、いくら家族でも、相手に対して、相手が嫌がることはしないとか、相手を辱めたり悪口を言ったりしていじらないとか。何が悪いとか、ごめんなさいでもいいし。あとは人として間違ってることがあれば、必ず叱って向き合う。そういう家族が、理想ですね。

くじらぐも:私、aikoさんとすごく似た考えを持っているなって思ってるんですけど、終始それを感じていて。先ほど、家族がみんなコミュ症だっておっしゃったと思うんですけど、それも、うちの家族もそうだなって。だから、お互いに恥ずかしがって出さないんだろうなって思って。似てるんですかね。

aiko:共感ポイントがいっぱいあって嬉しいですよ。そういうのを否定されずに話せる環境、安心できて話せる環境って大事ですね、こういう関係は。

qbc:ありがとうって言える家族の方がいいよねって気づいた瞬間が、あったんですかね。

aiko:私は、仕事とか知り合い、ちょっとした出会いや会話、付き合いとか。何でもですけど、相手に敬意をもって接してくれる人の存在を目にして、なんかいいなと思って。本当小さい積み重ねですけど、いろんな人を見てそう思いました。

qbc:アニメとか小説とか、コンテンツがきっかけになったりはしましたか?

aiko:家で吸収できないものを映画で吸収しようっていう気持ちはありましたね。
「ニューシネマパラダイス」って映画があって、あれは他人のおじさんと、他人の子供がすごく心を通わせる映画で、でも血は繋がってないんですよね。でも、もう家族以上の愛っていうところがテーマとしてあって。結構私は影響を受けました。

qbc:敬意を払いあえれば、家族なんですかね?

aiko:経緯も大事な一つですけど。1個が正解って言うよりも、多分相乗効果。
くじらぐもさんはどうですか?

くじらぐも:うーん。敬意があればいいのかな。

qbc:質問の言い方を変えると、家族になるために必要な条件。

aiko:愛。愛ですよ、愛。

くじらぐも:Loveですか?

aiko:Love。

くじらぐも:確かに敬意というよりは、愛の方が近いのかな、無条件の。
家族のこと。私は幼少期の、元の家族のこと言ってますけども、家族のことを愛さないと、自分自身の否定にも繋がるかなって思うので。

aiko:深いですねすごく。

くじらぐも:うちの家族は、敬意はないですかね。

aiko:愛については、qbcさんどう思います?

qbc:そもそもそうじゃないと、一緒にいられないかなってのはありますからね。

aiko:確かに。

qbc:すごい感覚的な話になっちゃうんすけど、センスとして、一緒に眠れないんですよね。行為の後、すぐいなくなっちゃうとか。
でも、一緒にいられる人もいて。その関係に言葉を与えるかどうかみたいな感じですね。それに愛とか敬意ってつけてもいいけど。どうしてこの人だと、その場を立ち去りたくならないんだろう、みたいな。

くじらぐも:犬とか猫って、飼い主に懐くじゃないですか。

aiko:うんうん。

くじらぐも:今、うっすらと思ったんですけど、人間の動物的な部分の何かしらが、家族に対して懐く気持ちを作っているのかなって。

aiko:それはあるでしょうね。脳科学みたいな話で、多分群れを成そうとするところに愛を見出すみたいな、そういう仕組みはありそうですね。

qbc:私の母親は70過ぎてるんですけど、お互いとうきょうだから、時々会うんですね。
仲は良くないんですよ。何か事件があって悪いんじゃなくて、性格的にあんまり合わない。
だから離れた方がうまくいくんですね。で、そのときにバーッとお互い話したりするんですけど、向こうは薄気味悪いぐらいに私のことを知ってるんですよ。当たり前なんですけど。

あれだけ長く一緒に時間を過ごしてきた人同士の何か、っていうのははありますよね。でもそれって、血縁だったから、母親だったから、というのが必須条件じゃない気はするんですよ。

aiko:血っていう部分なのか、遺伝子っていうものなのか、ちょっとわからないですけど。
一緒にいて、自分が一緒にいたいなって思う相手が家族ならベストなんだけど、そうじゃないパターンはいっぱいあるから、あくまでそれは理想。一緒にいたくなくても繋がってるのは血で、これもまた家族。陰と陽で、1個の丸になるみたいな。そんな感じ。言葉がまとまらなくなってきたな。

qbc:補い合う?

aiko:そうそう、まとまってきた。

qbc:家族はやっぱり複数なんで、バランスが大事、補いあうのが大事っていうのは重要そうですね。
白菜の漬物の例えっていうのがあるんですけど。白菜の漬物って、シワシワの葉っぱ部分と、歯ごたえのある芯の部分があるじゃないですか。
いい夫婦っていうのは、どっちかが葉っぱ好きで、どっちかが芯好きだから喧嘩しないっていうんですね。

aiko:よくわかんないけどピンときた(笑)

qbc:最後に、何か言い残したこととかあります?

aiko:普段できない深い話がしやすい環境で、とても私は満足で、ありがたかったです。

くじらぐも:普段は全然、家族についてとか考えないので。頭がハイになってますね。

aiko:わかる。くじらぐもさん、考えるの好きな方なんですか?

くじらぐも:そうかもしれないですね。理屈っぽいところがあるかもしれない。

aiko:考えるのが好きな方って、好きです。

くじらぐも:ありがとうございます。

qbc・aiko・くじらぐも:ありがとうございます。

過去のグループインタビューはこちら

#インタビュー #無名人グループインタビュー #家族 #ヤングケアラー


いただいたサポートは無名人インタビューの活動に使用します!!