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無名人インタビュー:クロマチックハーモニカ国際大会銅賞の人

ハーモニカ! 子供のころ、吹いていましたね。なつかしいなつかしいやわらかい音色。
今回はひょんなことからクロマチックハーモニカに出会い、国際大会に出場&今はハーモニカのお教室もされている北村サユリさんです!
お楽しみください!

今回ご参加いただいたのは 北村サユリ さんです!


1、クロマチックハーモニカ

qbc:今、何をされてる方なのでしょうか?

北村:私、変わった経歴なんですよね。今はハーモニカの講師をやってるんですけども、25ぐらいまでは音楽経験がなかったんですよ。
中学から大学までずっとソフトテニスやってて、いわゆる体育会系みたいな感じだったんですけど、そのあと新卒でプログラマーになったんですが、合わなかったので福祉関係に行こうと思って、もう1回大学に入り直して、社会福祉士の資格をとりました。
で、その頃にたまたまハーモニカを始めて、ハマって、ひょんなことから講師になったんですよ。

qbc:ハーモニカを始めたのはいつごろですか?

北村:25のときですね。それまで音楽経験は一切なくて、むしろ父親が電子楽器を扱っている仕事をしていて、家で子供が音楽をやるの嫌やったみたいです。それで、習わせてもらえてなかったっていうか。
でも電子楽器は家にあったんですよ。全然習ったこともなく、一本指でなんとなく自分で弾いてたりとかはしてたんですけど。
そうこうしてるうちにソフトテニスにはまり、音楽とは無縁になりました。だから、25まではもう、全然本当に経験はなしですね。

qbc:ハーモニカの講師になられたのはいつごろですか??

北村:30か31ぐらいのときです。たまたま出た国際大会で銅賞をいただくことができまして、あとは国内の大会でも、いくつか賞をいただいたりとか。日本一は取れてないんですけど。一応入賞まではしたりして。そういうのもあったりして、講師をさせてもらうことになりました。
だけど、私的には社会福祉士になりたくて、就職も決まってたんですけど、家族の反対などもあり、断念して音楽講師の道に進みました。

qbc:クロマチックハーモニカって、いわゆる私たちが学校でやってたものと違うハーモニカなんですか?

北村:そうですね。世代によって違うんですが、小1の時に、1段式っていう穴が横一列になってるハーモニカを使ってたと思うんです。で、小2で多分鍵盤ハーモニカ。
クロマチックはそれとは違いますね。

qbc:なるほど。

北村:クロマチックって半音階っていう意味があります。クロマチックハーモニカっていうのは、すごくざっくり言ったら、ピアノの黒い鍵盤の音も出るということです。
クロマチックハーモニカっていうのは基本的に一台で全部の音が出るから、どの調でも基本C調のハーモニカで演奏するプレイヤーが多いです。
一応、違う調のハーモニカもあるにはあるんで、それを使う方もいらっしゃるけど、稀かな。そこがその複音ハーモニカとの違いだし、あとテンオールズも基本同じですね。調によってハーモニカを分けてはる。
クロマチックハーモニカって、ハーモニカの右側の端っこにスライドレバーがついてるんですよ。で、押したら半音上がるっていう仕組みになってまして。
(数はかなり少ないですが、ノンレバー式のクロマチックハーモニカもあります)

北村:クロマチックハーモニカって、一つの穴で4つの音が出る仕組みになってて。
吹いて、例えばドの音が出る、おんなじ穴で吸ってレが出る、で今度スライドレバーを押すとドのシャープ、押しながら吸うとレのシャープって感じで音が出るんですよ。
だから操作に慣れるって言うのは必要かもしれない。

qbc:レバーのオンオフとその吸う吐くの方で4つのパターンを出すんですね。

北村:そうです。私は基本的に12穴、穴12個あるやつ使ってるんですけど。サイズ的にはすごくちっさいんです。それで大体3オクターブ+2音出る感じ。
16穴もあって、それだと4オクターブ+2音出ます。そのサイズ感でそれだけ音域カバーするんで、まあまあ大体何吹いても音域で困ることはないです。

qbc:今、講師はどこかの教室に所属してるのですか?

北村:あ、もう個人でひっそりです。ホームページだったり、あと最近はyoutube経由の方も多いです。
私は元々IT系なんですよ。大学は普通に文系女子大やったんですけど。私の世代って就職氷河期だって呼ばれてた、就職難の時期だったでしょう。
でもラッキーなことにIT系の企業に入れたので、元々新しいもの好きだったのもあって、そこで6年ほど私プログラマーをやってたんですけど。

qbc:どんなのを作ってたんですか?

北村:めっちゃ固い仕事やってました。お役所のバッチ系とか、あと大学入試のマークシートの採点とか、介護保険料の計算とか。
いろんな部署にいってたので、結局プログラマー止まりでしたけど。

qbc:なるほど。

北村:その時の経験のおかげで、ホームページ作るの全然OKだし。今コロナじゃないですか、みんなオンラインレッスンとかやり始めるでしょ? 私10何年前からやってたんですよ。

qbc:おお、すごい早い。

北村:MSNメッセンジャーとかでやってましたかね。その時からずっとやってました。
コロナの前からオンラインレッスン7、8人ぐらいは受けてて。コロナのちょっと前ぐらいから、スマホとかタブレットでもレッスンが受けられるようになって徐々に増えてきたのが、今コロナになってグッと増えましたね。

2、人生に無駄なことはない

北村:私、中学からずっとそのソフトテニス一本でやってきて、若いときは人生の寄り道とかするのが嫌やったんですよ。一つのことガッて力を注ぐみたいな。
だけど、今こうやってすごい遠回りなこと色々やってきて、そういうのもありっていうか何やかやで繋がらないものはないかなっていう気はします。大学も無駄に二回出たってよく言われるんですよ。

qbc:大学もフルで2回行ったの んてすか?

北村:最初はフルで文系女子大出て、2回目は通信教育だったんですよ。

qbc:働きながらですか?

北村:そのときは会社辞めて、福祉施設でバイトしながら。夜勤でバイトして帰ってきてレポート書いて、みたいな生活を20代の最後のほうで送ってたかな。
で、福祉も結局無駄だったかなって。

qbc:なるほど。

北村:社会福祉士って相談援助なんですよね。だから、利用者さんとか対象者の方のQOL、生活の質を高めるっていうのが目的なわけじゃないですか。
社会福祉士さんとかなるとダイレクトにこう生活に働きかけることができると思うんですよ。ハーモニカ講師はそこまではできないけど、ハーモニカを通じて音楽を通じてっていう意味ではできる。バイトとか、その学校の勉強とかで、接し方とかお話の聞き方だったりとか、そういうのはすごく学ばしてもらったかなって思います。今でもやっぱり、その社会福祉で学んだことを忘れないようにというのは常に心がけてる事だなって気がしますね。

qbc:大会に出たのはいつごろですか?

北村:最初に出たのが2001年かな。それで、2002年にアジア太平洋ですね。たまたま「出たらー」とか言われて。あとちょうど日本開催やったんですよ。
会社の夏季休暇の取り方も7月から8月までで1週間休みを取るシステムやったんですよ。だからその時に合わせて、お休み取れて、休みも取れたしじゃあ、出ようか、みたいな。で気軽に出た感じやったんですよね。

qbc:サウンドクラウドもあるじゃないですか。

北村:あ、そうですね。今のところ結構作曲にはまってます。打ち込みで。

qbc:ハーモニカで作曲されてるんてすか?

北村:普通にDTMですね。ハーモニカ始めた20年前っていうのは自分の音を演奏した音を客観的に聞くのに、なかなかこういいツールがなくってそれでMTRを使ってました。

qbc:マルチトラックレコーダーですね。

北村:コンテストに出るから、その伴奏に合わせて自分で吹いて、どういう風にマイクに乗るのかがMTRで聞きたかっただけやったのが、それで打ち込みをレコーディングできるっていうことが分かって。

qbc:なるほど! お住まいはずっと京都じゃないんですね。富山に8年いて京都。

北村:元々京都生まれ、で小4の時に富山に行って高校まで出て、単身帰ってきた感じですね。
子供の時は、大人しくはないんだけど、これといって特技もなくって感じの子供でしたね。ソフトテニス始めるまでは。でもまさかその音楽関係の仕事をさせてもらうことになるとは思ってなかったです。

qbc:ハーモニカとの出会いってなんだったんですか?

北村:探偵ナイトスクープなんですよ。通天閣でハーモニカを吹くおじさんを探してほしいみたいな依頼があって、それを見てね。
吹いてはるおじさんがすごくかっこよくって、ハーモニカてすごく面白そうみたいなね。私は24の時に結婚してたんですよ。夫と一緒にテレビ見てて、「あーなんかハーモニカやってる、なあなあこれやってもいい?」とか言ったら「おうやったら?」って。
まさか彼もハーモニカ講師やることになるとは思わないじゃないですか。だからやったらー、みたいな気軽な感じで。たしか放送が終わった1週間後には教室行ってましたね。
私はこれだーっと思ったらすぐ動きたくなるタイプで、すぐ昼休みに会社のパソコン使ってインターネットで教室調べて電話しました。

qbc:未来についてはどうお考えですか? 5年後こうなっていたいだとか。

北村:ちょっと前から初心者サロンっていうのをオンラインで始めたんですよ。
zoomで、レッスンというか茶話会的な雰囲気で、集まって吹いてということをやってます。それぞれ演奏したり曲吹いたり、ハーモニカの質問とか悩みに答えたりとか。そういう時間づくりを取り組みとして始めています。それをいろんな世代の方、もちろん熟年層の方もやし、若い方にも広げたいなっていうのはすごくありますね。

qbc:2千円なんですね参加料。

北村:今は月2回木曜日と日曜日の夜やってます。人数が増えたらちょっと増やしていく予定なんですけど、そこにこう集まっていただいて、吹いてもらったり喋ってもらったして楽しんでいただいてます。

qbc:なるほど。

北村:あとは趣味の世界に入るんですけど、オリジナルをたくさん作っていきたいっていうのはすごくありますね。midiとか結構好きで、そういう打ち込みの音楽とか、ハーモニカのオリジナルを作っていきたいかなっていう気はしていますね。

qbc:なるほどね。ちなみにハーモニカっておいくらぐらい?

北村:ピンキリではあるんですけど、大体に2、3万くらいのを最初買っとけば間違いないかなっていうところですね。5千円ぐらいのも売ってるんですけど、息漏れしちゃったりしてしんどくて吹けなかったりします。

qbc:ハーモニカの楽しさっていうのはどんなところになるんですかね。

北村:吹き吸いのある、鳴らす楽器というところですね。ハーモニカ本体だけが楽器なんじゃなくて、その人の、体全部が楽器みたいな感じなんですよね。だから口の中の形やったりとか、息の入れ方とかやから、もう腰回りからすでに。息を吸ったり吐いたりするってそっからじゃないですか。だから全身楽器みたいな感じやし、同んなじ機種を吹いても絶対同じ音にならないと思うんですよ。
もちろん上達具合で音がよくなったりもあるし、個性が出しやすいというか。吹き吸いがあるから、すごい微妙なコントロールが反映されます。こっちがこうしたいっていうアプローチの仕方をすると、それに楽器が応えてくれるっていう良さはあるという気がしますね。

qbc:なるほど。

北村:あと、演奏の面で言うと、クラシック系の奏者の方やと独奏とかも全然アリなんですけど、ポピュラー系の人間は大体伴奏と一緒ですね。
私はポピュラー系なので、ピアノとかギターとか、あとバンドとかと一緒に演奏します。独奏はあんまりないかな。もちろん例外はありますけども。大体伴奏があるっていう感じ。

qbc:はい。

北村:それから、You Tubeに毎日「今日のハーモニカ」って一日一曲アップしてるんですよ。
たまにリクエストいただくので、伴奏があれば応えてます。ヤマハのデータショップでmidiデータを購入するか、ないときは、簡単なのは自分で作ってますね。

qbc:初見ですぐ弾けちゃうものなんですか?

北村:曲によるんですけど、簡単な歌謡曲やったらもう譜面を印刷して、録音終わるまで15分くらいでいけます。練習しながら録る感じ。まあ簡単な曲であればそんな感じで十分。

qbc:adoから中島みゆきまでありますね。

北村:私中島みゆきさんのめっちゃファンなんで。

qbc:すばらしい。

北村:中島みゆきさんの曲は、ヤマハのデータショップさんにないものは、自分でmidiで自作したやつとかもあるんですよ。打ち込みました最初から。二日くらいかかって打ち込んだやつ何曲かあるんですけど。

qbc:YOASOBIもありますね。

北村:いい意味で節操がないと言われますね。

qbc:今後の教室ですが、単純に継続させたいのか、例えば人を育てたいとか、そういうイメージとかおありですか?

北村:私は音楽経験ないところから始めてるっていうのがあるから、来られる生徒さんの話を聞いてると、私みたいに子供のときに音楽に触れる機会があまりなかった方で、ある程度年いったときになんか音楽やりたいな、ずっと憧れてた音楽をやってみたいという方が多いんです。
あと、ある程度定年が見えてこられた方が、定年した後に何か楽しみがあったほうがいいなっていうので、今から趣味を見つけておきたいということで来られる方とかも多いんですよ。
私は若いときに始められたけど、子供のときに全然やってなかったっていうおんなじ立場ですので、そういう方の楽しみのひとつとしてハーモニカのお手伝いができたらなーっていうのはすごく思って。
それこそ一生楽しめる趣味として私自身も楽しんで行きたいし、一人でも多くの方に何か楽しさを知っていただきたいって気持ちがあります。
だから、さあこれから始めようっていう方に楽しんでもらうというところをずっとやって行きたいです。そういうのは社会福祉士になりたいと思ってた時からずっと変わらない気持ちですね。だからツールが変わるだけって感じ。

qbc:なんかいろいろなものがやっぱり繋がってくるんだなっていうふうに感じますね。ありがとうございました!

北村:ありがとうございます。

あとがき

おなたは、このインタビューを読んでどう思いましたか?
感想はぜひコメントにお書きくださいね!
なんちうか関西の人たちにとっての探偵ナイトスクープのすさまじさよ。
ドカベンを読んで野球を始め、キャプテン翼でサッカーを、スラムダンクを読んでバスケを、そんなきっかけ発生装置としての探ナイを感じました。
人生に無駄なんて、私はないって思ってるんですが、そうだよ無駄なんて、やっぱりないよないからね。
ありがとう世界。
ありがとう人生!

編集協力:有島緋ナさん 白原すみさん

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