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小説書いてもらってみる005:生徒Aさん生徒Bさん書けなくなる!

突発的に始まった小説を書いてもらう企画。
今回は、ゆきづまる生徒たち編です!
いやー、まああ、このまま二人とも書けずに終わってしまうのか。

前回までの記事はこちらを読んでね。


生徒Aさんの小説お題

・テーマは行動「手紙を書く」※生徒が出しました。
・文体は私小説、「私は」で書く。注意点は、自分から突き放すこと。自分の感情を書かずに登場人物の気持ちを書く。
・文字数は2-3000字。
・事件は起きてもおきなくてもいい。感情だけ書き連ねてもいい。
・最初の書き出しは、「手紙を書きだした。でも書けない。」にしましょうか。

生徒Aさんの書けない!

生徒A:行き詰まっている者です!
先日、「文章力はやってれば身に付く」とおっしゃっていましたが、発想力は生まれ持った才能なんでしょうか?(努力して身に付けるというよりも、その人の特性に近い?)
自分は発想力がないわけではないけど、意外とないのかもなぁと思い始めまして。
文章とか細かく直して先に進もうとすると、ちょっと怖いんですよね。
私は今、「書きたいものを好きなように、好きなだけ、自分のために書く」という世界から、違う世界へ少しずつ、足を伸ばしてみようとしている道中だと自分で思っています。
そうすると、今度は「客観的に見て面白いものを書きたい」「自分以外の誰かに評価される」という欲求と、プレッシャーのようなものを感じます。
例えば、「猫に向けて手紙を書く」というまぁまぁ面白そうな発想は出てきたけど、「ここで作った設定が後々自分の首を絞めることはないのかな?」みたいな。
作家さんたち、小説を書く方たちは「面白いと思うものを書きたい」と思って素晴らしい作品を生み出すのか?
それとも、生来持ち得た発想力で書き残した結果が「面白い」「愛される」作品になるのか?
長くなってしまったんですが、こんなことをぐるぐる考えていたここ数日です、、、。

qbc:悩むよねー!
発想力のほうも、やってれば身に付くんですけど、これは小説以外でも身に付くんですよ。
コーヒーに砂糖、みたいな常識的組みあわせがあるじゃない。
それを、コーヒーと鏡、みたいにコーヒーと常識的には異質なものをどれだけ組み合わせられるか、が発想力なんですよね。
で、さらにそれを発展させられるかどうか。
コーヒーと鏡、だったら、コーヒーを飲んでいる姿と一緒の人間をその鏡に映すと、その人間の思考が読める、みたいな鏡があって、、みたいなストーリーを思いつけるとかね。
で、もうひとつの、
客観的に見て面白いものを書きたい」「自分以外の誰かに評価される」という欲求と、プレッシャーのようなものを感じます。
だけれども。
これは、まあ突破するしかないよね。
評価されるには書かないといけない、
書かないと評価されない、でえんえんと悩むループになるんですよ。
これは誰でもなります。ただ、ここっていい作品を作るのに関係ないからね。自分の問題だから。
とにかく、いいから、書きましょう、ってのもひとつの答えだし。
そもそもそのプレッシャーを気にしなくするためにこうやって1on1やっているって意味もあるし。

生徒A:発想力がなんなのか、やっと分かった気がします!
今は悩んで、書いて、悩んで、書いてを繰り返したいと思います…!
一対一ですぐに助けてくれる方がいるのは本当に幸せなことです…
ありがとうございます!

qbc:追加で。発想力はね、足りないのは物語の作り方の知識。
邪魔してるのは常識。
物語って、例えば桃太郎じゃん。
不思議な子供、仲間、鬼退治、成功がストーリーラインで。
この構造をたくさん知っておく必要があります。
じゃ、これを炊飯ジャーでやってみようか、ってなるじゃない?
まず、ここで炊飯ジャーで? って邪魔しちゃうのよね、常識が。
それをとっぱらって、物語の型にはめれば、
炊飯ジャーからたきたてのご飯ではなく子供がでてくる、米しか食わない、梅干し、ツナマヨ、海苔が仲間、パンと戦って勝つ、成功する。
みたいなストーリーがすぐできるようになるから。
ここまでくるのは難しくはないよ。
自分の思い通りの作品を作ることは、慣れればできます!!!!!

生徒Aさん用qbcの見本作品

生徒Bさんの小説お題

・テーマは行動「タバコに火をつける。窓の外で雪が降ってる。」※生徒Bが出しました。
・文体は私小説、「私は」で書く。注意点は、自分から突き放すこと。自分の感情を書かずに登場人物の気持ちを書く。
・文字数は2-3000字。
・事件は起きてもおきなくてもいい。感情だけ書き連ねてもいい。
・最初の書き出しは、「手紙を書きだした。でも書けない。」にしましょうか。

生徒Bさんの書けない!

生徒B:また頭フリーズしちゃって何も進みません

qbc:一度に全部ではなくて、順番に考えていこう。まず、主人公は何してる?

生徒B:ため息ついてる。進まなきゃいけない、どっか行かなきゃいけないけど、玄関前で立ち尽くして動けないでいる。

qbc:めちゃ出来てるじゃん! その主人公、なぜ外に行こうとしてる? 何が目的?

生徒B:たぶん、人に会わなきゃいけない。
または、別のことが気になって悩んでるけど家にいると気が滅入るから外に出たい、でも元気がない。

qbc:いいじゃん!! できてる。。その主人公は、どんな人?

生徒B:男の人。たぶんあんまり、身だしなみを気にする余裕がない状態。
コートを着てるけど、いつ仕立てたかも覚えてない。毛玉がある。

qbc:年齢は?

生徒B:たぶん、30後半から40半ば。

qbc:ここなんか、すごくいいじゃん。「玄関前で立ち尽くして動けないでいる」。
「タバコに火をつける。 窓の外で雪が降っている。」のあとに、「玄関前で立ち尽くして動けないでいる」。
最高じゃない。

生徒B:そうなんだ。

qbc:言葉の力で、新しい宇宙を今生み出している。ビッグバンですよ。

生徒B:なんかもうとにかく自由にかいていいですか?
正解とか探してた感じがあった。なんか勝手に自分を制限してた、書くものについて。

qbc:自由に書いていいですよ!

生徒B:この自由に対する制限をいつ外せるんだろうね。

qbc:外せないよー。お酒飲むとか激しく踊るとか、そういうことしないと外れない。
今してる小説を書くのも、制限を外す方法のひとつかな。
自分を縛っている言葉を使って、リアルの世界に拮抗する、もう一つの新しい世界を作りあげてしまう。
無名人インタビューの「名」は、肩書きとか年齢性別、社会システムって意味だけど、これって究極、言葉なのよね。
人という動物を、激しく社会化させて、協調させる、自由を制限させる力。
この制限を無くした無名人になるための、無名人インタビュー。

生徒Bさん用qbcの見本作品

あとがき

小説は楽楽楽しいね!!!!!

こちら、過去に私の書いたものなのでできたら読んでくださいませねー!!!!!!!!!!

制作:qbc(無名人インタビュー主催・作家)

#無名人インタビュー #インタビュー #書いてもらってみる #小説

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