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スポーツっていいものだ、みたいにサッカーやってない人にも感じてもらえたら一番いいと思う人

コップ一杯の水を飲む。うまい。最高。
天竺に行きたいと思う。最高、天国。
生肉を食べられなくなった。いたい。アウチ。
残念だなと思うこと、良かったなと思うこと、両方あります。あったりします。両方ね。それが、だって、人間だもの(わー使っちゃった)。
今回の私的ぶっささりポイントは、こちらです!
“サッカーを通じて、サッカー以外のことが充実する。で、そのことによって、サッカーとかスポーツっていいものだ、みたいなものをサッカーやってない人にも感じてもらえたら一番いいんじゃないかなと思ってます。”
かっこいい。サッカーというのもを通じて、世界が通じ合う。
びいんと来ちゃったあ!!!!! そう、私はインタビューもそういう存在になってしょいいと思ってます。サッカー人口をいつかこえるぞインタビュー人口!!!!!
と思う2024年6月8日19時35分に書く無名人インタビュー797回目のまえがきでした!!!!!
【まえがき:qbc・栗林康弘(作家・無名人インタビュー主宰)】

今回ご参加いただいたのは 森永 純平 さんです!

年齢:30代後半
性別:男性
職業:南紀オレンジサンライズFC 代表


現在:その地域の課題に取り組めるようなチームを作ったら、サッカーが上手い下手とか関係なく、サッカーを知らない人にも応援してもらえるようなチームになるんじゃないかな

ナカザワアヤミ:
森永さんは今何をされてる方ですか。

森永純平:
今は南紀オレンジサンライズFCというサッカークラブの運営をしております。

ナカザワアヤミ:
南紀オレンジサンライズFCはどんなチームなんですか。

森永純平:
社会人のサッカーチームなんですけど、和歌山県の紀南、南の方の地域を拠点として、サッカークラブ×移住×農業というものをテーマに、サッカーをやるだけではなくて、人口が減ってるような地域に、選手・スタッフが移住という形で移り住んで、そこで仕事をしながらサッカーをしてるというチームになります。
エリアで言ったらみなべ町っていうところと、田辺市、上富田町、あと白浜町っていうところです。

ナカザワアヤミ:
なるほど。皆さんここに移住をされたってことですか。

森永純平:
そうですね。全員県外から移住という形になってますね。

ナカザワアヤミ:
運営とおっしゃってましたけれど、どんなお仕事をされてますか。

森永純平:
私自身は今クラブ、例えばスポンサーさんを集めたりだったりとか、実際に移住してくるような選手を集めたりとか。あとは練習試合を組むときに相手を探してきたりとか。サッカークラブのサッカーに関わる以外の、全てのことをやってるっていうようなイメージですかね。

ナカザワアヤミ:
なるほど。ちなみに森永さんも農業ですとか、他の仕事と兼ねているんですか。

森永純平:
期間的に忙しい時期にお手伝いに行ったりとかはするんですけど、基本的には今はチームのことをやってるっていう感じですね。

ナカザワアヤミ:
シーズンによるんですね。

森永純平:
そうですね、エリア的には梅とかみかんとかが盛んなエリアになんですけど、梅がそろそろ6月ぐらいから本格的に忙しくなるという時期にはなるので。あとみかんだったら冬場ですかね、12月とか1月とかが忙しいかなっていう感じですね。

ナカザワアヤミ:
その時期になったら皆さんそちらの仕事もしつつ練習もしつつ、みたいな生活になる。

森永純平:
そうですね。基本的には練習の時間は、毎週平日の時間で決まってるので、それ以外の時間で、例えば地元の梅農家をしてる選手もいますし、白浜町というところが和歌山だったら観光地なんで、そういうところのホテルで働いてる選手がいたりとか。
農業も季節ものではあるので、農業以外の仕事もやりながらっていうような形ですかね。

ナカザワアヤミ:
社会人チームっていうのはそういうパターンもあるんですね。

森永純平:
そうですね。本格的にJリーグを目指してやってるようなチームもあればいろんな形態のチームがあるかなと思います。

ナカザワアヤミ:
森永さんは普段、仕事の中でどういったときに楽しさとかやりがいとか感じてらっしゃいますか。

森永純平:
まずはサッカークラブなんで、やっぱりチームが勝ったときとかはあるんですけど、うちのチーム自体が、何て言うんですかね、上を目指してはいるんですけど、サッカーだけしてればOKっていうチームではないんですね。
選手の中には割とがっつりサッカーやってきた選手もいれば、ちょっとブランクがあってうちに来てるような選手もいて、やっぱりそういう選手って最初ついていくのが大変だったりとかするんですよ。その中で、チームに何とかなじんで、例えば試合で結果残したりとか、あとはそういう県外から来た、言ったらプロではない選手たちっていうのが徐々に地域から応援されたりとか、そういうのが少しずつ増えてくるときに、やっぱり楽しさとか喜びっていうのは感じることが多いですかね。

ナカザワアヤミ:
選手はかなりいろんな方がいらっしゃるんですね。

森永純平:
そうですね。元教員でやめてうちに来たような選手もいれば、今年は海外から来たりとかもしてるんですけど。サッカーをやめていたけどうちをきっかけに現役復帰したような選手がいたりとか、サッカーをずっとがっつりやってた選手もいたりとかで、いろんな地域からいろんな経験を持った選手が集まってきてるっていう感じですね。

ナカザワアヤミ:
スタッフさんはどんな方が集まってくるんですか。

森永純平:
スタッフは今僕と監督ぐらいで。一応県外で今、リモートという形でかわってくれてるような人とか、ちょっとこれから移住してこようかっていう方もいらっしゃるんですけど、なんでスタッフはこれから集めていくっていう感じですね。

ナカザワアヤミ:
なるほど。参考リンクを送っていただきましたが、チームはけっこう新しいんですよね。

森永純平:
そうですね。2022年始動なんで、今年で3年目ですね。

ナカザワアヤミ:
これからチーム自体も増やしていったりとか、されるってことですかね。

森永純平:
選手だったりスタッフだったり、そのあたりを増やしたいですね。
あと今考えてるのは、できるかわからないんですけど、やっぱり移住という形でいろんな人と県外から若い人県外から集めるというのも、サッカーチームが1チームだけだとなかなか、数に限界があるので、サッカー以外の競技というか、そういったところもやっていきたいですね。
いきなりサッカーから全く違う競技を始めたら大変なんで、例えばビーチサッカーとかフットサルとか。そういう、ちょっと今の選手たちでもある程度できそうな種目というか、そういったところにチャレンジしながら、チームとして活動を増やしていくっていうのがこれから取り組んでいきたいところかなとは思ってますね。

ナカザワアヤミ:
そうか、海も綺麗ですしね。

森永純平:
やっぱり観光客の方がたくさんおられるので、せっかくそういったところがあるのであれば、有効活用じゃないですけど、できたらいいかなとは思ってたので。

ナカザワアヤミ:
どうしてこういったチームを立ち上げたんですか。

森永純平:
元々大学でスポーツマネジメントというかスポーツの経営を勉強してたんですけど、そのときは、将来的にはJリーグのチームとかで働きたいなっていうのがあったんですね。結局大学卒業して、最初は、野球の独立リーグってわかりますかね。四国アイランドリーグとか北信越のBCリーグとかっていう、プロじゃないけど、一応お金もらいながら野球をして、選手たちはNPBに入ることを目標に野球してるみたいなリーグがあるんですね。
最初はそこの四国のチームに営業という形で就職して、そこから滋賀県のサッカーのJリーグを目指しているサッカーチームに行って、ずっと裏方のスタッフとしてやってきました。

以前所属していた2チームはどちらかというと勝利至上主義というか、勝てばOKというとちょっと言い方あれなんですけど、やっぱり上を目指したり、競技優先のチームっていうのがあって。
そういうチームだと、その競技に興味ある人からするとそれなりに興味持ってもらったりとか、応援されたりとかっていうのはあったんですけど、やっぱりそこまでメジャーなチームではなかったので、競技に興味ない人からすると本当に知らない存在になんですよね。

やっぱり見るスポーツっていう文化が日本にはないのかなと思ってて。
例えばサッカーの日本代表とか、世界大会、オリンピックとかだったらまた話は変わってくるんですけど、プロではないスポーツを見たりとか応援したりとかする文化ってないかなと思っていまして。自分が将来的にサッカーのチームやりたいってなったときに、やっぱり競技志向のチームだと難しいなっていうのがあって。であればやっぱりその地域にそのサッカークラブがあるということが、サッカー以外で何かしら価値を生まないと難しいんじゃないかなって。

田舎というか、地方、人口が減ってるような地域に移住という形で選手を集めて、その地域の課題に取り組めるようなチームを作ったら、サッカーが上手い下手とか関係なく、サッカーを知らない人にも応援してもらえるようなチームになるんじゃないかなっていうのがあって。ちょっと今回こういう形で始めました。

ナカザワアヤミ:
なるほど。ちょっと話が変わるんですけど、森永さんはお仕事をもちろんされてると思うんですが、仕事でもいいですしそれ以外の例えば趣味とかご自宅でされてるとか何でもいいんですけど、最近やっていて楽しいのはどんなことをしているときですか。

森永純平:
最近やってる楽しいこと…

ナカザワアヤミ:
純粋に楽しい感情はいつ味わうことが多いですか。

森永純平:
最近楽しいと思うのは、今のチームとは関わりあるといえばあるんですけど、活動エリアのみなべ町っていうところに、梅の里スポーツクラブっていう総合型地域スポーツクラブがありまして。例えば今中学校の部活動でもサッカー部がなくて、中学生対象にサッカースクールやってたりとか。あとはみなべ町で、公共施設としてスポーツジムをやろうとしてて、運営の、受付とかやる人がいなかったんで今うちの選手がやったりとかしているんですね。

国体の会場がみなべ町だったとかでボルダリングがなぜか盛んなんですけど、山奥にボルダリング場がありまして、そこの受付のお手伝い行ったりとかっていうのを定期的にやってまして。
そのボルダリング場によく来る子供たちと他愛ない遊びをしたりとか、そういう瞬間は楽しんでるというか楽しめるかもしれないです。

ナカザワアヤミ:
普通に町のお子さんとかが遊びに来るってことですか。

森永純平:
そうですね、ボルダリングやりにきてて。子供とあとは割とガチな人たちが登りに来るみたいな。

ナカザワアヤミ:
どんな遊びをするんですか。

森永純平:
普通に上ったりとか、飽きたらボール使って遊んだりとか、なんか、普通に鬼ごっこしたりとか、バレーしたりとか。何かそういうときは、楽しいかな。一緒になって楽しんでいるなって思いますね。

ナカザワアヤミ:
普段からお仕事と関係なくスポーツされたりするんですか。

森永純平:
いや、私自身は基本普段もう動かないんで、運動不足ですね。

過去:日本代表の選手よりもうちに所属している選手たちの方が地元の人たちに応援されるとか、ゆくゆくはそういう状況にしたいなと思って。

ナカザワアヤミ:
森永さんは子供のころはどんなお子さんでしたか。

森永純平:
子供の頃は、おとなしい子供やったと思いますね。

ナカザワアヤミ:
それは何歳くらいの頃の記憶ですか。

森永純平:
割とずっとおとなしくしてきた気がします。

ナカザワアヤミ:
それは今も変わらないですか。

森永純平:
そうですね、そんなに大枠は変わってない気がしますね。

ナカザワアヤミ:
出身はどちらですか。

森永純平:
京都ですね。

ナカザワアヤミ:
子供時代の思い出とか、印象に残ってることとかってありますか。

森永純平:
みんなと仲良くするっていうよりかは、本当に狭いコミュニティで細々と生きてた気がします。

ナカザワアヤミ:
その頃は何が好きでしたか。

森永純平:
一応サッカーはしてたんですけど、選手としてはさっぱりだったんで、早々に裏方の方に興味を持ったっていう感じですね。

ナカザワアヤミ:
裏方に興味を持ったっていうのは何歳ぐらいのことなんですか。

森永純平:
でも高校ぐらいですかね。大学もスポーツの現場の方じゃなくて、運営のやり方というかそういったものが学べるようなところを探していったっていう感じですね。

ナカザワアヤミ:
サッカーはずっとやってらっしゃったんですか。

森永純平:
サッカーは高校の途中までですかね。そのときにはもう、自分がやるっていうよりかは、見たりとか。その時期ちょうどJリーグのお客さんをどうやって増やすかみたいなことに興味があって、そういうのを考えたりなんかやってましたね。

ナカザワアヤミ:
選手としてサッカーから離れたあと、他のことをやろうと思うことはなかったんですか。

森永純平:
そうですね、やらないにしても見るのは好きだったんで、特にほかに何かっていうのはなかったですかね。

ナカザワアヤミ:
学生時代はサッカー以外に時間を使ってたりとか、好きだったものとか、そういったものはありましたか。

森永純平:
本はよく読んでた気がします。

ナカザワアヤミ:
どんな本を読みましたか。

森永純平:
東野圭吾さんが好きで。でも、推理小説はそれ以外読まないんです。なぜか。
完全に食わず嫌いなんですけど、だから何で好きって言われたらちょっとわからないんですけど、新作が出たら買ってます、今も。
それで何か他の人の読もうとかにはならずにここまで来ましたね。

ナカザワアヤミ:
逆になぜこれだけ読むようになったんですか。

森永純平:
何でなんでしょうね。なんか一回映画を観て。たしかガリレオシリーズを1回見て、そこからかな、なぜか東野圭吾だけずっとそこから読んでます。

ナカザワアヤミ:
学生時代の時間の過ごし方としては、サッカーに関わる時間が多かったですか。

森永純平:
でも高校はサッカー部途中までなんで、やめてから裏方に行こうと思うまでにはちょっと時間があったかもしれないです。1、2年は多分間があるかもしれないです。

ナカザワアヤミ:
その間はどういうことをしながら過ごしてたんですか。

森永純平:
高校1年の終わりまではやったんで、そこから2年間ぐらいは、この時期本当に何もしてなかったかもしれないです。特に学校内では楽しさもなく。
だからサッカーやめてからサッカーをよく見るようになって。京都だったんで、京都サンガを一応見てたんですけど、当時は西京極っていうところでやってたんですけど、人が全然入ってないというか、なんでこんなガラガラなんかな、みたいな、ちょっと思う中で何となくそういうことに興味が出てきたのが多分高校の終わりの方ですかね。

ナカザワアヤミ:
大学でもスポーツを学べるような学部に入られたとおっしゃってたんですけど、大学の進学先を決めたのはどういった理由でしたか?

森永純平:
1年浪人してるんですけど、高校卒業して浪人することになって、どうしようかなってなったときに、何となくサッカーの裏側というか、そういう仕事って面白そうやなっていうのは思ってて。そのときにたまたま同志社大学っていう大学が、新しくスポーツ健康科学部をつくるっていうチラシを見て、ちょうどいいなと思って、じゃあこの大学に行こうと思って目指したっていう感じですかね。

ナカザワアヤミ:
現役の時の志望校は違ったんですか。

森永純平:
そのときは多分受けた大学全部落ちたんですよ。同志社は多分そのとき受けてないですね。
現役のときは本当に何となく受験して何となく落ちたみたいな。だからそういう、何となくスポーツのことやりたいなと思いながら、特に表だって何か行動を起こしてはなかったなと、今振り返ると思いますね。

ナカザワアヤミ:
本当にたまたまその学部ができるよっていうチラシで、決めたんですか。

森永純平:
そうですね。こんなんあるんやったら行ってみようかなっていう。うん。

ナカザワアヤミ:
ちなみに現役のときは何学部を受けてたんですか。

森永純平:
現役のときは本当に経済学部とか、そういう何ていうんでしょうか、ありきたりな、ありきたりじゃないんですけど、そういう系の学部を受けてましたね。

ナカザワアヤミ:
なるほど。大学でスポーツ関係の勉強をして、進路選択とか就職先の選択とか、どういった理由でしたか。

森永純平:
そのときにはもう自分でチームを作ってやりたいっていうのがあったんで、1回一般企業に就職するにしても、ずっと続けるっていうよりは、何年か社会人としてのスキル的なものを見つけて、時が来たらチャレンジしたいなっていうのがあったので、それができそうな仕事って何なのかなって思いながら。だから多分他の人とは目線が違う感じで就活はしていましたね。

ナカザワアヤミ:
自分でチームをつくりたいっていう目標はいつから持つようになったんですか。

森永純平:
最初は何となくJリーグのチームとか、面白そうやなと思って大学入って、
その頃ちょうどバスケットのBリーグ、当時はたぶんBJリーグって名前だったんですけど、ちょうど京都のチームが勝ち上がっていてお手伝いさせてもらったりとか。あとは今はなくなった女子プロ野球があって、それもちょうど京都のチームができるみたいな。

僕が大学生のときがそういう時期で、そういうところで話を聞いたときに、でかいところに行っちゃうと、一つのことしかできないんですけど、逆に言い方悪いですけど、ちょっと小さいチームだったらいろんな業務ができたりとか、自分のやりたいことができる可能性があるんかなって大学2年生3年生ぐらいのときに思いまして。それくらいの時期にはどこかのチームに行くっていうよりは自分でやりたいなとは思うようになってましたね。

ナカザワアヤミ:
お話を聞いていると、高校卒業時点で大学を決めたときと、大学生時点で視点がだいぶ変わったのかなと思ったんですけど、大学時代で何か変化はあったんでしょうか?

森永純平:
僕らが1期生の学部だったんで、基本的には何やるにしても自分らが一番だったんですよね。それまではなにかやりたいと思っても何も行動に移してきてなかったんですけど。
大学に入ってからは、例えばサッカーのサークルに入ったりとかサッカーに直接関わるようなことは特にせずに、大学の友達と、地域の子供たちにスポーツを教えるようなサークルを作ったりとかしてたんですね。言うたら、スポーツに興味ない人にどうやって興味を持ってもらうかみたいな。みんなはどういう思いでやったか知らないんですけど、僕はそういう視点でやってて。

やっぱり1期生っていうのは、今振り返ると大きかったんじゃないかなと。先輩がいて、それにならってやるっていうことが1回もなかったんで。まあ、うまくいかないんですけど、まず自分たちで何かやるっていう経験を大学のときには割とたくさんできた。そういう意味では、それが一番大きかったんじゃないかなと思いますね。

ナカザワアヤミ:
逆にそれまではそういった行動を起こしたりっていうのはなかったってことですか。

森永純平:
そうですね、そんなに積極的に何かをやるっていう人間ではなかったかなと。

ナカザワアヤミ:
就職してから今のチームを作るに当たってのお話はちょっとさっきも簡単にお聞きしたんですけど、実際、勝利を求めるようなチームに所属したときのことが、今のチーム作りにどう関わっていたんですか。

森永純平:
もともと最初の野球のチームに就職を決める前、別の一般の企業から内定をもらってて、最初はそこに行くつもりだったんですね。でもたまたまインターンでその野球のチームに行く機会があって、流れで働くことになりまして。
当時は今みたいにSNSが発達してなかったですし、スポーツ業界の求人というのはそんなオープンな時代じゃなかったので、なんていうんですかね、本当にもうコネクションがないと入れないみたいな。そういう学部に行って、スポーツ業界に入ってる人の話とか聞いてたら、結局、大学院まで行って教授の繋がり、みたいなことを言ってる人が結構いて。
よくない世界やなと思いながら聞いたんですけど。
そのときにたまたま四国の香川の野球チームからそういう話があって、やっぱり何かしら何かしらそういうのに入っとかないときついのかなっていうのがあって、行こうかっていうことで、最初行ったんですけど。

大学でそれこそスポーツチームが地域活動をやりましょう、みたいな話を聞いてたんで、そういうのをやりたいなと思っていたんですよね。実際、僕野球全くわかんないんで、そういうのをやりたいなと思って入ったんですけど、やっぱり選手は言ったらもうみんなプロ、NPB入るためにそのチームいるみたいなもんなんで、なんでそんなんしなあかんねん、みたいな。

ナカザワアヤミ:
なるほど。

森永純平:
しかも僕も新卒とかなんで、言ったら年齢も下ですし。結構苦労したというか。
ただ、そういう選手に動機づけさせてそういう活動をさせるかっていうところが大変かを学びましたね。
あとは、野球ってやっぱサッカーと違って結構止まるんですよね、試合が。だから試合中の演出が多くて。例えば、9回まで野球ってあるじゃないですか。プロ野球でやってるかわかんないんですけど、5回裏にグラウンド整備の時間があって、その間にイベントをしたりすることがあるんですね。

サッカーって基本ずっと動いちゃってるんで、多分いきなりサッカーとか行ってたらそういうイベントを経験したりとか、演出をしたりとかっていう機会はなかったと思うので、そういう意味ではいかに野球以外のところで興味持ってもらうかっていうのを取り組めたなと思います。
実際、他のスタッフの人ってやっぱ野球好きなんで、試合を見れるようなポジションにつきたがるんですけど、僕はそもそも野球に興味がないので、裏にずっといて。
試合中に盛り上げたりだったりとか、一般の人から見えないような視点でいろいろスポーツと試合を学ぶ機会にはなったんで、そういう意味では、香川のチームはいい経験になったかなとは思います。

ナカザワアヤミ:
なるほど、確かに。野球って本当に切り替えのタイミングが多いですよね。

森永純平:
そうですね、ピッチャーが変わるだけで試合が止まったりとか、一球にめちゃくちゃ時間かけて投げるピッチャーがいたりとか。試合時間がどんどんどんどん長くなるんですよね。やっぱ子供とかいたら待ってられないんですよ。そういう人たちをどうやって飽きさせないかみたいなんを考えるきっかけになったのは、香川県に行ったことだったなとは思いますね。

結局、そういう会場に来てる人っていうのは、大前提やっぱり香川のときは野球に興味があるんですね。滋賀のサッカーチームにいたときも大前提サッカーが好きな人が多い。
そういうチームがたまに地域の活動に行っても、周りは一般の人たちばっかりで誰も自分たちのことなんて知らない。で、選手もやる気ないみたいな。
やっぱり一般の人に興味持ってもらうっていうのはなかなか難しいなっていうのがあったんですね。

ナカザワアヤミ:
はい。

森永純平:
だから、チームとしてそういうことを打ち出して、大前提としてそういうことに関心があるような選手が来るっていう仕組みを作ったりとか。
今の活動エリア自体も、大学とか専門学校とか一切ないんで、基本的には高校卒業しちゃったらもう地元から出ていくっていう人が非常に多いので、そういう意味では、若い人が減ってる地域にチームを作って、まずは選手たちが働き手になる。そういう仕組みでやり始めたら、今応援できてくれてる人って、基本、サッカーをうちがきっかけでみるようになった人たちなんですよ。

ナカザワアヤミ:
なるほど、元々のサッカーファンではないんですね。

森永純平:
そうですね、働いてる子を見るために来てるみたいな。だから多分見てる人の大半はルールわかってないです。

ナカザワアヤミ:
ええ(笑)

森永純平:
ただ選手を追ってるんですよ。でもある意味それは望んでたという状況ではある。
今はやっぱり働いてる職場の人とかが中心になってるので、次のフェーズとして徐々に地域の別のところで、例えばイベントとか行ったときに知ってもらったりとかそういう地域の活動で、知ってくれた人たちが応援に来てくれるようなチームができたらなと。
ナカザワアヤミ:
子供の発表会を見に来る保護者みたいな感じで、知ってる人がやってるから行くっていう理由でサッカーを見に行ってるんですね。

森永純平:
もうまさにそうですね。ほんとにサッカーが上手いからとかチームが強いから来てるっていう人は多分、いないと思います。

ナカザワアヤミ:
やってる方としては来てくれることがまず価値があるというか。

森永純平:
そうですね、選手がどう思ってるかっていうのわからないんですけど、この地域では日本代表の選手よりもうちに所属している選手たちの方が地元の人たちに応援されるとか、ゆくゆくはそういう状況にしたいなと思って。
ただサッカーのうまさではプロにはなれないかもしれないけど、サッカー以外のところで地域に仕事とかそういう活動とかで貢献して、そういう選手たちがサッカーを頑張ってる姿が地域の人を勇気づけたりとか、そういう試合会場で地域の人の交流の場になったりとか、っていうのができたら選手は、もしかしたらサッカーはJリーガーよりも下手かもしれないけど、サッカー選手としては価値があるんじゃないかなと思ってるので。

未来:スタジアムが満員になって、来てる人たちはほぼサッカー知らんみたいな。それが自分たちの公式戦で実現できたら、一番いいかなと思ってますね。

ナカザワアヤミ:
ありがとうございます。将来の話を聞いていきたいんですけれども、先ほどチームとしては、という話は出たところだったんですが、森永さん自身は将来に対してはどういったイメージをお持ちですか。

森永純平:
将来は、まずはこの地域で南紀オレンジサンライズFCっていうチームが、もうちょっと地域に根差した、さっき話してたようなところが本当に現実として起こるように頑張っていきたいなっていうところはあります。
その先は、そのままこの地域に居座るか、もしくは、同じような田舎で、同じようなことをするか、のどっちかかなと。

ナカザワアヤミ:
なるほど。Jリーグに行くようなチームに行って、とかではないんですね。

森永純平:
そうですね、自分がここである程度、成功とは言わなくてもある程度の形を作れたら別の地域でやるっていうのも一つかなと思ってます。まあ、ただこの地域は自分自身かなり気に入ってるんで、このままずっとこのチームでやり続けるっていうのもいいんじゃないかなと思ってますね。

ナカザワアヤミ:
なるほど。短期的なところでは次はどんなことに挑戦したいですか。

森永純平:
短期的なところでは、さっきちらっと言ったサッカー以外のスポーツにも挑戦したいなとは思っています。
あとはさっきみなべ町の中学校にサッカー部がないっていう話をさせてもらったんですが、今はスクールっていう形で集まってサッカーしてるみたいな感じなんで。そういう子供たちがちゃんとサッカーの試合ができるっていう状況を作りたいですね。中学生とか高校生年代のチームを作って。

で、うちも3年目なんで、そろそろサッカーから離れる選手も出てくる時期かなと思うんで、選手がサッカーを辞めたときに、例えば指導者としてこの地域に残るとか、移住してきている選手が定住するみたいな流れはと作っていきたいかなとは思っています
全員が全員この和歌山に残るっていうのは難しいとは思っているので、例えばここに残って農業をしながらうちの指導者としての活動をしたりとか、そのまま働いてる会社でガッツリ働き続けるとか、そういう選手が出てきたら本当の意味での社会貢献というか、地域貢献になるのかなと。なので、今いる選手たちがこの地域に残りたいと思えるようにクラブとしてはやっていきたいですね。
そういう意味ではやっぱり、この地域にいたらサッカー選手としてきちんと評価を受けられるというか、そういったことはクラブとして非常に大事になってくると思っているので、そこにチャレンジしていきたいなと思ってます。

ナカザワアヤミ:
本当に地域貢献っていう視点がすごくたくさん出てきているんですけど、なぜこの地域にチームを作ったんですか。

森永純平:
そうですね、地方でやりたいっていうのがあって。移住っていうのが自分の中では決まっていたので、移住に力入れてる県を探して。
何ヶ所か候補はあったんですけど、その中で、この地域に行ってみたんですね。最初多分みなべ町に、飛び込みって言ったらあれなんですけどアポなしで行ったんですよ。「ちょっとサッカークラブ作りたいんですけど」って言ったら、そんな引いてなくて。むしろ、それならここにいったらいいんちゃう、といろいろ紹介してもらって。その流れで。
今考えると変なんですけど、そのときの人の良さがあったりとか。あとは環境的には良い人工芝のグラウンドがあったりとか、サッカーに取り組みやすい環境っていうのもありましたし、移住もそれなりに県として、力を入れてるっていうところですかね。

ナカザワアヤミ:
いきなり町役場に行ってチーム作りたいんですけど、って言ったんですか。

森永純平:
そうですね。グラウンドがあるっていうのわかってたんで、和歌山県ってそれぞれの市町に移住相談室みたいなんがあるんですけど、そこに行って、移住の相談とは一応事前に言っておいたんですね。移住の相談ではあるんで。

ナカザワアヤミ:
そうですね、まあ確かに。

森永純平:
どういう感じの移住を考えてますかって聞かれたんで、ちょっと移住という形でサッカークラブを作りたくて、って。そのときの対応が非常に丁寧で良かったので、気づいたら和歌山にしてましたね。

ナカザワアヤミ:
そこで窓口の人が引いてたら、実現しなかったかもしれない。

森永純平:
そうですね。ただ後々聞いたら、やばい人がきたと思ってたらしいんですけど。

ナカザワアヤミ:
(笑)
なるほど。受け入れ力が高い。

森永純平:
そうですね。

ナカザワアヤミ:
ちょっと抽象的な話になるんですけど、森永さんが人生死ぬまでに成し遂げたいことっていうとどういったものがありますか。

森永純平:
直近だとやっぱり今のチームで、一応上富田スポーツセンターというところがホームグランドなんですけど、そこで公式戦するときに、スタジアムが満員になって、来てる人たちはほぼサッカー知らんみたいな。それが自分たちの公式戦で実現できたら、一番いいかなと思ってますね。

ナカザワアヤミ:
目的としては、サッカーを強くするっていうよりは、知らなくても、ルールわかんなくても、サッカーに触れる人が増えるとかそういった方向に近いんですか。

森永純平:
そうですね。うちの選手たちが地域の人たちから応援されて、また応援されるだけじゃなくて、きちんと仕事とか日々の地域の活動を通してちゃんと貢献してる状況を作って。その試合会場で地域の人が触れ合うとか、割と年齢層が高い方が多い地域なので、そういう人たちとサッカーやってる子供たちが試合会場で触れ合うとか。
サッカーを通じて、サッカー以外のことが充実する。で、そのことによって、サッカーとかスポーツっていいものだ、みたいなものをサッカーやってない人にも感じてもらえたら一番いいんじゃないかなと思ってます。

ナカザワアヤミ:
なるほど、ありがとうございます。
例えば、浪人をせずにそのまま経済学部とかに向かっていたとしたら、今どんな人生だったと思いますか。

森永純平:
そうですね、まあ普通の会社に就職して、普通に働くというか、言い方がよくないかもしれないですけど、特にやりたくもない仕事をして、何となく生活のために生きてるかなっていう感じですかね。

やりたいことを実行に移すということをしないまま、何となく頭の中で思うだけで何もせずに、過ごしてるかもしれないですね。

ナカザワアヤミ:
和歌山にも住んでなさそうですね。

森永純平:
そうですね、田舎に住むという発想がそもそもなかったかもしれないですね。

ナカザワアヤミ:
ありがとうございます。森永さんからお話し足りなかったこととか、言い残したことがあればお聞きしていきたいんですけど、いかがですか。

森永純平:
基本的に、話すことは話したんじゃないかなと思うので。
うちのことを知らない人と話す機会もなかなか久しぶりといえば久しぶりでした。
知らない人にどうやってうちのやりたいことを伝えていくかっていうのを、このクラブが動き出す前はよくやってたんですけど、最近はもうそういう機会も少なくなってきたので、そういう意味では、こういう機会があって非常に良かったなと思ってます。

ナカザワアヤミ:
ありがとうございます。

あとがき

サッカーをするために移住した選手たちが、サッカーのルールもわからないまちの人の声援を受けている様子を想像して、人間ってすばらしいなと思いました。

地域で愛されてサッカーに打ち込んでも日本代表にはなれないかもしれない。
もちろん日本代表になる方が自分を知ってくれる人が増えるけれど、日本代表でも届けられないような大きな感動を誰かに与えられるかもしれない。
なんて夢があるんだろう。

たとえサッカーという居場所がなくなったとしても「自分がいていい場所である」と思えるかどうか。これは本当に移住施策の真理をついている。移住施策の本当のゴールは引っ越してもらうことではなく社会に巻き込んでいくことであると。全国の移住施策担当者にこのインタビューを送りつけたくなりました。

そして、森永さんのフラットな言葉に、オリンピックもワールドカップもWBCも観ずにNHKスペシャルの恐竜特番を観ているような私も勝手に救われました。
たとえ詳しくなくても、応援したいと思っていいんだなあ、と。

【インタビュー・編集・あとがき:ナカザワ】

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