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路上

今日も俺は道端で出したうんちを食べて生活する。俺は桂修造、39歳独身男性のホームレスである。

リーマンショックを受けて、俺は会社からリストラ対象にされ、無理やり自己都合退職という名目でクビにされた。

その時俺は4年目の社員ではあったものの、新入社員並に仕事ができなかったポンコツであった。そのことから目をつけられ、何かにこじつけて退職させようと上司が様子を伺っていた。

俺はクビにされた後、少ない貯金を切り崩して職を探そうと奮闘していたものの、不景気の影響で100社以上受けても全て書類選考の時点で落ちてしまった。

マンションも追い出されて、路頭に迷うことになる。あれから13年、俺はダンボールで生活しながら炊き出しスポットを探して何とか飯にありつけていた。

炊き出しも毎日やるわけではないから、ない日は仕方がなく、自分のおしっこを飲んで、うんちを食べて飢えと渇きをしのいでいた。

募金もしてみたが、中々俺みたいな薄汚いホームレスにはお金をくれるはずもなく、ひどい場合だとナイフを突きつけられ、玉を切られそうになる。

どこかの国の総理も”困窮したら生活保護を受ければ良いじゃん”とは言うものの俺には親と2個下の弟がいる。生活保護を受給していることが知れ渡ったら、俺は一族の恥として死ぬまで不名誉な称号を背負いながら生きていかなきゃならん。

ここでグチュグチュ言ってもしょうがない。今日は俺の精液で仕上げたうんちでも食べて、生きていることに感謝するとしよう。

The end

担当:とろろ魔人

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