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脳溶け夫が書いた記事

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2021年2月の記事一覧

短編小説「バカフライエフェクト」

「おい!救急車はまだか!」 騒つく民衆に囲まれた俺は、薄れゆく意識の中、なぜこうなったの…

短編小説「愛の手紙」

口では伝えられないことを文にして相手に伝えるという手法を編み出した、誰かに「ありがとう」…

短編小説「品出し殺人」

まさか信じられない。あんなに親切なパートのおばちゃんが犯人だったなんて。 スタッフ一同は…

短編小説「カイコ」

「あんた、明日から来なくていいわよ笑」 薄汚い油まみれの笑みを浮かべたお局にそう告げられ…

短編小説「日本の夜明け」

今回、俺に課せられた仕事は総理大臣の弱みを手に入れることだ。総理大臣と敵対する野党の幹部…

短編小説「手品師と剣」

手品を学んで15年になるがいまだに指がとれかけるネタしかできない。路上で不完全な手品を披露…

短編小説「カツサンドの慟哭」

許せなかった。チーズバーガーを選んでしまった自分が。 「なんでよ」 悲しげな表情でそう漏らした君の手は震えていた。最低だってことはわかってる。君に対する裏切りを平然とやってのけた自分が憎いはずなのに、許せないはずなのに、僕はチーズバーガーを口に運んだ。 「こうするしかないんだ」 僕は君に背を向けた。罪の意識に耐えられずに逃げた。罪を認識しているのに改めようとしない人間になってしまった僕に、君の目に映る資格はないから。 必死でチーズバーガーに齧り付く僕の目から涙がこぼ