パズル系ボードゲームの楽しみは早解きだけじゃない
ふるあた! 皆さん、こんにちは。秋山です。
本記事は『アナログゲームマガジン』で連載している、古今東西の推理ゲームを調べてレポートする『推理ゲームふるあた』の第9回です(全12回予定)。
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前書きはこれくらいにして、早速、本題に入っていきましょう。
はじめに
今回のテーマは、パズルです。
「パズル……って、推理ゲームどころかボードゲームですらないじゃん!」
と思われるかもしれませんが、順を追って説明させてください。
という流れに既視感を覚えた方は、先月のクイズ回を読んでいただき、ありがとうございます。
はい、ボードゲームのなかには、パズルをより手軽に楽しめるようにボードゲームの形に落とし込んだパズルゲームがあったり、答える過程で推理力が問われる形式だったりすることがあります。
今回は推理ゲームの隣接ジャンルとして、パズルを紹介します。
前回のクイズも歴史あるジャンルだったため、ボードゲームに辿り着くのに苦労しましたが、今回のパズルもまた歴史があり、また幅広い世界で使われている言葉であるため、ひとによってイメージするものは様々です。
まずはパズルという言葉を定義するところからはじめるべく、小学館の日本大百科全書を引いてみましょう。
いまひとつ、分かるようで分からない方が多いかと察します。
そこで実際に例を出しながら紹介していきましょう。
一般にパズルと聞いて、真っ先に思い浮かべられるのは『クロスワードパズル』であったり『数独(ナンバープレース)』などでしょう。
国内では『パズル通信ニコリ』が有名ですが、他にも多くの懸賞つきのパズル雑誌が発売されていますし、スマートフォンのゲームアプリとしても人気で、遊んだことがある方は多いことでしょう。
これらのパズルは、えんぴつで解くことからペンシルパズルと総称されています。
他にパズルという言葉を含むもので言えばジグソーパズルもあります。
ジグソー、つまりイトノコギリを使ってバラバラに分割されたピースを組み合わせて、元の一枚の絵や写真を復元する遊びです。観光地のお土産として用意されたり、ディズニー等とコラボして作られたものも多いですね。
わたしは挑戦したことはありませんがビバリー社が2012年に発売された絵柄のない一面一色の超難関ジグソーパズル『純白地獄』は、おおきな話題を呼びましたね。
論理パズルというパズルもありますね。特定の条件下において、論理的に思考し、解答を導きだす遊びです。『正直者と天邪鬼』や『贋金と天秤』など、いろいろありますが特に有名なのは『川渡り問題』でしょうか。
という問題です。
初見の方は、ぜひ考えて自力で答えを導き出してみてください。答えを確認したい、考えても分からないから答えを知りたいという方は「オオカミとヤギとキャベツ」で検索してみていただければ幸いです。
すこし遠回りしすぎた気がするので、ここから先は駆け足でいきましょう。
名前にパズルが含まれないものでも、一般にパズルとして取り扱われる作品は他にもあります『ルービックキューブ』や『知恵の輪』などの立体的なもの。『箱入り娘』や『ハノイの塔』などの玩具的なもの、あるいはマッチ棒を規定回数だけ動かして別の形にする遊びなどもありますね。
『詰め将棋』も『将棋』という別のゲームを用いてはいますが、ある種のパズルと言えるでしょう。
デジタルゲームに目を向けると『テトリス』や『ぷよぷよ』などは、落ち物パズルと呼ばれることもあります。
このように一言でパズルと言っても、その種類は多岐にわたり、実に多くの作品がパズルの範疇に入ります。
さて、前置きが長くなりましたが、今日はパズルをテーマとしたボードゲームを紹介します。
上述の通りパズルの幅は広く、ともすれば大半のボードゲームはパズルであると言えるかもしれません。今回は、実際のメカニクスが現存するパズルを参考にされている、あるいはプレイ感がパズルを解くときに似ている、そういった点を念頭に置きつつピックアップしました。
パズルゲームの年表
まずは恒例の年表をご覧ください。
パズル要素を持つボードゲームのはじまりは『セット』(1988年)とさせていただきました。図形の形、図形の色、図形の数、図形の塗り方、いずれかの要素が共通している3枚をいちはやく見つけ出してセット(組)を作る遊びです。
また、パズル要素を持つボードゲームの代表作としては『ハイパーロボット』(1999年)と『ウボンゴ』(2003年)になるかなと考えております。
ここから先の定期購読者向けエリアでは、主要な作品を紹介しつつ、ボードゲームだからこそのパズルゲームの魅力や、2019年以降の作品に見られるパズルゲーム界の変化を紹介させていただきます。
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