ロジカルシンキング
1. はじめに
DXプロデュース部の谷島です。
今回は、「ロジカルシンキング」について少しだけお話させて頂ければと、思います。
もう遥か昔ですが、外部研修を受けて仕事で利用したこともありましたが、段々と記憶もあやふやになってきましたので、自身の理解を深めるためにも、いま一度文章で纏めてみようと思います。
2. ロジカルシンキングとは?
2.1. ロジカルシンキングとは?
日本語にすると「論理的思考」となります。
物事の根拠となる事柄を明確にした上で、根拠から結論まで筋道を立てて矛盾なく考える思考方法です。
仕事における利害関係者とのコミュニケーションの場面で、自分の思考がまとまらずに「結局、何を言いたいの?」と言われると、さらに詳細に伝えるための手間&時間がどんどん増えてしまい、お互いにとって不幸になります。
根拠から結論に至るまで、矛盾なく明快な論理を構築することが、ロジカルシンキングによって身につく能力です。
2.2. ロジカルシンキングを身に付けるメリット
大きく2つのメリットがあるかと思います。
自分の考えが相手に伝わりやすくなる
問題解決能力が向上する
2.2.1. 自分の考えが相手に伝わりやすくなる
感情的な説明よりも、論理が飛躍したり破綻したりせずに首尾一貫した話が出来れば、相手に自分の考えが伝わりやすいかと思います。
また、新規アイデアや企画を提案するときや、自社製品・サービスを売り込む際にも、論理的に説明出来れば相手の理解や承諾を得やすくなるかと思います。
2.2.2. 問題解決能力が向上する
常に原因と結果、つまり因果関係を理解しながら思考します。
この考え方が無意識のうちにできるようになると、何か問題が起こった時に原因を特定したり、解決策を見つけたりする能力が向上するかと思います。
※ロジカルに考えず、表面的に対応してしまうと、問題解決に繋がりづらかったり、周囲に協力を得にくかったり、という状況が起きやすくなります。
3. ロジカルシンキングのフレームワーク
色々なフレームワークが存在しますが、今回は「ロジックツリー」だけお話したいと思います。
なお、要素をモレなく・ダブりなくピックアップするためには、MECE(ミーシー:Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive)という考え方が必要になりますが、今回は説明を割愛します。
3.1. ロジックツリー
ロジックツリーは、ツリーの上位にテーマを置き、その要素となる事柄や事実をツリー状に配置し、問題や課題を階層に分けて分析していく方法です。
大元の課題から問題や課題を枝葉のようにひろげて行くことから、この名前がついたそうです。
ロジックツリーのメリットとして以下の3点が挙げられます。
問題全体の把握がしやすい
問題を深掘りし原因を特定できる
解決策を考えやすい
3.1.1. Whyツリー(原因追及)
問題の原因を追究していく際のロジックツリーのイメージです。
3.1.2. Howツリー(問題解決)
課題の解決策を考える際のロジックツリーのイメージです。
3.1.3. Whatツリー(要素分解)
トピックの選択肢を要素分解する際のロジックツリーのイメージです。
*引用元:Lucidchart https://www.lucidchart.com/pages/ja/logic-tree
4. ロジカルシンキングの論理展開手法
4.1. 演繹(えんえき)法
所謂「三段論法」とも呼ばれる論理展開の手法で、一般的な事実(ルール)と観察事項という2つの情報をもとにして最終的な結論を導き出すというものです。
有名な演繹法(三段論法)の例に、以下があります。
人間はいつか死ぬ(事実)
ソクラテスは人間である(事実)
よってソクラテスはいつか死ぬ(結論)
ビジネスシーンでの例)
○○という施策を打ち出したら、購入者の80%が女性となった(過去の事実)
今度の新商品の購入層は男女比2:8である(観察事項)
今度の新商品のPRには○○という施策を打ち出したらよい(結論)
演繹法の特徴
事実と観察事項の両方が正しければ、常に正しい結論が求められる
事実と観察事項のいずれかが誤っていれば、正しい結論は求められない
4.2. 帰納(きのう)法
帰納法は、論理展開が演繹法とは逆の手法です。
複数の事実から分かる傾向をまとめて、一般論を導き出します。
複数の事例を分析し、共通するパターンや原則を見つけ出すことで、より広い範囲に適用可能な結論を得ることができます。
ビジネスシーンでの例)
30以降の男女に水に関するアンケートをとった場合、「8割の人が週に一度は水を買う」と答えた(事実)
「水道水は飲まない」と答えた人が年々増加している(事実)
「30歳以降の層には今後もミネラルウォーターが売れ続けるだろう」(結論(推論))
帰納法の特徴
使用するデータの選択や解釈に偏りがあると、誤った結論を導くリスクがある
帰納法で導き出される結論(推論)は、あくまでもさまざまな事実や情報の傾向をまとめたものであって、普遍的な事実ではない
5. ロジカルシンキングの注意点
5.1. 「前提」が変われば正解も変わる
前提としている事実やルールが変われば、自ずと正解も変わります。
つまり、事実であると考えていた情報が誤ったものであったり、思い込みによって誤ったルールを用いたりしていた場合、誤った正解が導き出されてしまうわけです。
また、現在は普遍的な事実として知られていることでも、未来はどうなるか分かりません。前提としている事実が変化することもあるため、注意が必要です。
5.2. 裏付けとなるデータ(事実)は無数に存在する
帰納法のように、さまざまな事実から一般論を導くときには、情報収集が論理を固める最重要要素です。そのため、初期段階で得られたデータとは異なる内容のデータが後から出てくれば、導き出される一般論や結論も変わることがあります。
初めは「A」が結論だと思っていても、事実をさらに集めていくと実は「B」が結論かもしれないと考えるようになる可能性は十分にあります。
より普遍的で客観的な結論を導けるように、事実は無数に存在することを覚えておきましょう。
5.3. 論理を展開する「視点」は1つではない
ロジカルシンキングでは、視点によって論理展開や結論が異なるケースがあります。
自分の視点にとらわれず、さまざまな視点があることを理解しておくと、考え方の幅が広がるでしょう。
*引用元:リクルート マネジメント ソリューションズ
6. サンプル
6.1. プロジェクトの振り返り
Whyツリー(原因追及)で、プロジェクトの良かった点・悪かった点を掘り下げていきます。
徐々に要素を細分化し、最下層の要素に対する解決策を検討するイメージです。(良かった点は何が原因で良かったのか、を掘り下げ、ほかのプロジェクトに共有します。)
例)「システムの使い勝手が悪い」と指摘され、原因探求するケース
(かなり端折って書いています。)
6.2. プロジェクトのリスク管理
Howツリー(問題解決)で、項目毎に対処案を考えます。
徐々に要素を細分化し、最下層の要素が対処案となるイメージです。
例)プロジェクトメンバーの途中離脱リスクを回避する方法を検討するケース(かなり端折って書いています。)
7. おわりに
今回は「ロジカルシンキング」について少しだけお話しさせて頂きました。
実際のソフトウェア開発業務では、企画立案、プロジェクトの振り返り、プロジェクトのリスク管理、など、活用できるシーンは多岐に渡るかと思います。
古から確率された思考法であるため、ソフトウェアの開発言語や開発フレームワークのように流行に左右されず、一度理解した内容が陳腐化しない点も個人的にはおススメです。
8. 引用サイト
・いらすと屋:
・alue:
・リクルート マネジメント ソリューションズ:
・識学総研:
・Lucidchart:
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