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朝のミーティングを活性化してみるとクロージングの雰囲気がよくなった

全員がリモートワークのチーム。今や全然珍しくもない組合せである。
チームはまだコロナ禍が色濃い、2022年に始まり現在まで、毎日チームメンバー全員で朝会を定例開催している。チームの業務もクライアント内の変化に合わせ、メンバーを少しづつ入れ替えてきている。

進行は以前PMが行っていたが、途中からは育成も兼ね若手が担当している。
朝会はテーマ毎の状況を逐一確認するやりかたで、担当変更した当時は、1テーマ1名担当の業務配分で報告も活発であった。

その後クライアントから依頼される業務の内容が変わり、いくつかのテーマは複数名で担当となったことで、報告の雰囲気が変わった。
テーマ毎の作業が毎日あるわけではないので、メンバーは複数の業務を組合わせてその日その日の作業配分を決めている。
その結果、話すのはテーマのリーダ的役割の者中心となり、話さない人は何も報告せず、個々の実績と予定が見えなくなっていた。

さらに、いつも間にか「特にありません」のオンパレードが続くパートと、進行係の関心が高く重要度もそれなりにあるパートにグダグダ余分な時間を消費することが起きたりすることが増えていた。

朝会の目的と効果が損なわれてきたことで、参加者の中にストレスを覚えるものもでてきた。ストレスを抱えた参加者の一部は進行係に、「一つ一つのテーマの状況を聞いても特にないが続き、無駄に時間がかっているだけなので改善してほしい」と申し入れした。

その結果、悩んだ進行係は「報告することがあれば、言ってください」というスタイルに変更してみることにした。
ところが、この方式にすると、朝会が早く終わることは増えてたものの、各メンバーが何をやっていてどういう状況かがますますわからなくなる、という事態に陥った。
作業が空いていて他人を手伝える人か、仕事がいっぱいで抱え込んでいる人か、この後の予定で何を抱えていて、今何に困っていて・・・といったことが表に出なくなってしまったのである。

約2週間ほどでその状態が判明したとき、また一部のメンバーから「誰が何やっているかさっぱりわからないので、一人づつ前日の実績と今日の予定を言ってもらうようにしてほしい」と進行係に要望が出た。
しかし何を思ったか、せっかく早く終わりたいという要望に応えたのにまた長くなってしまうと思ったか、反対意見がでることを危惧したのか、進行係の若手はなかなかやり方を変えようとしない。

そのうち、進行係自身の仕事も何やっているかさっぱりわからないということになり、業を煮やしたメンバーから朝会で進め方の提案(1人づつ実績と予定を話す)が出た。
提案されてみると、進行係が危惧していたような反対もなく、まずはやってみようということになった。

順番に実績と予定・共有したい情報がアウトプットされると、それに反応した回答や提案があったり、関連する仕事の担当者間での業務内容の調整がその場で簡単にできたりと、最近にない活発なやりとりの広がりがあった。

この日の朝会は決して「早く」終わるものではなかったが、予定時間に適切に終わり、各人にとって有益な情報やコミュニケーションが成立したと言えた。

現に朝会終了時にメンバー各人の挨拶「失礼します」や「今日もよろしくお願いします」や「ありがとうございました」の声は活気が感じられるものであった。

これはきっと、案ずるよりも生むがやすし、というものだけではなく、朝会の本来の目的に会った結果を参加者それぞれが確実に得られたから、という本質的な理由に因るものであると思う。

型を尊重しすぎるあまり、前任者から受け継いだやり方を、現状の変化を無視して続けてもミーティングは破綻する。
周りの意見に過敏に反応しすぎるあまり、問題を「無駄な質問と回答をなくす」ことと取り違え、とんちんかんな対応を採用しても破綻する。
一生懸命に頑張る進行担当は、一度決められたことをその通りにやることに熱心なあまり、「意見がある人だけ言ってもらう」方式のマイナスをみることに蓋をしていたが、このような部分を周囲がどのようにサポートしていくかが課題でもあり、本人の成長を促す部分ともなる。

日々のコミュニケーションの積み上げがチーム力に効いてくる。


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